■クシュカ語の語彙集(2004年3月改訂版)■
© 1999-2004 Fusahiko Yanagawa

散歩男爵こと柳川房彦氏のライフワークの一つ「架空言語の制作」により作られた架空言語「クシュカ語」の語彙集です(現在1200語)。
柳川氏自ら「物語性を持つ言語」を目指したと言うだけあり、随所に神話が現れています。
 みなさんは、この言語を読んで、どのような世界を想像しましたか?
 よろしければ、掲示板、メール()で感想をお寄せ下さい。

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<  ……語源

*   ……推定される古語、祖語

←→ ……関連するクシュカ語の単語

→  ……関連すると思われる他言語の単語

復元・再構築されたクシュカ語の語根は、大文字のアルファベットで示される

 例)LAU、SAU、SEL


abaluin{動:アバルーイン <a-bal-uin}
1. 美しくする。
2. 誉める。誉め讃える。
adu_rrin{動:アドゥーリン <i-*du-rwin<*und-}
1. 倒す、押し倒す。
2. 地面に打ちつける。
agau{名:アガウ →東方イラン祖語*gari-}
1. 峠。
2. 通り道。抜け道。
aghawin{動:アガウィン、アハウィン <agn-+khawin}
1. 殺す、壊す。
2. 腐らせる。
3. 解体する。
agn{前置、接頭:アグン ……直後に無声音(清音)がきた場合はang-となり、有声音(濁音)がくるとan-となるが、例外としてagn+n->agn-、agn-+k->ank-、agn+kn->ang-がある:→ラテン諸語un-、non-}
1. 動詞語幹に先行して否定や反対の意味をあらわす:「〜しない」「〜ではない」
2. 名詞に接続して否定や反対の意味をあらわす:「非〜」「反〜」
Agna{固有:アグナ <agn-}
1. イスキュア神話における英雄、【天界十騎Us^kvanu】の一。原義「否定する者、しりぞける者」。【アクシャーザ】の供として、常に一行のしんがりをつとめる。長身で寡黙にして、あらゆる事について懐疑的態度をとる。【ホズナシュ】の従兄。
agnin{動:アグニン ←→【agn-】、【gna_lin】、【gnin】}
1. 〜をしない。やらない、おこなわない。
2. (agn+【nin】から)持たない。触れない。
3. 〜とならない、〜にならない。
agnuvdav{形:アグヌーヴダヴ <【agn-】+nuvdin(=【nin】の語尾変化)}
1. 触れるべきでない。触れることを禁じられた。
2. 禁忌の。禁断の。
agvry`{名:アグヴーユ <agbry`<agmbry` ←→【ambrey`】、【ambrunau】}
1. 屍鬼。【Vilgna女神】の眷属の一。イスキュア神話において、死期の迫った者の天幕の外に集い、またその周囲を疾駆して、死者を食らわんとするが決して果たせない妖怪。
-ah-{接尾辞:アフ ←→*aku-?}
1. 動詞語幹の後について、使役をあらわす:「〜させる」。
  例)knissin.      「彼は目覚める」
    knissahin us^kei. 「彼は馬たちを目覚めさせる」
aha_、ha_{副:アハー、ハー <*akh-}
1. つねに、いつも。
2. 永らく。
3. 引き続き、いつまでも。
ahl{名:アフル <*hlm-}
1. 天。天空。
2. 星空。夜空。
3. 柱の突端。
4. 天蓋。
ahna{名:アフナ ←→*aku-?}
1. 主人。
2. 命令者。
ahva{名:アフヴァ <【ahvin】}
1. 続き。継続。
ahvin{動:アフヴィン <*akh-}
1. 続く、引き続く。継続する。
aida{名:アイダ <【aidin】}
1. 続き。
2. 延長。突端。
3. (古)鏃。槍の穂先。
aidin{動:アイディン <ai-}
1. 続く。伸びる、伸ばす。
aienin{動:アイエニン <*yene-}
1. 思いやる。
aika{名:アイカ <*ai-<OY}
1. 現在、現時点。今。
aikh{代、副:アイハ、アイク}
1. ここに、ここで。
2. 今、今まさに。
aikhday`{名:アイクダーユ <【aikhin】}
1. 王の行政の代行者。執事。執権。
aikhin{動:アイヒン、アイキン}
1. 差配する。
2. 細かく手を尽くす。
aiklin{動:アイクリン <ai-}
1. 遅れる。
2. あとに付き従う。←→対義語【akuin】を参照。
aiky`a{名:アイキュア <ai-<【ay`】}
1. 【ナーユ天女】の異称。原義「付き従う者」。
ainin{動:アイニン <*ai(<*ay`)+nin}
1. 救う。救出する。
aiolo{形:アイオロ <ai-}
1. 長い。
2. 伸びた。延長された。
ait{副:アイト <*ai-<OY}
1. 今。この瞬間に。
aive{副:アイヴェ <ai-}
1. 常に。いつも。
2. 永きにわたって。
aivnin{動:アイヴニン <ai-}
1. 気にかける。
aiwin{動:アイウィン <ai-}
1. 伸びる、伸ばす。
aiza{名:アイザ <【aizav】}
1. 長さ。丈。
2. 距離。
3. 長さの単位:約180センチメートル。
aizav{形:アイザヴ <【aizin】}
1. 長い。
aizin{動:アイズィン}
1. 長くなる、長くする。
Ajankhuy`{固有:アジャンフーユ <*ajana「激情<生贄の心臓」+*heye-「巨人、巨体、長身」}
1. イスキュア神話における【ジェッサ誓約氏族】の女戦士。【アヴジェズルAvjezl】の長女、【アグナ】の母。母親似の巨躯で、十尺を超えてさらに育ったという。怪力の持ち主としても知られる。
aka_win{動:アカーウィン <【kawin】}
1. 乱す。混ぜる。
2. 荒らす。
akh{前置:アッハ、アック}
1. 属格に先行して、上部の位置をあらわす:「〜の上の」。
2. 対格に先行して、上部における運動や状態をあらわす:「〜の上で」。
akhna{数:アクナ、アハナ}
1. (数字の)8。
2. 八つ、八個、八人。
akhs^a{固有:アッシャ ←→【as^ta】、【as^tin】}
1. 【帝都アシュナ】の東〜北東部を流れる河。両岸には多く【ナウク人】が住み、アウロン王の血統に封じられた。
akhtay`{名:アハターユ、アクターユ <反実法三人称過去-akhta}
1. 神仏など人智を超えた諸存在の総称:「かくありしかとも思われる者」。イスキュア神話哲学において神仏天仙とは非線形時空に住まう存在として、常に「そうはならなかったが、そうなったかもしれなかった過去/未来」を内包していると見なされる。これに対して人間や神獣など単に悟性を有する者は「過去と現在は認識できるが、未来を含む非在の時空を獲得・内包できない」存在、すなわち【認識者zay`】に分類される。
akhva{名:アクヴァ、アフヴァ <*khewe-}
1. 世界。現世。
2. (壮麗な)建築物、宮殿。
3. 塔。尖塔。
akhva As^zaudunen{固有:アクヴァ・アシュザウドゥーネン}
1. (仏典)釈迦世界。中央に須弥山を、天空に日輪月輪を有し、四方には四大陸が位置する方形の世界。転輪乗経典では頂上までの高さ一千億里に及ぶ一本の角柱として描写される。現代天文学においては球形の惑星を含む複数の天体からなる系と解釈されている。
Aks^a_aza{固有:アクシャーザ <*aks-iau-s-<KES+YAW+SE「萎え脚で(膝を曲げて)戻ってくる者」 ←→【kis^】、【zau】}
1. {固有名詞)イスキュア神話において活躍する天の射手。三千世界を横断して転輪聖王の住まう〈不死の塔〉【スカウズ】を目指したが至らず、〈黄金の月〉を持ち帰ったという。
aksuin{動:アクスーイン <iksuwin<i+kis^+orruin}
→【aks^win】に同じ。
aks^win{動:アクシュウィン <iksuwin<i+kis^+orruin}
1. 不安定にさせる。偏る。
2. 跛行する。
akuin{動:アクイン、アクーイン <*aku-}
1. (家畜を)動かす。
2. 遊牧する。旅をする。
3. 強いる。強制する。
akunzay`{名:アクンザーユ}
1. 呪術師。死人使い。
akuy`{動:アクーユ}
1. (強制する)力、能力。
2. 力の保持者。能力者。
akvin{動:アクヴィン <aky`s+vin}
1. 睨む。睨み付ける。
2. 術をかける。
3. 影響する。影響を与える。
4. 指示する。
akwin{動:アクウィン <【kin】+他動詞強調の接辞i/a-rwin<Ke}
1. (家畜を)動かす。
2. 遊牧する。旅をする。
3. 強いる。強制する。
aky`s{名:アキュス <*ak(<*owku-)+y`z}
1. 目、眼球。
2. 宝玉の名前に多く用いられる美称。
    例:Urnaky`s 「白銀の眼」
ala_nuwin{動:アラヌーウィン}
1. 加える。
3. 持ち込む。持っていく。
alau{名:アラウ <*lau-「(それ自身を)幾重にも包むもの」<*lv-}
1. 錫杖。
2. 韻律。
3. 音響。残響音。木霊。
alhvin{動:アルヴィン、アフヴィン <【av】+【avin】}
1. 受ける。受け取る。
2. 授かる。譲り受ける。
alma{名:アルマ <ALEM}
1. 鷹。とくに狩猟に用いられる鷹。
2. フクロウ。
alu_da{名:アルーダ <*ay'-}
1. 時代、歳月。皇帝の治世。
 ※例)alu_da Arriazamnen  「アリアザーン帝の治世」
    alu_dien Barragne_lien 「バラグネーユ(が支配した)時代の〜」
2. 在任期間。任期。
3. 帝国に服属している諸王の統治期間。また、その間の出来事。
alwin{動:アルウィン <【lin】}
1. 出す。
2. 現わす。
amalav{形:アマラヴ <*ama-+【lin】}
1. 正統な。
2. 卓越した。
amau{名:アマウ}
1. 右。右側。
2. 右手、右翼。
amav{形:アマヴ <*ama-}
1. 右の。右側の。
2. 優位な。優勢な。
ambrey`{名:アンブレーユ <agmbry`<【agn-】+*mbr- ←→【agvry`】、【ambrunau】}
1. 不死者:原義「死に在らざる者、死に似ざる者」。
2. (雅)黄金。
3. (雅)【神聖霊液ユルサーグナ】。
ambrunau{名:アンブルーナウ ←→【ambrey`】、【agvry`】}
1. 転輪経典に語られる、不死の氏族:原義「黄金を持ち続ける者」。記憶の術に優れ、あらゆる事を忘れずにいるがその代償として人の生き血で喉をうるおす定めを負う。「パーンドゥシュの裁き」の後に【帝都アシュナ】にあらわれ、【ウルゴン河】の北岸に居住を許された。
ana_{形:アナー <ANg}
1. 主語または目的語の前について、例外の無さを強調する:「ひとつ(ひとり)の〜も〜しない」「ひとつ(ひとり)の〜をも〜しない」。→【na_】を参照。
anas^{名:アナシュ、アーナシュ <*agna-}
1. 無。否定。虚無。
2. (仏典)サンスクリット語から輸入した「空」s^unaghaのクシュカ語訳。
anbe_z{副:アンベーズ <anbessa_ve<【agn-】+【bessav】}
1. 動詞・形容詞・他の副詞を強調する:「まさに、まさしく」。→類義語【yajla_ve】を参照。
andin{動:アンディン}
1. のびる、のばす。長くする、長くなる。
andovna{名:アンドーヴナ}
1. 延長。伸張。
angha{名:アンガ <*ang-}
1. 骨。
2. 骨格。
anguin{動:アングイン <*ang- →ラテン語angere「絞める、絞め殺す」}
1. 縛り付ける。
2. 足止めをさせて他の者よりも遅らせる。
anka{名:アンカ <*ang-}
1. 後ろ、後尾。
2. 末尾。隊列の最後。
-a_nn、-u_nn{接尾:-アーン <古クシュカ語の男性形語尾-on}
1. 語幹に付いて男性行為者をあらわす名詞をつくる:「〜する者、〜である者、〜を持つ者」。
Anpharruz{固有:アンファルーズ}
1. イスキュア神話における英雄の一。【天界十騎Us^kvanu】の一人で、【ヴァラドゥーズ】の長男。長く美しい黒髪と詩才によって知られる。
anti_vna{アンティーヴナ <ande_vna<andevin<【agn-】+【din】の受動相devin}
1. (雅)未来。原義「未だ置かれざるもの」。
anu~{副:アヌー <*agna-}
1. 決して〜ではなく。
anu~jme{副:アヌージュメ <agn-+du~me}
1. 決して〜しない/ではない。もはや〜しない/ではない。
anues^lve~{副:アヌーエシュルヴェー <agn+es^linの過去分詞es^lavの副詞化語尾-ve~}
1. 悉く。例外なく。原意「(群より)離れるもの一つとて無しに」。
anuksav{形:アヌークサヴ <agn+kis^+av}
1. 平坦な。平たい。
2. 偏りのない。
3. 安定した。
anus^kin{動:アヌーシュキン <anu-+us^k +in}
1. 馬から下りる。
2. 逗留する。
3. 定住する。住む。住み着く。
anuya{名:アヌーヤ <【agn-】}
1. 非存在、不在 。
2. 欠如 。
3. 無 。
apeluin{動:アペルーイン <i-*pela-uin}
1. 繰り返す。
2. (雅)髪を幾重にも巻く。絡ませる。
3. 螺旋状にする。
arhau{名:アルハウ <【arhin】}
1. (馬による)旅、旅行。
arha_y'{名:アルハーユ <【arhin】}
1. (騎馬による)旅行者。
2. 騎乗者。馬の乗り手。
3. 騎馬戦士。平騎士。
4. (雅)クシュカ帝国の臣民。
arheda_nn{名:アルへダーン <【arhin】}
1. 玉座、王座。
2. (雅)クシュカ帝国に忠誠を誓った各地の遊牧王の尊称の一。
3. (仏典)正覚者が座するとされる鞍。
arhemm{名:アルヘム <【arhin】}
1. 鞍。→【armm】を参照。
arhin{動:アルヒン <*akh-<AKh「(上への)積み重ね、積分」 →【akhva】【Mazakh】【akh】を参照}
1. 馬に乗る、またがる。
2. (馬で)旅をする。
3. (馬などを)御する。
arkh{名:アルク、アウク <*aur-}
1. 当歳馬。
armm{名:アルム <【arhemm】}
1. 鞍。
2. 背もたれのない椅子。
3. (転)座る場所。
4. (雅)住居、寓居。家。
arra{名:アラ <*aur-}
1. 若葉。
arra{名:アーラ}
1. 手のひら。平手。
2. (熊など大型動物の)掌、およびその爪。
arrassin{動:アラッスィン <*arra-<*ar- →トカラ語ar-「愛」arance「心臓」}
1. 欲する。
2. 憧れる。崇拝する。
arriamm{名:アリアム <*arri-<AR}
1. 宝玉。宝石。
2. 貴石。
Arriaz{固有:アリアーズ <arria-}
1. 男子の人名:「煌めく宝石のごとき者」または「信号を放つ者」の意。
Arriazann{固有:アリアザーン}
1. クシュカ帝国の第六代皇帝(女帝)。原意「宝玉の君」「璧帝」。
arrihas{名:アリハース <*arria-+使役語尾ah-}
1. 信号。特に灯火による信号。
2. 合図。
3. 号令。
arrihas^day`{名:アリハシュダーユ}
1. 使者。伝達者。
2. 特使。全権代表者。
arrin{動:アリン <*arri-}
1. (鉱物などが)きらめく、輝く。反射して光沢をしめす。
arsin{動:アウスィン <*aur-}
1. 若くある。
arska{名:アウスカ <【arsin】}
1. 若さ。
arva{名:アルヴァ}
1. 贈り物。
2. (古)空虚、虚無。
arvin{動:アルヴィン <【avin】の古完了形}
1. (古)自死する。命令によって自決する。
2. (古)死を賜う。自決を許可する。
arwimm{名;アルウィム <【arwin】}
1. 荷物。
arwin{動:アルウィン <【avin】の完了形a_rvinより}
1. 送る、送り出す。
2. 運ぶ、届ける。
3. 贈る。贈与する。
4. (古)失う。喪失する。
arzon{名:アウゾン、アルゾン <*aur-}
1. 若武者。
2. 才長けた若者。
-as^{接尾:アシュ、アーシュ <【tas^
1. 一地方、領域、封土を意味する接尾辞:「〜の地」「〜地方」「〜国」。
2. 生国、故郷。
as^gau{名:アシュガウ <*ias^+*gau}
1. 狼。
As^gavzak{固有:アシュガーヴザク}
1. 「狼使い」。半人半獣の姿で、獣の群を自在に操るとされる者。
askau{名:アスカウ <*y`s^-}
1. 市、市場。
2. 村。村落。
3. 集会場。
as^kazay`{名:アシュカザーユ}
1. 商人。
2. (雅)人。人間。 →類義語【as^tnavay`】、【as^tvakhay`】も参照。
as^kazin{動:アシュカーズィン <*ias^+*aza-}
1. 交易する。交換する。
as^kha{名:アシュハ ←→【is^na】、【askau】、【as^na】}
1. 都市。
2. 市場。定期的に開催される市。
as^khaskhay`{固有:アシュハスカーユ}
1. アシュナーズル帝の母ヒアンカの称号:「都市を編む者」。
askheva{名:アスケヴァ、アスヘヴァ <【askhin】}
1. 織物、とくに精巧な模様で飾られたもの。
2. タペストリ。
askhin{動:アスヒン、アスキン}
1. 編む。機織る。
2. 器械を用いる。→【y`nuin】、【manin】も参照。
askhva{名:アスクヴァ、アスフヴァ <【askhin】}
1. 機織り。また、絹や布を織ること。
2. 器械を用いること。
as^kin{動:アシュキン <*ias^+kin}
1. 協同する。結ぶ。
2. 共に旅をする。
3. 後に続く。
askna{名:アスクナ <askuz}
1. 夢。また、それを司る菩薩の呼称。
2. 夢の国。「夢の領土Lada Asknen、Asknus^」。
asku_in{動:アスクーイン <【asku_z】}
1. 夢を見る。
2. 微睡む。うとうとする。
askuz{名:アスクーズ <aus+*kis ←→類義語【vnakiy`】を参照}
1. 夢、またその中で発見・確認された情報や物件。
asky`nin{動:アスキュニン <*aspha-}
1. 遊ぶ。愉しむ。
2. 余裕をもつ。誤差範囲を大とする。
3. 秩序を失う。
as^lau{名:アシュラウ <*y`s^}
1. 同盟。
2. 味方。戦友。
as^luz{名:アシュルーズ <as^+【luz】}
1. 輪唱。
asna{名:アスナ <*asn-}
1. 距離。
2. (古)歩幅。一跨ぎ。
as^na{名:アシュナ}
1. 十字路。
2. 十文字。十字形。
3. 交点。座標軸の原点。
4. (天文)黄道と★天球子午線が交差する天上の位置。
As^na{固有:アシュナ}
1. トランス=ソグディアナの北方に存在した古代遊牧帝国の首都。東方においては阿須奈(あすな)国として知られる伝説上の都。転輪乗経典には多くの異称が記されており、そのうち最も有名なものは「無数の名を持つ都(直訳:自身よりも多い名を有する処)」であるとされる。アシュナは「大地に礎をもたず天空へ垂直に架かって」いるが、一年に二度「大湖のほとりに降り立ち、四方の神門を開いて地上の牧民が来訪するを許した」という。
 同じく経典によれば、「最初の人の王」ウルンクーヴァUlnkuvaの次女であるヒアンカHiankaが〈黄金の月〉を用い、一夜にしてアシュナを建立した。その壮麗な姿は「一辺三千里の方形にして、各辺は東西南北に面して大門が置かれ、都市の中央には円筒型の内裏が聳えること一万丈、内裏を囲む四百の尖塔より四つの河が流れ出て、その水はあらゆる街区を慈悲の光で満たした」と伝えられる。
asnav{形:アスナヴ、アスナウ}
1. 遠い。遙かな。
asnavin{動:アスナーヴィン}
1. 蒔く。
2. 撒く。撒き散らす。
3. 散逸する。
asnin{動:アスニン <*asn-<*zn-}
1. 一定の幅で歩く。
2. 測る。
3. 識る。理解する。推し量る。 →類義語【skuin】が静止による抽象的思考を暗示するのに対して、asninは運動→による実測→による具体把握を意味する。対義語【zna_khin】も参照。
asnudin{動:アスヌーディン}
1. 遠ざける。
2. 離れた場所に退ける。突き放す。
asnussin{動:アスヌッスィン <*asn-+zin}
1. 距離を置く。遠く離れて位置する。
2. 一定の距離を保つ。
aspey`{名:アスペーユ <*saupe- →サンスクリット語sarpati「這い寄る」、ギリシャ語herpein「這い寄る」、ラテン語sepere「這い寄る」}
1. 蛇、水蛇。
2. 脚を持たない神、「這い寄る神」。
3. (俗)おもいがけない幸運。
asta{名:アスタ <*as^-}
1. 泉。湧水。
2. 噴水。
3. 奔流。
as^ta{名:アシュタ}
1. 東。日の昇る方角。
As^tekuva{固有:アシュテクーヴァ}
1. イスキュア神話における薬師如来の別名。
as^tin{動:アシュティン}
1. 流れる。
2. 吹き出る。溢れる。
3. こぼれる。
as^tnavay`{名:アシュトナヴァーユ <*as^attava-<*ias^+*atava-}
1. (雅)人。人間。原義「交互に手渡す者」。
as^tvakhay`{名:アシュトヴァハーユ <*ias^+*tva+使役辞ah}
1. (雅)人。人間。原義「交互に渡させる者」。
As^umey`{固有:アシュメーユ <as^「場所」+*ummey`「不動の清浄」}
1. イスキュア神話における女祈祷師。【アヴジェズル】の次女。息子の【ホズナシュ】と甥の【アグナ】が【ナーユ天女】との天界戦争に出陣する際、あらゆる矢を跳ね返す盾を前者に、あらゆる敵を射抜く弓矢を後者に与えた。
as^zaudun{固有:アシュザウドゥーン}
1. (仏典)釈迦。シッダールタSiddharthaの音訳であるS^zardauが訛ったもの。
atuwin{動:アトゥーウィン <i-*tur-uin}
1. 巻き込む。
2. 自転する。軸を有する。
atvau{名:アトヴァウ <*atva-<*tva-}
1. 遊牧。
2. 周遊。往復。
3. 移動。
atvay`{名:アトヴァーユ}
1. 遊牧民。牧民。
2. クシュカ帝国における平民層。財産を持ち、季節的移動ができ、貴族の指揮のもと戦争と略奪に参加する資格を有する。集合名詞はアトヴァーヌatvanuまたはアトヴェルatvel。
atvin{動:アトヴィン <*tatv-<*tav-}
1. 往復する。
2. 遊牧する。牧民として生活する。
auda{名:アウダ <*haud-}
1. 盾。
2. 防壁。外壁。
3. (壁のある)住居。
audin{動:アウディン}
1. 防ぐ。妨げる。
2. 覆う。
3. (虫や獣が)外皮を硬くする。
4. (3の転用)態度を硬化する。頑なになる。誓約を拒否する。
5. (語源の誤釈aus+dinと4の混同から)交流を避ける。隠棲する。「(自らを)彼方へ置く」。
aukhav{形:アウハヴ}
1. 未熟な。
2. 性急な。
aukhin{動:アウヒン <*aur-}
1. 跳ねる、跳ぶ。
2. とびつく。
3. 焦る。
auknin{動:アウクニン}
1. 見つける。見いだす。
2. 発見する。
3. (見つけることで)所有する、またその権利を主張する。
auksin{動:アウクスィン ……音便でaugzinとも <*auk-<*owku-}
1. 見つめる。
2. 驚いて見る。あっけにとられる。
auloz{名:アウロズ ←→【aulu】、【audin】、【auzdin】}
1. 屋根。
aulu{名:アウル}
1. 天幕。テント。
2. 宮廷。
aus{前置:アウス <?*essa- ←→es^lin、za}
1. 対格に先行して最上部の位置をあらわす:「〜の上の、〜の頂上の」。
2. 奪格に先行して、対象を超えた位置をあらわす:「〜の向こうの、〜の果ての」。
注釈……tva<*tav-が平面的直線的移動による外部への転移をあらわすのに対してaus<*essa-は垂直的・放物線的移動のニュアンスがある。たとえば、
 例)「彼は森を抜けて川へむかった」tva sugnai sarrad edan.
   「鷲たちが山を越えて飛んだ」 ausmugnag lhay`n salvande.
 という風にそれぞれ用いられる。
auzdin{動:アウズディン ……音便でaujinまたはaussinとも <aus+tin}
1. 讃える:原意「頭上/頂上に置く」。
av{前置:アヴ、アウ}
1. 属格の名詞に先行して、出自や起源をあらわす:「〜より発する、〜から生まれる」。
ava{名:アヴァ <avag* →サンスクリット語apah「水」、ラテン語aqua「水」、ドイツ語wasser「水」}
1. 水。
2. (雅)湖、大湖。
3. (古)現在のアラル海。
Avanday`{固有:アヴァンダーユ <aven-na_y'「水天女」の音便}
1. イスキュア神話における神格の一。主にスーユナ大湖(現在のアラル海)に棲んで漁猟を統べる女神の一群。
avegna{名:アヴェグナ <av+yegna}
1. 祈祷。祈祷文。
2. 思考。「声に出さない言葉」。
avin{動:アヴィン}
1. 与える。
2. (雅)受ける、受け取る。
avlav{形:アヴラウ <*vil- →古高地ゲルマン語wildi、ウェールズ語gwyllt「野生の」}
1. 走り回る、疾走する。
2. 毛皮の、毛の生えた。
3. 野生の、自然の、飼い慣らされていない。
avrona{名:アヴローナ <*vron-}
1. 回転舞踊。
ay`{名:アーユ →ラテン語aevum「人生」、ギリシャ語aion「時代」}
1. 時。
2. 永い時間、永劫。
ayau{名:アヤウ <【ay`】}
1. 水辺。穏やかな水の近く。←→【khova】も参照。
2. 泉、池。
ayavnay`{固有:アヤヴナーユ <ayau}
1. イスキュア神話において、【磊江ヴラウゾン】の上流に棲みついていたとされる天女。ヴラウゾン付け替えに際して故地を離れることを拒み、アシュナーズル女帝の命令によって斬首された。その怨念は【帝都アシュナ】の内裏の北西辺にとどまり、訪れる転輪僧に対して帝国崩壊の日を予言したという。
ayekh{形:アイェク <ay`}
1. 瞬間の、一瞬の。
2. 適切な。
3. はかない。
Ay`zman{固有:アユズマン、アユズマーン}
1. イスキュア神話において、【神聖霊液ユルサーグナ】を生ずるという霊峰。東方へ伝わった転輪乗経典においては「纐纈山」「纐纈峡」などと表記される。
azau{名:アザウ <*aza-<*es- ←→【zin】、【ezrav】、【eska】}
1. 変化。うつろい。
azkin{動:アズキン <*ag-kinの音便<agn+kin}
1. 否定する。
2. 殲滅する。
azna{名:アズナ <*os-}
1. 太陽。陽。
aznin{動:アズニン <*aza-+ nin}
1. 成る、変化する。
azokh{形:アゾク}
1. 素手の。
2. 裸の、覆いのない。
3. 道具を用いない。
azr{名:アズル、アズウ →サンスクリット語as'ra、古ノルディック語a`sa、アラビア語j`ini}
1. 悪鬼、羅刹:「素手で歩く者」。
2. イスキュア神話において、【宇宙侵入神クルシュ】の先触れとしてこの宇宙に忍び込むとされる異神異仏の類。
3. (転用)無宿者。
azv{形:アズヴ <*esr-}
1. 左の、左側の。
azva{名:アズヴァ <*esr-}
1. 左、左側。
2. 左手。左翼。
ba-、bar-{接頭:バ、バル <BER}
1. 空間的先行をあらわす:「〜の前の、前面の、に先行する」。
2. 時間的先行をあらわす:「〜より以前の、より昔の」。
3. 準備や予備的行為をあらわす:「あらかじめ、前もって」。
badav{形:バダウ <【badin】}
1. 死者の。
2. 死せる〜、死んでいる〜。
badin{動:バディン <MPED}
1. 埋まる、埋める。
2. 埋葬する。
3. (古)死者を弔う。
badna{名:バドナ}
1. 煉瓦、焼き煉瓦。
bagwin{動:バグウィン <【bau-】+【gwin】}
1. 準備する。
bakha{名:バッハ <bakh<*bek}
1. 高原。ステップ地帯。
2. 放牧に適した土地。
3. (古)高原へ至る、傾斜のある土地や道。「美しききざはしの地」。→【ba_la】、【ballo】も参照のこと。
4. (古)騎馬戦闘。主に平原・高原で行われる一斉攻撃。→類似の意味変化をおこした【egna】〜【egnau】も参照。
ba_la{名:バーラ <ba_l-<*balal-<MPeLeL}
1. 門、とくに城門。
2. {固有名詞、複数:BalalnuバラルヌまたはBala_nuバラーヌ)クシュカ帝国の首都【アシュナ】にあったとされる四つの門、またその門を守る四柱の【ナーユ天女na_y'】の俗称。
Bala-i-Nu_s^en{固有:バラ=イ=ヌーシェン}
1. 「夜の涯の門」:Bala-akh-Tauzen-i-Nus^en。イスキュア神話において【帝都アシュナ】の上方一千億里に位置するという天空大門。【ナナン=ズィル菩薩神】はこれを封ずるために、【宇宙侵入神フルシュ】を欺いて転輪乗経典を記させたとされる。
baldin{動:バルディン <bal-+din}
1. 飾り付ける。飾り立てる。
2. 化粧をする。
ballo{形:バッロ <完了語幹*bal-<MPeL「表面、顔」}
1. 美しい。
2. (技術または行動の成果が)満足のゆく、好ましい。
balos^{名:バロシュ}
1. 美。美しさ。
balos^a{名:バローシャ}
1. 美しい女性、娘。
2. 未婚女性。
Baluzon{固有:バルゾン <【bala】+【-zon】:「大いなる門」}
1. 帝都【アシュナ】の南に位置する門。牧民が都を訪れる際には、必ずこの門をくぐると定められていた。クシュカ三大叙事詩の一つ『三王子の歌Darkiajenlu_z』の掉尾を飾る【ラーヤズル】軍と【ソルーズ】軍との衝突は、この門の前でおこなわれた。
bardu{名:バルドゥ <【badin】の完了形bardinから}
1. 塚、墳墓。
2. (転用)死者。
barza{名:バルザ <*bard- →サンスクリット語br`hant「高い」、古英語barrow「山、塚」}
1. 高み。
2. 頂き、頂点。
barzin{動:バルズィン <【barza】}
1. 頂点に至る。到達する。
2. (技芸などを)きわめる。
bask{名:バスク <BAS}
1. 獣、大型四脚獣。
baskawe_va{名:バスカウェーヴァ <【bau-】+【ska_win】}
1. 運命。宿命。→類義語【bre_y'】、【karra】、【sey'】を参照。
2. (雅)死。
bas^tu_in{動:バシュトゥーイン ←→類義語【gnin】}
1. 底を尽く。(貯蔵物が、現象の結果として)無くなる。
2. 空になる。失われる。
bas^tu_vin{動:バシュトゥーヴィン}
1. 空にする。中味を掻き出す。
2. (仏典)瞑想や断食によって修行する。
bauda{名:バウダ <【baudin】}
1. 死。落命、絶命。
2. (俗)墜落による死。
baudin{動:バウディン <【bau】}
1. 死ぬ。落命する。
2. (古)先走る。馬群の先頭を往く。
3. (俗)落馬する。
bavka_y'{名:バヴカーユ}
1. 予知者。「あらかじめ見る者」。
2. 賢者、賢人。古老。
3. (雅)老人への敬称。
ba_vkin{動:バーヴキン <【bau-】+OwKU}
1. 予知する。予見する。
2. 予測する。
3. (天候の変化を)読みとる。
bedin{動:ベディン <BE}
1. (古)(経路から)外れる。逸れる。
2. 失う、見失う。視界から逸れる。
begnin{動:ベグニン <MPENG}
1. 鋳造する。
2. 造る。かたちを定める。
beirrin{動:ベイリン <*beye-+*rhe-}
1. (前線を)保持する。守備する。
2. 見張る。
beiru_nn{名:ベイルーン <【beirrin】}
1. 歩哨。見張り番。→【sky'a】、【uzma_nn】を参照。
2. 巡検士。
beiya{代名、指示代、副:ベイヤ <BE}
1. 遠称代名詞:「あそこ」。
2. あそこの、あそこに、あそこで。
3. 彼方の、彼方に、彼方で。
Beizl{固有:ベイズル <*bey-+女性人名語尾-zl<形容語幹*belel-<MPeLeL「内部または表面への保護、加護」 →関連語彙【ba_la】【ballo】を参照}
1. クシュカ帝国における近衛女騎士団:「盾の乙女」。皇帝(女帝)を護るために、女性のみで構成された七つの騎士団(の構成員)。【Zavgana】、【Kizavna】とも称される。【ヴィルグナ女神Vilgna】を守護神と奉じ、皇帝の身体を護るためには「百たび骸となるをも辞さず」と誓った。
 ベイズルの騎士団は昴(プレアデス星団)を旗印に定め、転輪経典によれば「昴宿の深淵に本陣を構えた」という。【天空遊行】の技は有しないが、皇帝の勅許によって特別に「小千世界の黄金を恣にする」権限が与えられた。
ben{副、前置:ベン <BE}
1. 彼方に、彼方で。
2. 対格に先行して、外部性や隔絶性をあらわす:「〜の彼方に、彼方で」「〜の遙か遠くに、遠くで」。【aus】が越境可能な垂直的経路を示すのに対して、benは物理的には到達不可能な経路を暗示する。
 例)aus akhvela_g salvaiz' sugna ballo nain.「塔の群れを越えて飛ぶと、美しい森を君は見いだすだろう。」
   ben silvelie nana_ sa_rrida_nn.「星ぼしの彼方に大河やあらむ。」
benna{名:ベンナ <【ben】}
1. 彼方の場所。到達不可能な土地。
2. (仏典)彼岸。→【tova】【vassa】を参照。
Beon{固有:ベオン <BE}
1. イスキュア神話において、全宇宙を喰むとされる巨神獣。天の射手【アクシャーザ】と不死の塔【スカウズ】への道を賭けて戦い、彼に破れてのち仏道に帰依した。
ber{前置:ベル <BER}
1. 属格に先行して、空間的能時間的先行をあらわす:「〜の前に、の手前に」。
2. 奪格に先行して過去からの継続をあらわす:「〜以前から、の頃から」。
berruz{名:ベルズ <berru_z<ber-+行為者接尾辞-u_z<BeR}
1. 旗手:騎兵集団の先頭に立ち、幡を掲げ持つ者。
bes{前置、接頭:ベス <BE}
1. 名詞の対格に先行して、距離の間隔・関係の放棄などをあらわす:「〜を離れて、〜と異なって」。
2. 名詞の奪格に先行して、運動の逸脱などをあらわす:「〜から外れて、〜から逸れて」。
3. 名詞や動詞の頭について、1や2の意味を付加する。
beska{名:ベスカ <【bes】}
1. 外、外部。
2. (古)経路からの逸脱。逸れ、外れ。
beskadul{名、固有:ベスカドゥル <【bessav】+【-dul】}
1. 異郷、異邦。異国。外つ国。
2. (固有)転輪経典において、一千世界の外を指す言葉。またそこにあるとされる王国の名。
besna{名:ベスナ <【besnin】}
1. (仏典)悟り。正覚。
besnav{形:ベスナヴ}
1. (仏典)悟りを得た。
besnin{動:ベスニン <【bes】+【nin】}
1. 手を離す。
2. (仏典)執着を捨てる。
3. (転)悟りを得る。正覚する。
bessav{形:ベッサヴ}
1. 外の。外部の。
2. 他の。別の。
3. 余所の。余所者の。
bessin{動:ベッスィン <【bes】+【zin】}
1. 離れて存在する。外部(または近隣)にある。
2. 異なる。違うものである。
beulo{形:ベウロ <【beulu】からの派生}
1. 他の、別の。
beulu{名:ベウル <*be+ulu「人、者」<BE}
1. 別の者、他の者。別人。
bordin{動:ボルディン <*beor-}
1. 獣と化す。 →【borz】を参照。
2. 猛獣の如き働きをする。
borz{名:ボルズ}
1. 熊。
bralo{形:ブラロ <*br-}
1. 先頭の。先行する。
2. 最初の。一番目の。
bramm{名:ブラム <*bra-<BER}
1. 前部、前面。前。
2. 前方。
brey`{名:ブレーユ <*mbr-}
1. 死。死者。
2. (雅)運命。宿命。
by'rs{名:ビュルス <BER}
1. 鼻。
2. 突端部、突き出た部分。先っぽ。
Dagna{固有:ダグナ}
1. 赤獣。イスキュア神話において南方剣山(ヒマラヤ山脈もしくはヒンズークシュ山脈と推定される)の頂きに巣くうという巨大獣。全長八十丈、人面獣身で人語を解し、全身赤毛、巨鳥の骨を食して十万年を生きるという。【疾駆鬼グザヴェルン(Gzaveln)】の天敵。
dagnin{動:ダグニン <*dagn-}
1. 裁く。
2. 判断する。
dagu_y'{名:ダグーユ ←→【Dagna】と関連ありか}
1. 骸、死骸。
2. 屍体。
dahsa{名:ダフサ <*dak-}
1. 実。果実。果肉。
2. 肉。
dahzin{動:ダフズィン <DAKH+【zin】}
1. 重みを有する。
2. 重たくなる。
dana{名:ダーナ <dagn-}
1. 裁き。裁定。
danau{名:ダナウ <dan-<*tan- →古代中国語tan「丹、丹朱」}
1. 朱咒器。呪的防衛のための器。
2. 食肉保存用の器物。
da_nin{動:ダーニン}
1. 裁く。
2. 決定する、決断する。
danuin{動:ダヌーイン <danau}
1. 朱咒の法をおこなう。呪的防衛をおこなう。
dar{数:ダウ、ダル →ラテン語tres、ギリシャ語tries}
1. (数字の)3。
2. 三つ、三個、三人。
daska{名:ダスカ <daksa<*dak-}
1. 意味。
2. 芯。実。肝心な部分。
daugy`z{名:ダウギュズ <daugzin+y`z}
1. クシュカ帝国において珍重された貴石の一:原義「重い石」。
daukha{名:ダウハ、ダウカ <DAKH}
1. 重さ。重量。
daukhin{動:ダウヒン <DAKH}
1. 重さを量る、重さを較べる。
2. 比較する。
daumm{名:ダウーム <*tu-}
1. 大鐘。
-day`/-dey`{接尾辞:ダーユ、デーユ <-din「〜と化する、にする」}
1. 動詞語幹について、行為者をあらわす:「〜する者」。←→【-oy`】を参照。
-dey`{接尾}
→-day`
diskau{名:ディスカウ <【diskin】}
1. 筆記。書き取り。
2. 執筆。
diska_y'{名:ディスカーユ <【diskin】}
1. 書き手。筆記者。
2. 作者、著者。
diskin{動:ディスキン <*tyk+【-kin】<古代漢語?}
1. 記録する。書物に記す。
2. 文字を書く、書き写す。
diya{代:ディヤ}
1. 二人称複数の代名詞:「あなたたち」「きみたち」。属格はdiegh。
※注釈……クシュカ語代名詞の属格(-gh語尾を持つもの)は、古典クシュカ語=文語体においては別個の品詞(所有代名詞)として扱われたが、口語体や帝国の後期においてはそれまでの代名詞属格(-en/-ien語尾)に替わって用いられた。文語体の所有代名詞は、
     単数     複数
 1人称 uyagha   uyegha
 2人称 tagha    diegha
 3人称 ergha    erregha
     irgha    irregha
     hirgha    hirregha
となって、-av語尾の形容詞と同じ語尾変化をおこす。
例)
 文語体(古典クシュカ語)
  s^auz erregha    「かの者たちの旗が」
  s^audai erreghu~m 「かの者たちの旗を」
 口語体、後期クシュカ語文語体
  erregh s^auz    「彼らの旗が」
  erregh s^audai   「彼らの旗を」
dornau{名:ドルナウ}
1. 雷。雷鳴。
drenda_lo{形:ドレンダーロ <*dre(n)-+*lau-<TRE+LAWE}
1. 三乗の。三重の。
drendame_lo{形:ドレンダメーロ <【drenda_lo】}
1. 千の三乗の。
dru_k{名:ドゥルーク <DRU}
1. 武器、武具。
2. 武装。
dru_mm{名:ドゥルーム <DRU}
1. 封印。また、その行為。
dru_nin{動:ドゥルーニン <DRU+【nin】}
1. (武具や権力を)ふるう。
2. 威力を誇示する。
druno_vna{名:ドゥルノーヴナ <【dru_nin】}
1. 武威。
2. 力、威力。威徳。
3. 権力。権能。
4. 人徳。(指導者・指揮官としての)魅力。
dru_s^{名:ドゥルーシュ <DRU}
1. 武器庫。
2. 武具や武装の備え。装備。
du~me{副:ドゥーメ}
1. もっと。より。さらに。
Dukhvarra{固有:ドゥーフヴァーラ <*und-+akhva+ 【ry`z】?}
1. 地下他界。イスキュア神話における異界の一。 三千世界の最底辺に位置し、そこへ墜ちれば「【ナナン=ズィル菩薩神】の慈悲光でさえ還ること能わず」とされた。ナーユ大戦の際、ただひとり【サスル放浪神Sasul】がここへ下り【ユルテナーユ天女Yltenay`たち】を救い出して戻ったことで知られる。
dul{名:ドゥル ←→【din】【tin】}
1. 地方、田舎。
2. 封土。とくに辺境領。
dumna{名:ドゥムナ <*tu-}
1. 器。容器。
2. 鼎。
dunau{名:ドゥナウ <dunin}
1. 降下。くだり。
2. {固有)イスキュア神話における、半神半人英雄【サスル】の冥府くだりの逸話。宇宙侵入神【フールーシュ】との契約によって三千世界の底へと至る物語。
du_nin{動:ドゥーニン <*ndonin<UNTE}
1. 降下する。くだる。
2. 落下する。落ちる。
3. (古)垂れる、垂らす。下におろす。
4. (後代に)続いてゆく。影響が後に及ぶ。
5. (垂直のものが横に)倒れる、崩れる。力を失う。
durna{名:ドゥルナ <【du_nin】の完了形durnin}
1. 流星、流れ星:原義「墜ちたるもの」。
durrin{動:ドゥーリン <*dor-<*tu- ←→【dornau】、【dumna】、【tugna】、【turz】}
1. 鳴る。鳴り響く。
e{前置:エ、直前に母音-eが位置する場合はneとなる}
1. 与格に先行して、運動や行為の動機・目標・空間的限界・時間的上限を明確にする:「〜のために、へむけて、まで」。
 ※例) e taud      「永遠に、時の涯まで」
     ve ne nalunda zail venav yavojen me~l.
              「そして天女たちのために吾は一千のいくさに勝利する
              (直訳:いくさについて勝利的に存在する)だろう」
2. -ver動詞(節)の未来形に先行して、主文の行為の目標・停止条件・期待、反実仮想などをあらわす:
 ※例) borzn zande kuver balojai e husvier.
              「熊たちは、少女が眠るまで待っていた」
     pher bamutai rankim ve edim e nuvier naughen.
              「彼女は、経典を得るべく、獣にまたがり旅立った」
 ※注……前置詞【lakh】も、eと同じく行為の目的をあらわすために用いられるが、前者は行為の完了や成功を(事態の後から)語るのに対し、
後者は未来形を用いて未完了または失敗の可能性を暗示している。ゆえに反実仮想のニュアンスを示すことができる。たとえば、
     kuva kwin lhai lakh salver.「王は、鷲が飛ぶのを、待つ」
     kuva kwin y`dai e salvier. 「王は、石を飛び立たせるべく/
                      石が飛び立たないものかと、待つ」
eaz{名:エアズ <*ear-}
1. 青銅。
2. 銅。
edin{動:エディン →ゴート語iddja「彼は行った」、ギリシャ語ienai「行く」、サンスクリット語eti「彼は行く」}
1. 行く。進む。
2. 発進する。出立する。
ednin{動:エドニン}
1. 波打つ。
2. 手を振る。
egna{名:エグナ}
1. 皇帝の領土。御牧。
2. (古)王侯専用の狩猟場。
3. (古)放牧地。
egnau{名:エグナウ}
1. 狩り。
2. 探索。
egwin{動:エグウィン <【e】+【gwin】}
1. 攻める。攻撃する。
ehlav{形:エフラウ}
1. 高貴な、尊い。
ehlukna{名:エフルクナ、エフルークナ <*hlm+ekn}
1. 王族:「高き者」。
ek{数:エク <*ekn- →サンスクリット語eka、ラテン語unus、ノルディック語oena}
1. (数字の)1。
2. 一つ、一個、一体。
-ekh{接尾辞:エク、または-okhオク <*khei}
1. (俗)名詞の後について形容詞化する:「〜のような、に似た」。
ekna{名:エクナ}
1. 狩り。
2. 探索。
eknin{動:エクニン <okn-<*ok-<*owku-}
1. 探す。注意深く見回す。
2. 求める。
eknuin{動:エクヌーイン}
1. 捜索する。
2. (屋内など特定の箇所を)探し回る。(天幕の内を)探って荒らす。
3. 詮索する。
eksa{名:エクサ ←→【ksin】<KES}
1. 膝。
2. 臑。
eksavna{名:エクサーヴナ <eknovna<【eknin】と、【eksa】との語源混淆}
1. 使命。
2. 運命によって定められた探索。
3. 皇帝の命令。
eksavya{名:エクサーヴヤ ←→【eksavna】}
1. 問い。質問。
2. 疑問。
3. (仏典)転輪乗仏教において、正覚に至る最初の一歩。
eksudin{動:エクスーディン <【eksa】+【tin】}
1. 跪く。
2. (雅)敗北する。
eku_win{動:エクーウィン <*eku_v-in<KU-BHE}
1. 生きる。
2. 暮らす。過ごす。居住する。
3. 移動する。動きまわる。 ←→【akuin】を参照。
eku_y`{名:エクーユ <【eku_win】}
1. 移動民。集合名詞はekunuまたはekuvel。集団をあらわす接尾辞-nuは、語源的には、子音で終わる名詞の主格複数語尾-n/-unと関係していると思われる。
ekuz{名:エクーズ <【ekuwin】}
1. 移動。遊牧生活。
2. (雅)天幕。
ena{名:エーナ <anorrin<【nin】}
1. 素材。
2. 糸。 →【kay`】、【kay`na】を比較参照のこと。
enakh{接続:エナッハ、エナク <en-「一つの」+【akh】 ←→【ekn】}
1. 代替をあらわす:「〜または〜」。
2. 複数からの択一をあらわす:「〜する、または〜する」。元来は「その一方で〜」の意で用いられたと思われる。
enav{形:エナヴ、エナウ}
1. 単独の、単体の。
e_nav{形:エーナヴ <【e_nin】}
1. からまった。
2. 輪になった。
e_nin{動:エーニン <EU「小指、(数えはじめの)第一の指」←→【ek】を参照}
1. 結ぶ、結び目をつくる。
2. (指などを)からめる。
enjunak{副:エンジュナク <en-【s^a】-【ekn】}
1. 個別の状態や運動をあらわす:「それぞれ」。原義「一つにつき一つの〜」。
enk-{接頭:エンク <*ekn-}
1. 【ek】の接頭形:「一つの〜」。
e_nu{名:エーヌ <【e_nin】}
1. 結び目。
2. 節。(瘤のように)丸くなった部分。
3. (仏典)印相。結跏趺坐する際の指の形。
4. 交差させた指、またその形。主に呪的な意味を帯びる。
eolin{動:エオリン}
1. 皮を剥ぐ。
2. 果物の皮をむく。
eolu{名:エオル <*e-lau-<LOW}
1. 肌。素肌。
2. 外皮。
3. 果物の皮。
er{代:エル}
1. 三人称単数男性形:「彼」。属格はergh。
erga{名:エルガ <*ern-<EREN}
1. 煙。もや。
2. (仏典)不確かであること。無常。 →類義語【kuhuna】、【tarra】も参照。
 ※例文)
  va-y`z nan erga.
  「すべての石は煙である(=諸行は無常である)」
erkha{名:エルカ <*erkh-<EREGH}
1. 白銀色。
2. 灰色。
erma{名:エルマ <*erkh-ma<EREGH}
1. 乙女、処女。
ern-{接頭:エルン <EREN}
1. 白銀色または灰色をあらわす接頭辞。
ernau{名:エルナウ <EREN →印欧祖語eER「巨大な鳥」:古英語earn、ギリシャ語ornis}
1. 鷲。オオワシ。 →類義語【lhay`】を参照のこと。
Erndeva{固有:エルンデーヴァ <Ern+neva}
1. エルン王国。北方守護を命ぜられたエルン氏族が統治する、内裏の北にあたる一帯。エルンの民自身はエルンネーウェErnneweと呼びならわした。
2. 【ヴィルナ】の血をひく北方王家の所領。三千世界の北方に広がり、虚空蔵菩薩の加護を得て多くの転輪僧が住まわった。
erre{代:エレ}
1. 三人称複数形:「彼ら」。属格はerregh。
erruz{名:エルズ <*ern-<EREN}
1. (古)灰。煤。
2. くすみ。かすれ。
3. 霞。霧。
erzav{形:エルザヴ、エウザヴ}
1. 不確かな。おぼろげな。
2. 霞のかかった。
erzin{動:エルズィン、エウズィン <*ergn-}
1. 霞がかかる。霧が出る。
2. 不確かになる。ぼやける。
es-/ess-/ez-/es^-{接頭:エス}
1. 動詞の語頭について可能態をあらわす:「〜できる、〜し得る」。
eska{名:エスカ <}
1. 曲がり角。
2. 道のうねり。事態の曲折。
3. (転用)金細工の飾り物。優美な曲線をもつ装飾品が多くつくられたため。
4. (固有)女子の人名。
es^ka{名:エシュカ}
1. 放浪、迷走。
2. (仏典)無明。蒙昧。
eskol{名:エスコル →古ラテン語stlocus「場所、地所」、ギリシャ語stellein「建てる、置く」}
1. 塔。
2. (都市内の)場所。位置。
esky`l{名:エスキュル <eskil<*askil →ギリシャ語axine「斧」、ラテン語ascia「斧」}
1. 斧。
esl{名:エスル →ラテン語sal、古高地ゲルマン語salz}
1. 塩。
2. 外海、とくに黒海を指す。
es^lau{名:エシュラウ}
1. 例外。
es^lauz{名:エシュラウズ}
1. (雅)無法者。粗暴な者。
es^lav{形:エシュラウ、エシュラヴ}
1. 例外的な。原意「群の外の」。
2. (転)優れた。
es^lay`{名:エシュラーユ}
1. 優れた者。例外的才能を持つ人物。
2. (雅)吟遊詩人。
es^lin{動:エシュリン <充足接頭辞e-+語根SEL「集まる、共にある」+【lin】 ←→【is^】【s^a】等を参照}
1. さまよう、群の外へ迷い出る。洩れる。
2. 迷う。道を逸れる。
3. (水などが)漏れる。こぼれる。
4. 例外となる。例外的である。
esna{名:エスナ <*es-}
1. 波。
esnas^{名:エスナシュ}
1. 波打ち際。岸辺。浜辺。
es^nehav{形:エシュネーハヴ}
1. 愛らしい。可愛い。
esnin{動:エスニン <*es- ←→【eska】、【ezrin】}
1. 波打つ。
2. 手を振る。
essin{動:エッスィン}
1. できる。可能である。なしとげる。←→【es-】を参照。
es^vin{動:エシュヴィン <*es^+vin「与える」}
1. 譲る、無償で与える。あげる。
2. 償う。支払う。寄付する。
3. 仏門に入る。僧侶となる。
evett{接続:エヴェット <【edin】+【av】}
1. 理由・原因を明示する接続詞:「なぜなら〜だから」「というのも〜であるから」。
-ey`{接尾:エーユ ←→名詞属格単数-en、【-oy`】、【-day`】}
1. 名詞・形容詞について、存在者をあらわす:「〜である者」「〜としてある者」「〜に属する者」。
ezna{名:エズナ <*zn- ←→【asnin】}
1. 【クシュカ帝国】における長さの単位。
ezrav{形:エズラヴ <【ezrin】<*ezinの完了形*ezu_rin<ESE}
1. 曲がった。湾曲した。
2. ねじ曲がった。
ezrin{動:エズリン <*esr-<ESER}
1. 曲げる。湾曲する。
2. ひねる。しぼる。
ezvel{名:エズヴェル}
1. 無法者。
2. 盗賊団。匪賊。
g{前置:グ <ne-<nevin<【nin】}
1. 属格に先行して、所属や被所有関係をあらわす:「〜に属する、に所有される」。
galaivin{動:ガライヴィン <【gar-】+【laivin】}
1. 拒絶する。拒む。
2. 排斥する。
3. 押し出す。
gamulin{動:ガムリン <【gar-】+MUL}
1. 病を癒す。病から癒える。
2. 悪霊を祓う。
gapha_rrin{動:ガファーリン <【gar-】+【pharra】}
1. 髪を切る。
2. 飼い慣らす。支配下に置く。
3. (雅)悟りを得る。また、そのために転輪僧となる。←→【knissin】を参照。
gar-、gan-{接頭:ガル、ガン <*iger-<IKER →【grin】参照}
1. 動詞や名詞の語頭に付いて反対・阻害・停止・極限・過剰・過少などをあらわす。主に動的な対義語を生成するのに用いられる。
 →より静的な対義語をつくるには【agn-】を参照。
 ※例文)   garraidovna y`nien kai sudnovnai ahlen zan.   
訳:「執着を絶つことは、空を裂くことに等しい」
    gar- +【aidin】「伸びる、伸ばす」
    >garraidin「絶つ」>名詞化garraidovna「途絶、断絶」
gargwin{動:ガルグウィン <【gar-】+【gwin】}
1. 分解する。解体する。
garkundin{動:ガルクンディン <【gar-】+【kundin】}
1. 消火する、鎮火する。
2. 勢いをそぐ。鎮める。鎮まる。
garregwa_y'{名:ガレグワーユ}
1. 守衛。
2. 陣や城を守る者。守備兵。
garregwin{動:ガレグウィン <【gar-】+【egwin】}
1. 守る。守備する。
garrerza_nn{名:ガレルザーン}
1. 監察官。代官。地方の所領を巡回し、裁判をおこなう役職。
garrerzin{動:ガレルズィン <【gar-】+【erzin】}
1. 明らかにする。明確にする。
2. 謎を解く。
3. 秘密をあばく。
garrerzon{名、固有:ガレルゾン}
1. 【ガレルザーンgarrerza_nn】の古名。
2. (固有)帝国に伝わる民話の主人公。隷民に身をやつしては各地を放浪し、悪霊や匪賊を退治してまわる。多くの場合、【サスルSasul】の化身であることが物語の最後に明かされる。
garrindin{動:ガリンディン <【gar-】+【indin】}
1. 位置をずらす。はずす。
2. 持ち場を離れる。
3. (転用)敗走する。戦線が崩壊する。
garwin{動:ガルウィン <*gau-inの古完了派生形<GAW}
1. 呑み込む。
gauna{名:ガウナ <gau-gn-<GAW+GENE →印欧祖語GENe;古英語cwen「女性、妻、女王」、ギリシャ語gyne「女性、妻」 ←→関連語句【 -ven 】を参照}
1. 貴婦人。【帝都アシュナ】に住まう貴族の女性。
2. 成年女性、婦人。
3. (古)女主人、女領主。
gauz{名:ガウズ <GAW}
1. 平野。
2. 草原。
gay`{名:ガーユ <*gau-}
1. 大型哺乳類。巨獣。
2. 野生動物。
gazaida_y'{名:ガザイダーユ}
1. 愚か者。無能者。
gazaidin{動:ガザイディン <【gar-】+【zaidin】}
1. 領土を減らす。領土を失う。
2. 財を失う。貧しくなる。
gdau{名:グダウ <*gundau<*gwnd- →古高地ゲルマン語wunta}
1. 傷、負傷。
gessa{名:ゲッサ →サンスクリット語h`eda「怒り」、ドイツ語geist「精神、霊」}
1. 狂気。
2. 執着。
3. 憑きもの。
gessau{名:ゲッサウ <【issin】}
1. 悪霊。
2. 悪鬼羅刹。←→類義語【azr】を参照。
gessav{形:ゲッサヴ}
1. 狂ったような。
2. 怒りに満ちた。
3. とり憑かれた。
gi_y`{名:ギーユ <天騎語*gil-<IKELE}
1. 悪霊。遊牧民の天幕に集まるという小妖怪。
2. 悪さをはたらく妖種。女怪。
gna_lin{動:グナーリン →【gnin】}
1. 空にする。空ける。
2. 飲み干す。
gnav{形:グナーヴ}
1. 空の、うつろな。
2. 水分のない。乾いた。
3(雅)自由のない。決定権のない。固定された。
gnay'{名:グナーユ →?サンスクリット語na`ga}
1. 蜥蜴神、または水蛇神。イスキュア神話においては水と不死を司る女神。
gnin{動:グニン <*ign-in<IKENE}
1. 空にする。
2. 乾かす、渇かす。干す。
3. 干物にする。
golkin{動:ガリン}
1. 言う。発言する。言葉を発する。
2. 呪言を発する。呪う。
grin{動:グリン}
1. 研ぐ。削る。
2. 激しくこする。粉にする。
gudin{動:グーディン}
1. 傷を与える。傷つける。
gwin{動:グウィン <【kwin】<Ke}
1. 作る。
2. 製作する、工作する。
3. 〜させる。〜のように仕向ける。←→類義語【aku_in】を参照。
gzau{名:グザウ <*gs-ou-<*gis-<GwEDH →古英語biddan<印欧祖語GwEDH「問いかける、祈る」}
1. 流浪者。
2. (仏典)巡礼僧。乞食(かつじき)をする者。
3. (古)祈祷師、まじない師。原義「天に問いかける者」。
gzavl{名:グザヴル、グザウル <?*gez-+vel}
1. 狩猟、とくに儀礼的な狩り。
2. 草原の疾走。
3. (固有集合名詞)イスキュア神話において、夜半に疾走する亡霊の群れ。疾駆鬼。先頭の疾走者は頭部を欠くことが多い。【赤獣ダグナDagna】の天敵。単数を強調する場合はグザヴェウgzaveu、またはグザヴァgzava。
hainu{名:ハイヌ}
1. 背、背中。
2. 後ろ。背面。
halz{名:ハルズ <*hel-<*huel-}
1. 伝説。伝承。
harnin{動:ハルニン、ハウニン <har-<*khra-}
1. 姿勢を低くする。膝をつく。
2. 小さくする。低くする。
3. 縮小する。
harz{名:ハルズ、ハウズ <har-<*khra-}
1. 波打ち際。
2. 河岸、とくに急流のぶつかる岩場。
Has^le_z{固有:ハシュレーズ <*Hals^lusse_-<hal-+【s^lossin】の受動未来分詞属格s^lossoe_vn<G^HAL+SEL+LOS}
1. 【帝都アシュナ】の内裏の壁に記された九つの大戦の総称。それらのうち最も有名なものは【パーンドゥシュPandrs^】大戦であり、【四大氏族Velkve_da】から出た多くの英雄騎士たちが転輪乗世界の各地でたおれた。
haulin{動:ハウリン <har-<*khra-}
1. 錆びる。
2. 朽ちる。
3. (転用)腐る。←→類義語【kurgin】を参照。
haulo{形:ハウロ <har-<*khra-}
1. 錆びついた。
haulos^{名:ハウロシュ}
1. 錆。
hauv{名:ハウヴ <【huin】の過去分詞形}
1. 天馬。【天空遊行tuvenkus^】をおこなう馬。
2. 良馬の美称。駿馬。
henuwin{動:ヘヌーウィン <i+yene+orruin}
1. 呪術をかける。術を施す。
2. まじないをする。
Herrelvada_ya{固有:ヘレルヴァダーヤ <*Herru_lvadauya<【herru_lvin】+【vadau】}
1. クシュカの遙か西方にある「大河の国」を治めた女王の名。「名高い+父親(+女性形語尾)」の意。
herru_lvin{動:ヘルールヴィン <her-+【ulvin】}
1. 栄誉を勝ち取る。名をあげる。
2. 有名になる。
herz{名:ヘルズ <her-}
1. 名前。
2. (転)名誉。誉れ。
hian-{接頭:ヒアン−}
1. 銀色または銀製をあらわす接頭辞。名詞hiazの属格hiadenの省略形からか。←→【ky`ld-】を参照。
hianav{形:ヒアナヴ}
1. 銀色の。銀製の。
Hianry`stova{固有:ヒアンリュストーヴァ <【hianry`z】+【tova】}
1. (仏典)【ナナン=ズィル菩薩神】の異称。
hianry`z{名:ヒアンリューズ <【hian-】+*re-}
1. 月の周囲にみえる円環または孤形の白光。月の暈。
2. (仏典)月虹。転輪経典においては、【ナナン=ズィル菩薩神】と【クールーシュ宇宙侵入神】との誓約のしるしであると解釈される。
3. (漢籍)白光。日輪を貫くことで凶兆をあらわす天文現象。幻日。
4. (転用)帚星。彗星。
hiaz{名:ヒアズ <*hy`a-}
1. 銀。
Hilielva{固有:ヒリエルヴァ <*hil-+【ulsa】}
1. 世界樹【スカウズ】の別称の一つ:直訳「天の支柱」。主にジェッサ氏族が用いた。
 ※例)
  vananu_ya barrandrav yegh us^kvelg, nu vananu_ya puzandrav Hilielvag.
 「我らの騎馬より勇ましきものの全く無きこと、〈天の支柱〉より堅きものの無きが如し」
hilkin{動:ヒルキン →【hilvel】}
1. 上昇する。
2. (梯子を)のぼる。
hilnkus^{名:ヒルンクーシュ <*hlm-「天界、至高」+*kis^-「跛行、片脚」}
→【tuvenkus^】を参照。
hilvay`{名:ヒルヴァーユ}
1. 上昇。上方への移動。
2. 昇格。昇進。
hilvel{名:ヒルヴェル <*hlm+vel}
1. (集合的に)星々、星空:「天空の群れHeavenly Flock」。
2. 星雲。銀河。
3. 天の川。
hilvin{動:ヒルヴィン <*hlm-}
1. 持ち上げる、上昇させる。
2. 昇格させる。
3. 天界のものとする。
hlgna{名:フルグナ、ハルグナ <*hl-<*hlm-}
1. 宮廷。
2. 軍隊。軍事力。
hlzaulin{動:フルザウリン}
1. 行儀よく振る舞う。
hlzauvin{動:フルザウヴィン}
1. 厳格にする。
2. 訓練する。
hlzav{形:フルザヴ}
1. 厳格な。訓練された。
2. 秩序立った。
hols^a{名:ホルシャ hol-<*hlm- ←→【balos^a】}
1. 【ナーユ天女nay`】の異称。原義「(鳥のように)群れ集う乙女」。
hoslin{動:ホスリン <*khos-}
1. 休む。
2. 眠る。
hosloy`{名:ホスローユ <hoslin+-oy`}
1. 死者、特に戦死者:原意「眠る者」。
hozna{名:ホズナ <*khos-}
1. 寒さ、冷たさ。
hu~{副:接頭:フー}
1. 形容詞・副詞の最上級をあらわす:「もっとも〜」。
2. 形容詞の語頭に接続して極端な状態をあらわす:「非常に〜」「きわめて〜」。
huin{動:フウィン <hw-<*hyw-<名詞語幹*hlw-<HeLeM「天空、上昇」}
1. 天翔る。天空を駆ける。←→対義語【kwin】を参照。
2. 馬に乗り、あやつる。
hulkha{名:フルカ、フールカ <*hlm-}
1. 高さ。全高。
2. 高い場所。
husvay`{名:フスヴァーユ}
1. 手綱。
2. (雅)刀剣の鞘。
husvin{動:フスヴィン <*khos-}
1. 火を消す。
2. 止む。鎮める。
3. 休む。休める。
hvas{代:フヴァス}
1. 属格に先行して、所属や所在を示す:「〜の、に属する、における」。
2. 対格に先行して、範囲や時期を示す:「〜あたりの、〜ころの」。
i{前置:イ ただし母音の直後に置かれた場合、古典クシュカ語ではヒkhiとなり、【エルン王国Erndeva】の発音ではキ ki となる}
1. 名詞の属格に先行して、所在を示す:「〜の、における」。
2. 対格に先行して、範囲や時期を示す:「〜あたりの、〜ころの」。
i-/a- -rruin/-rwin/-uin{動:イ/ア-ルウィン/ウィン/リン <*orre-}
1. 名詞または動詞幹を挟んで、行為による変化をあらわす:「〜にする」「〜めかす」「〜化する」。
iandin{動:イアンディン <*ian-+【nin】 ←→【as^kin】、【aiknin】}
1. 付き従う。原義「(一歩後から)遅れて来る」。
2. (古)従者として侍る。さぶらう。
iandlo{形:イアンドロ <【iandin】}
1. 第二の。
2. 付き従う。
3. (古)従者の。
iandu_n{名:イアンドゥーン}
1. (古)侍従。単数を強調する場合はイアンドンiandonを用いた。→【zaidu_n】を参照。
2. (古)警護兵。護衛。
iandu_y'{名:イアンドゥーユ <【iandin】}
1. (騎士の)従者。
2. 見習い。
3. (俗)若者。未成年。
-idann{接尾辞:−イダーン}
1. 巨大さをあらわす接尾辞:「大〜」「大いなる〜」。
ikla{名:イクラ <【iklo】}
1. 黄色。
iklo{形:イクロ <古クシュカ語の形容語幹*ikl-<KeL →【ky'lzin】を参照1. 黄色い。
iksa{数:イクサ}
1. (数字の)6。
2. 六つ、六個、六人。
indau{名:インダウ}
1. (固定的な)場所。位置。所在。
2. 狙い。照準。焦点となっている土地。
3. (古)遊牧民が天幕を張っている場所。宿営地。
indin{動:インディン <【i】+【nin】}
1. 持つ。
2. 固定する。位置を定める。
3. (転用)照準を定める。弓矢や槍などの狙いをつける。
ingau{名:インガウ}
1. 誇り。
inglav{形:イングラーヴ}
1. 誇り高い。
inglin{動:イングリン <ing-}
1. 誇る。誇り高くある。
2. (己の技量や性質について)誇らしく思う。
inglovna{名:イングローヴナ}
1. 誇示。
Ingu_ska{固有:イングースカ <ingu_-<派生語幹*ingwl-「誇りに満ちた〜」<形容語幹*ingl-「満ち足りている〜、満足している〜」<強調形*ngl-「満ち溢れるもの」<名詞語幹*nl-<NeL}
1. イスキュア神話における半獣半女の戦士。【天界十騎Us^kvanu】の一人【ヴァラドゥーズ】の妻となり、美丈夫【アンファルーズ】と獣剣士【ダグ=アシュガウ】を産んだ。
ir、vir{代:イル、ヴィル}
1. 三人称単数、中性形:「それ」。属格はirgh、virgh。
irkhav{形:イウハーヴ、イルハーヴ}
1. 曲がった。湾曲した。しなった。
irkhin{動:イルヒン、イルキン ←→ 【irna】}
1. 弓なりに反る。しなる。
2. 曲がる。
3. (力や感情などが)つのる。蓄積する。
irkhrin{動:イルフリン、イルクリン <【irkhin】}
1. 曲げる。
2. (外的な力によって)狭い場所へ詰め込む。
irna{名:イルナ ←→【virrimn】、【irz】}
1. 弓、短弓。
2. 左右対称の角。
3. (雅)上弦の月。
4. (雅)左手。左側。軍隊の左翼。
irre、virre{代:イレ、ヴィレ}
1. 三人称複数、中性形:「それら」。属格はirregh、virregh。
irz{名:イルズ ←→【irna】}
1. 双刃の斧。
is^{前置:イシュ、イーシュ <*y`s^}
1. 対格に先行して、動作の共同や近接をあらわす:「〜のまわりの、の近くの」。
Is^ka{固有:イシュカ <*is^-「十字の、交叉した」+*kau-「腕」?}
1. イスキュア神話における女神格。【ナナン=ズィル菩薩神】の脇侍で、のちにその権現とも見なされる。本来の神格は大地母神であったらしい。本地は千手観音、ただし密教では准胝観音をあてる。
iskarlav{形:イスカルラヴ、イスカウラヴ <【iska_rrin】}
1. 垂直の。(地面から)まっすぐに建つ。
iskawin{動:イスカーウィン <*skau- →ラテン語stare「立つ、立てる」}
1. 立てる、建立する。
isku_rrin{動:イスクーリン <【sku_in】}
1. (対象について)考慮する。深く分析する。
is^luz{名:イシュルーズ <is^+【luz】}
1. 合唱。
is^na{名:イシュナ <*ias^-kna →【as^kin】、【Is^ka】、【as^gau】}
1. 同胞。
2. 祖国。【クシュカ帝国】の異称。
3. (雅)戦友。
is^nessin{動:イシュネッスィン <is^na+zin}
1. 仲間となす。祖国となす。
2. 帝国の支配下に置く。
3. 進駐する。
is^pande_va{名:イシュパンデーヴァ <【is^】+【pandin】}
1. 物語。伝説。伝承。
2. (各部族で伝わる)伝統、慣習。
-issa/-is^a{接尾:−イッサ、−イーシャ}
1. 小さな場所や建築物などをあらわす接尾辞。
issin{動:イッスィン <*ghis(s)-in<GHES →印欧祖語GHEIS}
1. 狂う。もの狂う。
2. (憑かれて)狂奔する。
3. 執着する。
ituskarruin{動:イトゥスカールイン}
1. 育てる。養育する。
2. 子を産み育てる。
ivdau{名:イヴダウ、イーヴダウ <maevdau<maevin}
1. 人間。定命の者。元はmaevdau「死すべき者(殺されるべき者、受刑者)」から。
ivday`{名:イヴダーユ}
1. 【ivdau】に同じ:ただし-au語尾は男性を暗示するのに対し、-ay`語尾は男女両方をあらわすことができる。
ivna{数:イヴナ}
1. (数字の)7。
2. 七つ、七個、七人。
Ivna{固有:イーヴナ}
→【Paiva】の俗称。
-iye/-ye{接尾辞:−イイェ、イェ}
1. 矮小さをあらわす接尾辞:「小〜」「ささやかな〜」。
izana{名:イザナ <y`zr}
1. 瞬間。
2. イスキュア神話哲学において、時間と空間の最小単位。
izer{前置:イゼル <【i】+【zar】}
1. (二つの物件や条件などの)間の。→類義語【mez】を参照。
izerhav{形:イゼールハヴ <i+ze+orruin}
1. 創られた。
2. 新しい、独創的な。
izu{前置:イズ、イズー <i+za? →古スラヴ語iz}
1. 属格または奪格に先行して、外部への運動をあらわす:「〜の外へ、からその外へ」。
kahauz{名:カハウズ <*kauh-}
1. 混沌。混乱。
2. 攪乱。
3. 混合。
kahav{形:カハヴ、カハウ <*kauh-}
1. 混乱した。乱れた。乱雑な。
kai{前置:カイ <*khei}
1. 対格に先行して、様相の類似をあらわす:「〜のように、のような」。
kalin{動:カリン <【kaya】または【ka_y'】}
1. 囲む。ぐるりと輪になる。→四方をとりまく場合はkalinを用い、上下からも包み込むような場合は【la_win】を用いる。
2. 取り巻く。包囲する。
karra{名:カーラ <kar-<*aku-}
1. 船。大型船。
2. (雅)運命、宿命。変え難い事象。
3. (仏典)業。宿業。
Karrakna{固有:カラクナ、カラークナ}
1. 船の女神。【イシュカ菩薩】の眷属で、元来は【ナーユ天女】として釈迦世界に到来。別名Ukarkay`「船の造り手」、Na~lkna「飛天神」。【パーンドゥシュ】大戦の折には【咒釜ウルガ】を巨船に乗せて運び、戦の命運を決した。
 皇帝の近衛騎士団は戦闘開始の合図として、hu~s kai Karraknai「カラクナ飛天神のごとく天駆けよ」を用いたとされる。(これは帝国後期には省略されて一般化し、出立の際の挨拶kaikarru~i>harru~iとなった。) →【Beizl】を参照。
karremm{名:カレム <*ka_rreva「使われたもの」<KAU}
1. 奴隷。
karriye{名:カリーイェ <【karra】+【-iye】}
1. 小舟。艇。
2. (雅)兆し。前兆。神仏の仄めかしや信号、またはそれを運んでくる者。
ka_s^a{名:カーシャ}→【kaus^a】に同じ。
Kaudun{固有:カウドゥーン <*s^kautva}
1. クシュカ帝国の四方を守護する四つの氏族の総称。四大氏族。
kauha{名:カウハ <【kauhin】}
1. 乱れ。
kauhin{動:カウヒン <KOW}
1. 乱れる。
kauma{名:カウマ <kauh-<KOW}
1. 渦巻。
kaupha{名:カウファ <【kauphin】}
1. 意図的な乱れ。乱し。乱雑化。
kauphin{動:カウフィン <kauh-+【vin】<【kauhin】}
1. 乱す。原義「乱れを与える」。
kaus^a{名:カウシャ <*kauh-+s^<KOW}
1. 綾模様、綾織り。
2. 紋様。
kauz{名:カウズ <*kau- →ラテン語curvus、ギリシャ語koronos「曲がった」}
1. 腕。
2. (建築物の)梁、桁。
3. (天幕の上部を支える)環状の構造材。
kavdin{動:カヴディン <*kauh-}
1. 混乱を引き起こす。
2. 混ぜる。
kawin{動:カウィン <kahu-<*kauh-}
1. 乱れる。混ざる。
2. 荒れる。
kay`{名:カーユ <*kwe- ←→kay`na、y`kay`}
1. 渦巻紋様。→【paulay`】を参照。
2. 渦。渦巻。
kaya{名:カヤ <*kauya<*kaul-<KAW-LE}
1. 車輪。
2. 環状の物体。輪。輪っか。
3. (転用)指輪や首輪など、環状の装飾品。
kay`na{名:カーユナ <*aku- →古ノルディック語aka「乗り物で旅をする」、ラテン語agere「乗る、導く」、ギリシャ語agein「導く」}
1. 方法、手段。目的を果たすための器具、または技術。
2. 移動手段。
3. 荷車。
kbau{名:クバウ <*kb- →ソグド語kp-、パシュトゥー語kab}
1. 魚。
kdawin{動:クダーウィン <*kdava-}
1. 揺るがす。揺さぶる。
kha{接続:ハ}
1. 接続法の動詞に先行して仮定や条件をあらわす:「もしも、もし〜なら」。
kha-{接頭:ハ、カ}
1. 語頭について強調の意味をあらわす。
kharrav{形:カラヴ、ハラヴ <*khra-}
1. 質のおちる。出来の悪い。
kharva{名:ハルヴァ}
1. 全体。
khau{名:カウ、ハウ →東方イラン祖語*gari-}
1. 岩山、峻険な山岳地帯。
khauz{名:ハウズ、カウズ}
1. 若者、少年。
khawin{動:ハウィン <*khewe-}
1. 癒す、和らげる。
2. 全体を統合する。
Khazaumas^{名:ハザウマーシュ <強調接頭辞kha+zaumas^}
1. 宇宙全体。三千世界。一切諸法。
Khiarska{固有:ヒアルスカ}
1. 第五代皇帝の治世に西方より到来した「魚の民」。集合名詞はヒアルスクヴェルKhiarskvel、またはヒアルヴェルKhiarvel。ヒウスカKhirska/ヒウスクヴェルKhirskvelとも呼ばれる。聖太子ヒアルスカウに帰依し、魚を紋章として死と再生の秘儀に耽溺したという。
khiaz{名:ヒアズ <*khian-}
1. 魚、特に海の魚。
2. 【西方ヒアルスカ人Khiarska】の紋章。
khova、-khova{名:コヴァ、コーヴァ <*khra-}
1. 窪地。盆地。水の溜まる土地。
2. 峡谷。
khowin{動:コーウィン、ホーウィン <*khova-<*khra-}
1. 崩れる。ぼろぼろになる。腐敗や腐食によって全体性・一体性を失う。
2. 疫病を得る。え病む。
3. (転用)感染する。←→【Khulus^】も参照。
Khoznas^{固有:ホズナシュ}
1. イスキュア神話における英雄戦士。【ウシュクヴァーヌ天界十騎】の一人で【懐疑者アグナ】の従兄弟。
Khraughonn{固有:フラウゴン <*khra-}
1. イスキュア神話において、最初の王ウルンクーヴァの土地の北辺を東西に流れた大河。北岸には菩薩と悪鬼が棲み、南岸には人の一族が棲んだ。コヴァウの湿地で【磊江ヴラウゾン】と合流し、その下流で【ウルゴン河Urghonn】が流れ込んだのちに大きく北へ湾曲した。
khulus^{名:クルシュ、クールーシュ →語源不詳:Luciferと語源的関連あり?}
1. 外から来る者、侵入者、名前のない神仏。「剣を持つ仏」。
2. (固有名詞)イスキュア神話における宇宙侵入神。女面獣身で四腕四脚をとる。
3. (俗信)禍福を共にもたらす来訪者、訪い神。
4. 盗賊。
Khunvel{固有:クンヴェル <*khund-+vel「氏族」}
1. クナヴェルKhnavelとも表記される:クシュカ帝国の北東〜東を守護した有力な氏族、いわゆる【四大氏族Velkve_da】の一。
 自らは「ナウク人の王家Ehluknvel Nautien」を称した。ナウク人、アラム人、ソグド人、トュルク人等の諸王諸族長を統べる至王家でもある。初代アウロン王以来、歴代皇帝の命を受けて【帝都アシュナ】と中央アジア草原地帯を往還し、東方の農耕民が【天界大門】に近づかぬよう追い祓うことを主な任務とした。このため漢代には「匈奴H`unu」の字を当てられた。アルタイ語族から分岐発達したと思われるナウク語(牧民語PanvaAtveln)を母語とするが、イルン-ギフ老王の治世以降の宮廷ではクシュカ語やエルン語も併用されるようになった。
 初代アウロン王の娘メーア(および彼女に随っていた八十人の乙女)は「ウズナ王の狩り」によって西方王家に囚われ、ここから後のホル人が分かれ出た。アウロン王の後継者たちは代々ジェッサ氏族に対して奪われた民の解放を要求したが容れられず、これが後に四大氏族同士の幾たびもの争いをひきおこす遠因となった。帝国崩壊後、ホル人は最後の女帝【ナルグ=サーイェンカ】の遺命に従ってさらに西へ移住し、西方諸民族から「フン族TheHuns」と呼ばれて恐れられた。さらにまた一部の枝族はこのときエムロッハ家に随ってインドへ移り、フーナ王朝HunaDynastyを興した。
khurz{名:フルズ、クルズ}
1. 羊の群れ。
2. 放牧された獣の集団。
3. (雅)民衆。民草。
khuve{副:フーヴェ、クーヴェ <kha-}
1. kha-の副詞形:「〜さえ」「〜こそ」。
Kianda_y'{固有::キアンダーユ <古形kiand-<KeNT「100」+-da_y'<【tin】:原義「百人の部下を統率する者、百人隊長」 →【kiaz】【kienda】を参照}
1. 『三王子の歌』および『パーンドゥシュ武勲詩』に謳われる【エルン王家】の名君。一般には「キアンダーユ王子KiazKianda_y'」として知られる。
kiaz{名:キアズ <*kiant-}
1. 王子。
2. 百人隊長。
3. 貴公子。貴族の子弟。
kienta{数:キエンタ <*kiant-}
1. (数字の)100。
2. 百個、百人、百頭。
kilmm{名:キルム <*kil-<KI-LE}
1. 片脚。
2. (足を引きずりながら)動く行為。跛行。
3. 獣または大型鳥類の脚。
kils^{名:キルシュ <*kil-<KI-LE}
1. 境界、境。境目。
2. (呪術的な)陣。結界。
kilz{名:キルズ <*kil-<KI-LE}
1. 跛行者。
kin{動:キン <Ke「(片脚の)歩行、移動」}
1. 行動する、おこなう。
2. 多くの名詞・形容詞に接続して、それらを動詞化する:「〜する」。
3. (古)歩く。
kirka{名:キルカ <KIR「反射、きらめき」}
1. (古)鏡。
kirri_mm{名:キリーム <KIR}
1. 瞳。
Kisavna{固有:キサーヴナ <エルン語no~ni-ki-sawien「剣の(に属する)貴婦人たち」}
→【Beizl】を参照。
kivlo{形:キヴロ <KI-MB}
1. ほのかな。かすかな。
2. 兆しの。始まりの。
kivna{名:キヴナ <*kiv-<*kvi-}
1. 命、生命。
2. 生命力。
kivs{名:キヴス <【kivlo】}
1. 動物、獣。
klin{動:クリン ←→【kwin】、【kis^】、【ksin】}
1. 歩く、歩む。
2. (獣や鳥との比較で)二本脚で歩行する。
  ※例文:イスキュア断章・5の1
   gzau, ze_lenkla_y' ...... ga_y', vlsieku_y' ......
  「人、(すなわち)大地を歩むもの……獣、(すなわち)数多の荒野をすすむもの……」
knas^{名:クナシュ <*knis- ←→knau、knissin、kundekin}
1. 光明。
2. 背光。聖なる光。冷光。
3. 蒙を啓くこと。またそのための(比喩的な)光。
4. (仏典)阿弥陀如来の慈悲。如来光。
knau{名:クナウ <*knd- ←→knissin、kundekin}
1. 炎。
knay`{名:クナーユ <*knal-「さえずる」}
1. 鳥。
2. 夜啼鳥。
knil'hav{形:クニルハヴ}→【knillav】に同じ。
knilin{動:クニリン <KNE →【kniska】、【knau】、【knissin】}
1. 燃える。火がつく。
knillav{形:クニッラヴ <【knilvin】}
1. (自ら)炎を発する〜。
knilvin{動:クニルヴィン <【knilin】}
1. (自発的に)燃え上がる。自らを燃やす。
2. (対象物に)火をつける:原義「炎の様相を与える」。
kniska{名:クニスカ <*knis+ska}
1. 種火。
2. 小さな火。
kniskav{形:クニスカーヴ}
1. かすかな。わずかな。
knissin{動:クニッスィン}
1. 目覚める。
2. (転用)仏道において悟りを得る。
Kordakkha{固有:コルダッハ、コルダッカ <*kor-+*dak-}
1. イスキュア神話において、三千世界の神仏が発する声に聴き入っているとされる出所不明の黒い巨石(一説には黒い革袋)。ネルザ観音の歌声にのみ従属し、【アリアザーン璧帝】に献ぜられたのちに失われた。コルディカーユの所在は三千世界のある限り決して明らかにはならないとされるが、そこから産み落とされた黒い房状の滴石は数多の世界に見出される。
Korgda_y'{名:コルグダーユ <KOR}
1. イスキュア神話における【アクシャーザ】の敵対者の一。原義「黒くする者」「損壊神」。東方浄瑠璃光世界に侵攻して十万年におよぶ圧政を敷いた。
korh{名:コル、コフ <KO}
1. (馬の)ひづめ。
korlav{形:コルラヴ、コウラヴ →テュルク系諸語kara「黒い」、古代倭語kur-「黒い、暗い」}
1. 黒い。黒々とした。kor-語幹の単語は黒髪や毛皮について用いられるのに対して、nior-語幹は黒光りする物体(石炭、黒曜石など)について用いられることが多い。
korra{名:コラ、コーラ <*kor- ←→【korlav】、【Kurgday`】、【kurgin】}
1. 黒。黒色。
kovna{名:コヴナ <KO}
1. 細工。拵え。
2. 小物。品物。(一般的な)物。
3. 工芸品。
4. つくりもの。創作物。 ←→【paiva】を参照。
kris^{名:クリシュ}
1. 分岐、枝分かれ。
2. 分離。
kris^ka{名:クリシュカ}
1. 分かれ道。
krissin{動:クリッスィン}
1. 選ぶ、選択する。
kruin{動:クルーイン →ラテン語carno-「肉の」curtus「短くされた」、ギリシャ語keirein「切る、切り離す」}
1. 斬る、裂く。
2. 刃物で切る。
3. 分ける、分割する。
kruv{形:クルウ →【kruin】を参照のこと}
1. 小さな。
2. 短い。(より大きなものの)一部にあたる。
3. 分かれた。分離した。
4. (雅)幼い。いたいけな。
krvel{名:クウヴェル}
1. 枝(の密集した状態)。
ksin{動:クスィン}
1. 踊る。
2. (古)呪的歩行をおこなう。
Kuantva_ta{固有:クアントヴァータ <*kuonkvat-<*kyon-kvat-<K^WEN+KwET}
1. イスキュア神話において、【 ヴィルグナ女神 】の四方を護る役目を負った四頭の巨狼。別名「女神の猟犬たち s^nuddun Gaunen」。単数を強調する場合はクアントヴァKuantvaを用いる。
ヴィルグナの操る「回転する焔の鏡」クネストゥーヴknestu_vに導かれ、彼女の意のままに世界の四辺を巡視することで知られる。
かつては【釈迦世界】で最も美しい四人の乙女であったが、驕慢からヴィルグナ女神と争い、無限の徒競争に負けて狼のすがたに変えられたという。
帝国後期には、語源の誤った類推から「犬狼菩薩Kuanto_va」と混同され、【イシュカ観音】の元近習であると信じられた。
さらに後代、東方世界においては狗神や狛犬として、西方においては王権の象徴である獅子として尊重されることになる。ヘブライ人の『聖なる書』で言及されるケルビムや「炎の剣」との関連も指摘される。
kudna{名:クドゥナ <*knd-}
1. 成長、生育。
2. 威力や影響の増進。
ku_hin{動:クーヒン <*ku_huwin<【kauhin】の完了形kauhu_in}
1. おどける。
2. 混じり合う。
kuhuna{名:クフーナ}
1. 戯れ。
2. 不確定な性質または状態。「縁の柔らかいもの」。
3. (仏典)無常。 →【taurrin】を参照。
4. (演劇)結末の決まっていない舞台や影絵芝居。即興劇、即興曲。
5. 放浪。彷徨。終着点を定めずに馬を駆ること、またその経路。
kuhunay`{名:クフナーユ}
1. 吟遊詩人。放浪詩人。
2. イスキュア神話において、【サスル】が三千世界を去った後に、彼の楽器を受け継いだとされる者たち(複数形kuhunalnまたはkuhunay`n、集合名詞kuhunavel)。
kuhuvin{動:クフーヴィン}
1. 謎をかける。
kuhuy`{名:クフーユ}
1. おどけ者、剽軽者。
2. 道化師。
kuhuz{名:クフーズ}
1. 冗談、遊戯。
2. 謎かけ。言葉遊び。
kuluin{動:クルーイン}
1. 明かりをともす、照らす。
kuluv{形:クールヴ、クールウ}
1. 明るい。
kulz{名:クルズ →【lugna】を参照}
1. 光、光明。
2. 松明(の明かり)、照明。
kuma{名:クーマ <*kumu-}
1. 眠り。睡眠。
2. 休眠。休息。
kumdin{動:クムディン <*kumu- →?ギリシャ語koiman「眠らせる」}
1. 眠る。
2. 安置する。不動のものとする。
3. やすらぐ。落ちつく。
kumna{名:クムナ <*ku~}
1. 鏡。
kumskel{名:クムスケル <*kumu-+skel}
1. 墓所。埋葬地。
2. 神殿。
kumza{名:クムザ}
1. 眠れる者。
2. (仏典)衆生。覚醒に至っていない者。男性を明示したい場合はkumz、またはkumzauを用いる。集合名詞としてはkumvel。
kun-{接頭:クン}
1. 【kunna】の接頭形:「五つの〜」。
kundin{動:クンディン <*knd- →古高地ゲルマン語cuntesal「炎」、古ノルディック語kynda「燃え上がる」}
1. 発火する、着火する。
2. 燃やす。燃焼する。
3. (力や威力を)増幅させる。勢いを増す。
kunna{数:クンナ}
1. (数字の)5。
2. 五つ、五個、五人。
kurgin{動:クルギン <kor-+ kin}
1. 黒くする。
2. 黒く塗る。
3. 傷める。損なう。無価値とする。
4. (肉を)腐らせる。
kurlo{クルロ <【kurwa】}
1. 赤ん坊のような。
2. 子供じみた。
kurmm{名:クルム <KRU}
1. 幼児。赤ん坊。
Kus^ka{固有:クシュカ、クーシュカ <*Aku_s^ka?<【aku_in】<KU +【us^ka】}
1. 紀元前六世紀から紀元三世紀(一説には四世紀)にかけて中央アジアに栄えた、【アシュナ】を帝都に持つ遊牧帝国の名称。原義は「馬を操る者」「乗馬する者」か。多くの場合、「騎士たちの大いなるクシュカKus^kida_nni sky'tien」という成句において用いられる。
kusna{名:クスナ}
1. 階段。きざはし。
2. 梯子。縄梯子。
kutau{名:クタウ <*kut-<KwET}
1. 方形。四角形。
ku_va{名:クーヴァ <古クシュカ語*ku_vau<語根KU「歩く」+【vau】<VAE「踵、人間、男」 ←→【kwin】、【vel】、【ve_y'】}
1. 王、王侯、族長。
2. 遊牧部族の長。アシュナの皇帝に臣下の礼をとった諸部族の頭領。
kuvin{動:クヴィン <*ky'v-<*kiv- ←→【kivna】}
1. 生きる。生存する。→類義語【eku_vin】が「移動しながら生活する」「暮らす」を含意するのに大して、kuvinは「単に生きている」「生き延びている」状態をあらわす。
 ※例)
  as^gaun kuvand, za_ln eku_vand.
 「狼達は生存し、人々は生活する」
2. おこなう。行動する。
kuvna{名:クヴナ <kuvin}
1. おこない。行為。 ←→【kavna】も参照。
2. 武勲。いさおし。
3. 偉業。
kvenka{数:クヴェンカ <*kvet-<KwET →ラテン語quartus、英語quarter}
1. (数字の)4。
2. 四つ、四個、四体。
kwin{動:クウィン <KE}
1. (古)歩く、進む。
ky'lvanin{動:キュルヴァーニン}
1. かすめとる。盗む。
ky'lvin{動:キュルヴィン <ky'vlinの転訛}
1. ほのめかす。かすかに見せる。
2. 兆す。
ky'lz{名:キュルズ <*kyul-<派生語幹*klwl-<名詞語幹*kll-「光沢をもって輝くもの」<強調形KeLeL「金属的に輝く」<KeL「黄色、輝く」 →ギリシャ語chrysos「金色の」chloros「緑がかった黄色」、サンスクリット語hari「黄色の」、アルタイ諸語altun「黄金」:関連語彙【Y'ltena_y'】も参照}
1. 黄金、金、金属。
2. 黄金色。
3. 光、輝き。
ky'lzav{形:キュルザヴ、キュルザウ}
1. 黄金の、黄金色の。
2. 黄金製の。
ky`nau{名:キュナウ <kivna<*kviz- →古ノルディック語kvikr「生きている」、ラテン語vivus「生命」}
1. 速さ、速度。
ky`nav{形:キュナヴ}
1. 速い。素早い。
ky`ssa{名:キュッサ ←→【kay`na】}
1. コップ。杯。
2. 小さな容器。
ky`valos^{名:キュヴァロシュ}
1. 兆し。さきがけ。
ky`valos^a{名:キュヴァローシャ}
1. 一番乗り。
2. 先駆者。
ky`venday`{名:キュヴェンダーユ <*kiv-+*ven-+【day`】}
1. 【ヴィルグナ女神】の異称の一。原義「命を得る/勝ち取る者」。
2. (雅)女騎士、とくに男装の麗戦士。
ky'zna{名:キュズナ <【ky'znin】}
1. 技。技量。腕前。
2. 見極め。見定め。
3. 当て。見当。
4. 仕分け。
ky'znin{動:キュズニン <*ky's-+【nin】<OWK-EL}
1. 見極める、見定める。原義「目で触れる」。
2. 見当をつける。
3. (家畜を)仕分ける。分類する。
lada{名:ラダ、ラーダ →ラテン語latus「幅広の」、アルメニア語lain「広い」}
1. 平野、平原。
2. 領地。封土。
Ladas^{固有、名:ラダシュ、ラーダシュ <lada+das^}
1. (固有名詞)【帝都アシュナ】の四方を護る四氏族の直轄封土、またそこを横断する通商路。
2. 悪鬼羅刹が侵入することのかなわない土地、または道。呪的結界。イスキュア神話においては、「王の光る血」でもって方円を描くことにより強力な結界がつくられるという。
ladav{形:ラダウ}
1. 平原の。
2. 広い。広大な。
3. 領地の。
lagna{名:ラグナ ←→【lakh】}
1. 奥。深部。深み。→類義語【baza】を参照。
2. かなめ。基部。
3. 礎石。建築物の最下層部。
4. 動物の肝。
lagnin{動:ラグニン <*lakh-}
1. 加わる。参加する。
2. かかわる。
lagnovna{名:ラグノーヴナ <【lagnin】}
1. 参加。
2. 参戦。
lahuin{動:ラフーイン <*plav- →ラテン語pluere「雨が降る」、ギリシャ語plein「流れる、帆走する」}
1. 流れる。
2. 垂れる。くだる。
3. さまよう。
lailin{動:ライリン <【lakh】+【lin】}
1. 入る。入ってくる。登場する。
2. 入城する。
3. 入室する、入場する。
laivin{動:ライヴィン 【ylakh】+-vin}
1. 受けとめる。受容する。
2. 採り入れる。取り込む。
3. 混ぜ込む。混合する。含める。
lakh{前置:ラク、ラッハ}
1. 属格に先行して、内包的位置や区域をあらわす:「〜の中の」。
2. 与格に先行して、運動や行為の内包的目標点・作業域をあらわす:「〜の中へ、の中で」。
3. -ver分詞(節)に先行して、主要な行為の目的や意図をあらわす。
  ※例)
   kuva kwin「王が待つ」+ lhay` salvin「鷲が飛ぶ」
   →kuva kwin lhai lakh salver. 「王は鷲が飛ぶのを待つ」
      (直訳:「王は待つ、鷲を+飛ぶ(状態)へ入るところの」)
   khaz vnakan「若者は夢見た」+ y`nay` lain「恋人は現れるだろう」
   →khaz vnakan y`nai lakh liever.「若者は恋人が現れるだろうことを夢見た」
      (直訳:「若者は夢見た、恋人を+現れるだろう(状態)へ入るところの」)
lamz{名}
lanu_in{動:ラヌーイン <【lakh】+【nuvin】}
1. 加わる。
2. 参加する。
las^{名:ラシュ <*ias^ ←→is^ka、-as^、As^na、as^gau}
1. 集会場。大テント。
2. 四つ辻。曲がり角。交差点。
laugna{名:ラウグナ <*lau-<*lv-}
1. 徴。徴候。
2. 冠。
3. 胎盤。
la_win{動:ラーウィン <LAU ←→【 alau 】、【 la_ya 】}
1. 包む。くるむ。
2. 守る。かばう。
laya{名:ラーヤ <*lau-}
1. 天蓋。
2. (雅)天幕。
La_yazl{固有:ラーヤズル <【la_ya】+【-zl】:「天幕の姫君」}
1. 『三王子の歌』において語られる四王家の諍いと『大門の戦い』をひきおこすこととなった、イスキュア王家の悪名高い姫君。【白幡公ウルンシャウズ】と【スヴェルスカ姫】の孫、【ペンヴァーユ王子】の長女。
lehna{名:レフナ <*lae-}
1. 影法師、シルエット。
2. (不明確な)かたち。ようす。気配。
lekkha{名:レッハ <*lae-}
1. 影。
lewey`{名:レウェーユ <*lae- →【lin】、【lehna】}
1. 幽霊。
2. 正体の定かでない、かたちあるもの。
lha_y`{名:ルハーユ <【lwin】の過去分詞lhavから}
1. (雅)鷲:原義「歌う者」。牡鷲であることを強調したい場合は、古語のルハウズlhauzを用いる。
lin{動:リン}
1. 出る、通り抜ける。
2. 現れる。
logna{名:ログナ <*low-<*lv-?}
1. 胴。腹、腹部。
2. 胴体。身体。←→対義語【yozna
3. かたち。外見、外形。見栄え。
  ※例)logna laugnai knas^no_va aglan, laugna lognai vando_va angsan.
    「(整った)躰に(英雄騎士の)輝く徴は無く、(英雄騎士の)徴は力強い躰を得ない」
     :紀元3世紀頃、クシュカ帝国晩期の碑文。帝国の衰退を嘆く文章と思われる。
4. 身の丈。身長。
lohnin{動:ロフニン <*lakh-}
1. 誕生する。世に生まれ落ちる。
2. 発生する。自生する。
3. 参入する。
lossa{名:ロッサ <balos^a}
1. 姫。姫君。
2. 貴族の娘。
lugna{名:ルグナ →ラテン語lux「光、輝き」luna「月」}
1. (天体の)月。
2. 月光。
lukha{名:ルーハ、ルーカ <*lhkh-}
1. 幅。
2. 全幅。とくに大型鳥類の両翼端間の長さ。
lukhav{形:ルーハヴ ←→【lhay`】や【lakh】と関連あり?}
1. 壮麗な。壮大な。
2. 幅広の。幅広く横たわる。
lukhin{動:ルーヒン}
1. (幅が)広がる。
lus^{名:ルーシュ}
1. 島。
luv{形:ルーヴ}
1. 音楽の、音楽的。
2. 旋律のある、旋律のような。
luy`{名:ルーユ}
1. 歌い手。
2. 演奏者。
luz{名:ルズ、ルーズ <【lwin】<*lv-}
1. 音楽、旋律、しらべ。
luzl{名:ルーズル}
1. 歌姫。
lvinka{名:ルヴィンカ <*lv-+古クシュカ語の女性名詞接尾辞-nka ←→【lwin】、【luz】}
1. 楽曲。
2. 歌声。
lwin{動:ルウィン ……分詞をつくる際の語幹はlv-}
1. 歌う。
ly`gh{名:リューグ →ラテン語ligare「結びつける」 ←→【penez】、【vasna】、【vey`】、【vossa】なども参照のこと}
1. 束縛。呪縛。
2. 足枷。また、その一部として用いられる縄や鎖。
3. (雅)戦闘中の行為によって発生した関係。とくに、その結果として発生した継続的で不可避的な服従。
4. (仏典)因縁、とくに悪縁。障碍。釈迦の息子・ラーフラのクシュカ語訳。→【Norkuza】、【y`gau】を参照。
ly'_khin{動:リューヒン}
1. (幅を)広げる。
Ly`lossa{固有:リューロッサ <ly`gh+lossa「足枷姫」?}
1. 【クシュカ帝国】に伝わる民話の主人公。エルン語ではリョーロッシェLyoloss^e。【ヴィルナ女王】に関する伝説と、若き日の【キアンダーユ王子】を救った【レーヴェズル姫Revezl】の逸話とが混淆したものと思われる。
 リューロッサは出生時の(無理強いされた)名前の交換によって継母や姉たちから迫害され片脚を失うが、【神獣ダグナDagna】の毛皮を得ることで俗界に戻って優れた「天秤の使い手virdamay`(=裁判官)」となり、【四王家】の王子たちから求婚され、最後にはエルン王家に嫁いで末永く幸せに暮らしたという。
mais^{名:マイシュ}
1. (暦の)月。一ヶ月。
majna{名:マジュナ <*med-}
1. 焦点。(興味、話題などの)核心部分。
2. (機構などの)重要点。
3. (仏典)教義の核心。転じて、秘儀や奥義をも指す。
makav{形:マカヴ →サンスクリット語maha、ラテン語maximus、magnus}
1. 巨大な。
2. (智恵または膂力において)すぐれた。
malin{動:マリン <MOL}
1. 告げる。
2. 宣言する。
malo_vna{名:マローヴナ <【malin】}
1. 宣言。宣告。
2. 宣戦布告。
manau{マナウ <mana- →ラテン語manus「手」}
1. 手。
2. 手段、方法。術策。
3. 技、熟練技術。
4. (転用)剣技、剣士、または剣そのもの:Kuvmanakn「王の手たち」=帝都アシュナの衛兵。
mandukva{名:マンドゥークヴァ <man-「手」+dukav「書かれた、書かれていた(形容詞)」 + 名詞化語尾-a}
1. 手稿。
2. 記録。巻物。書類。
manin{動:マニン}
1. 使う、用いる。
ma_nu{名:マーヌ <mananu<mana-}
1. 両手。一対の手。
markauya{名:マルカウヤ、マウカウヤ <【markuz】}
1. (雅)あけぼの。曙光。【markuz】の(古い)女性形。「日向かふ扉(=朝)の斥候を見よauksosmarkauyaias^tnarghen」という詩句から人口に膾炙(かいしゃ)した。
markuz{名:マルクーズ、マウクーズ <*mar-+*ka-}
1. 斥候。
2. (古)隊列の先頭。原義「序列の先端」。
marridann{名:マリダーン <*mar-}
1. 【クシュカ帝国Kus^ka】における【転輪乗経典Tuvenkus^】の分類術。
2. 分別。大別。
3. 配列。
marridnovna{名:マリドゥノーヴナ}
1. 整頓。
Masva{固有:マスヴァ <*med- →【mez】【mezna】【Mazakh】を参照}
1. (仏典)須弥山。原義「中央(中枢)の〜」。
maug{名:マウグ <maugr-<*maur- →古英語morth、ラテン語mors、ギリシャ語brotos}
1. 死。
maukr{形:マウクル →サンスクリット語maha、ラテン語maximus、magnus}
1. 巨大な。
2. (智恵または膂力において)すぐれた。
mauya{名:マウヤ}
1. 王女。王族の姫。
mavin{動:マヴィン <*maur-+vin「死を与える」}
1. 殺す。
may'{名:マユ、マーユ <*many` →サンスクリット語matr`、ラテン語mater}
1. 母。
mayenka{固有:マーイェンカ →?サンスクリット語maya「幻力、情愛」}
1. 【サーイェンカ文殊菩薩】の妹。
mazakh{名:マザク}
1. 巨人。
2. (固有名詞)イスキュア神話において天地を改修した巨人王子。【聖観音ナナン=ズィル】の息子にして世界樹の護り手とされる。
-me{接尾:-メ}
1. エルン語において、語幹の最後尾子音が-s/-s^/-zである動詞について命令法をつくる接尾辞:「〜せよ」。→【-ze】を参照。
mel-{接頭:メル- →【me_y'】}
1. 一千の。
2. たくさんの、多くの。
mello{形:メッロ <*mel- →【me_y'】}
1. 一千の。一千人の。
2. 一千人の。
melzann{名:メルザーン}
1. 千人隊長。「千人を預かりたる者 zann-e-melveld」。
mernuy`{名:メルヌーユ、メウヌーユ}
1. 記憶術者。とくに【転輪経典】を暗記する者。
2. 皇帝直属の官僚。
merra{名:メーラ}
1. 追憶。回想。
merrau{名:メラウ}
1. 記憶。
2. (文字によらない)記録。暗記。
merruin{動:メルーイン <*mer-<*mar-}
1. 思い出す。想起する。
2. 記憶する。
3. (古)正しい順序で暗誦する。記憶を整理する。
mey`{数:メーユ <*mig- →ラテン語mille}
1. (数字の)1000。
mez{前置:メズ ←→【mezna】}
1. 対格に先行して、複数のものの中央または中間に位置する状態をあらわす:「〜のはざまの、〜の間の、〜の間で」。→【lakh】も参照。
mezna{名:メズナ →ラテン語medius、ギリシャ語mesos}
1. 中央、中心。
2. 中核。
Midukna{固有:ミドゥークナ}
1. イスキュア神話における神獣の一。霊峰の深部から湧く【神聖霊液ユルサーグナ】を護る二頭の巨獣(一頭の場合はMiduka)。女面獣身、人語を解し、黄金で出来た鬣をたくわえて、千の謎の答を識る。【半神英雄サスル】の楽の音にのみ従う。
mienka{}
→【migna】を参照。
migna{名:ミグナ <*mie-}
1. 猫。
2. ネコ科に属する動物。
Mrknay`{固有名詞:ムルクナーユ、ムウクナーユ <maukr+gnay`「大いなる蛇」または<maukr+na_y'「至高天女」}
1. イスキュア神話における大蛇女神。バームク獣神の娘のひとり。契約の神にして水中または地中の柱の守護者。アラル海あるいはカスピ海の湖底にあって、湖岸にあらわれては旅行者の名を奪うという。
mudlau{名:ムードゥラウ <*mul-+lau ←→【laugna】}
1. (固有)イスキュア神話において、【宇宙侵入神クールーシュ】が有するとされる九重の翼。
2. 悪運。凶事。
3. (古)嵐。竜巻。
mugav{形:ムガヴ、ムガウ <maugr-}
1. 運命的な、決定された。変えがたい。
2. 死の。
mugna{名:ムグナ <mukna →ラテン語mons「山」}
1. 山、峰。
mulnin{動:ムルニン <MAL}
1. 忌む。避ける。
2. 厭う。嫌う。
mu_lo{形:ムーロ <MAL}
1. 災いの。災厄の。
2. 疫病の。
mulvin{動:ムルヴィン <MAL+【vin】}
1. 病をもたらす。衰弱させる。
mulvu_nn{名:ムルヴーン <【mulvin】}
1. 疫病をもたらす悪神。疫神。
mulz{名:ムルズ <MAL}
1. 災い。災厄。
2. 疫病。
mulzav{形:ムルザヴ <MAL}
1. 忌まわしい。
mulzin{動:ムルズィン <MAL}
1. 病に罹る。衰弱する。
munagh{名:ムナグ、ムナーグ <munag「賢者より(発するもの)」}
1. 文字。
2. 文章、写本。
3. 隠された物件や知識。
munav{形:ムナヴ}
1. 孤独の。
2. 隠れた、隠された。
munay`{名:ムナーユ <munan「彼は隠れた/隠れている」}
1. 隠者:都市に住まず遊牧もしない者。
2. 道士、尊者、賢者。
3. 1、2への尊称:「〜師」。
4. 文字を書ける者、識字者。
munin{動:ムニン、ムーニン →ギリシャ語monos「単独の」manos「わずかな」、古ゲルマン語mengen「欠ける」}
1. 独りになる。
2. 隠れる、群れを離れる。
munu{名:ムーヌ <maugr-}
1. 石、岩。
muz{名:ムーズ <*maur-}
1. 限界。上限。
2. 極み。終わり。
na_{前置、後置:ナー <AGN ←→【agn】、【nakh】、【anu_】、【anas^】}
1. 動詞の前後について、否定をあらわす:「〜ではない、〜をしない、〜にならない」。
na_{副:ナー <ANg}
1. 否定の副詞:「〜ではない、〜をしない」。
naglin{動:ナグリン <*nak-lin<NeK →【nu_s^】【ya_gha】を参照}
1. 暗くする。
2. 隠す。
3. 陽が落ちる、日が暮れる。
nagwin{動:ナグウィン <*nak-kw-<NeK →【nu_s^】を参照}
1. 忍び寄る。
nai-{接頭:ナイ}
→【nakh】を参照。
nakh{前置:ナッハ、ナク <AGN ←→【agn】、【na_】}
1. 動詞に先行して、否定をあらわす:「〜ではない、〜をしない、〜にならない」。接頭辞形はナイnai-。
nakhin{動:ナヒン}
1. 知る。分かる。
2. 知識を有する。
nalhevl{名:ナレヴル <【navin】の受動相分詞の名詞化}
1. (雅)牛、羊などの乳用家畜:原義「搾られる者」。複数形はナレヴルンnalhevlunまたはナレヴロンnalhevlon。
Naljun{固有:ナルジューン <nalie+yeon「天女を慕う者」}
1. イスキュア神話における英雄、【天界十騎Us^kvanu】の一。道化者、軽薄な求婚者として知られる。別名Khaz-Kuhu~l「若き道化」。【ナーユ天女】の羽衣を戯れに掠めることで天界大戦の遠因を図らずもつくった。
nalyoz{名Fナリョーズ <nal-+*yos-}
1. 峡谷。
2. 窪み。
3. 峠道。
nalz{名:ナルズ <nal-「背骨」}
1. 尾根。
2. 稜線。
Nanan-Zil{固有名詞:ナナン=ズィル <nagnan-zil*<agnan-zil*<agn-nan-zil? または<nan-agn-zil?}
1. イスキュア神話における母神:のちに仏道に帰依して観音菩薩の位に達する。転輪乗経典においては聖掌観自在菩薩、または掌願菩薩と表記される。
nans`{名:}
nargh{名:ナルグ <*naur-<*znavr- →古高地ゲルマン語snuor「紐」、古北欧語snara「紐でからめ取る」 ←→【naurrin】}
1. 扉。
2. 段階、手続き、作業、変化の過程などの最初の地点や時点。
3. (古)狭い入り口。
4. (古)狩猟用の罠。
Nargh-Sayenka{固有:ナルグ=サーイェンカ}
1. クシュカ帝国最後の皇帝。
narphin{動:ナルフィン <NAUR「扉、開く」}
nas^a{名:ナーシャ <nuks^ →ギリシャ語nyx、ラテン語nox}
1. 夜。
nas^lo{形:ナシュロ <【nin】+【as^】+形容詞語尾-lo}
1. 共有の。共に戴く。
2. 共通の。
3. ありふれた。頻繁にある。
nau_{副、呼:ナウー <ANg}
1. 否定の強調:「決して〜しない」。
2. 否定をあらわす呼びかけや返答の強調形:「決して!」「いいえ、絶対に!」。
naugh{名:ナウグ <クシュカ語munagh「文字、写本」、または<*gnaugh-<ギリシャ語gnos「地下の、秘められた」か?}
1. 知識。
2. 伝承された知識、写本や経典のたぐい。
Naukh{固有:ナウク <ナウク語nauc「夜警、交代要員」}
1. クシュカ帝国を構成する民族の一。東方に棲まい、遊牧を主とした。のちに一部の民が別れて西方へ移り、ホル人と呼ばれた。民は何事も評定をもって決し、戦においては王をたててこれに従うとして、常なる君主を戴くことがなかったが、【ザウルーズ公Zaulurz】の裁定によってアウロンの子孫を王家と定めるに至った。ナウクの民は馬を巧みに操り弓箭の技を能くして、「三千世界のあらゆる戦士の中でもっとも勇猛である」と謳われた。
naurrin{動:ナウリン}
1. 開ける。
nava_y'{名:ナヴァーユ}
1. 家畜の乳を搾る者、特に女性。
2. (雅)若い娘。
navin{動:ナヴィン}
1. 乳を搾る。
2. 集める。
navu_in{動:ナヴーイン}
1. (収穫や財物を)貯める。寄せ集める。
2. 貯蔵する。
3. (知識や技芸を)蓄積する。
nawin{動:ナウィン <*nau-}
1. (自然に)開く。ひらく。
na_y'{名:ナーユ <na_l-<派生語幹*nawl-<完了語幹*nal-「満ちたる〜」<NeL「満ちる、溢れる」 →同語根から派生した【Ingu_ska】【NilzNevien】【nolzin】【Ulga】を参照}
1. (固有名詞)イスキュア神話における天女、とくにナナン=ズィル菩薩神の眷属。飛天。【ユルテナーユ(Y`ltenay`)】、【アヴァンダーユAvanday`】を参照。
2. 女性舞踊者のまとう衣。
3. 内海を航行する船の帆。
4. (古)月、内惑星:満ち欠けをする天体。
ne_{呼:ネー <ANg}
1. 否定をあらわす呼びかけや返答:「いいえ」「違う!」「駄目だ!」。
neigrin{動:ネイグリン <*neyk-<NeLeK}
1. 喰む。咀嚼する。
2. 噛み砕く。
ne_j{副:ネージュ <ANg}
1. 位置について否定する副詞:「どこでも〜しない、どこにも〜しない」。
ne_lu{名:ネール<ANg}
1. 人物の非在をあらわす:「誰でもない」「誰も〜しない」。
Nerz/Nerza{固有:ネルズ/ネルザ <*Niery'z<*nior+【y'z】?}
1. イスキュア神話における双貌神仏。【射手アクシャーザ】によって招かれた「門の彼方の仏」のひとりで、昼は太母観音ネルザとなって穀物を護り、夜はネルズ明神となって星辰の運行を測った。あらゆる宝剣と天空災害の守護神。天界大戦の後に【ヴィルグナ女神】の軍門にくだり、その娘/息子となった。
 古代世界に頻繁にみられる女神信仰と、おそらくは同根であると思われる。東洋においてはカーリー女神をはじめ弁財天や稲荷などに分岐発展し、いっぽう西方世界では地中海周辺の「黒いマリア」信仰として生き延びることとなった。
ne_va{名:ネーヴァ <分詞ne_v「所有された〜」<受動相ne_vin<動詞【nuvin】<【nin】}
1. 封土。皇帝によって諸王へ統治が任された領域。「所有されたもの」。
2. 王国。国土。「〜の国」。
3. 領国。領地。
  ※例文:
  er gwa_nav ne_vien gwevan saugen.
  「王国を建てるのは、鉄の躰を有するような者である」
  (直訳:諸王国をつくったところの彼は、鉄によってつくられた)
ne_va{名:ネーヴァ <【nuvin】の受動態現在完了形ne_vinから}
1. 遺品。→【nu_va】を参照。
2. (相続された)領地や武具などの財産。先祖伝来の品、家領。
3. 領地。
nevl{名:ネヴル}
→【ne_va】に同じ。
ney`{名:ネーユ <*nae-+【-ey`】、あるいは【nu_y'】からの類推か}
1. 侍女。
2. 雇われた者。
Nilz-Nevien{固有:ニルズ=ネヴィエン <「あまたの領土の所有者」?}
1. 帝国草創期の英雄騎士、最初の天空遊行者。【ヴァラドゥーズ金熊王】と【サーリュズ銀沙王】の弟で、有情公とも称される。三千世界を往来して多くの財を帝都へと運んだ。
nin{動:ニン}
1. 来る、寄る、近づく。
2. 手で触れる。
3. 出る、赴く、往く。
4. ある、存在する。〜として/のように存在する。
  ※注)……ninが存在を示す動詞として用いられるのは、主に以下の場合である:
   a. -ver準動詞によって修飾され、状態の反復・継続・習慣をあらわす場合
     nan vnakver Nus^gauna. 「〈夜の女王〉は眠っている」
   b. 二つの名詞(主格)が等価であると強調してあらわす場合
     kuva nin aksuy`.     「跛行者はすなわち王である」
   c. 完了形となって、指示代名詞zrと共に用いる場合 →【zr】も参照のこと
     zr nim padai.      「そこに砦がある」
   以上の用法は、zinにおいてはもちろんのことlinやtinなどにおいても可能であり、
   前後の韻律や文の調子などを勘案していずれかの動詞が選ばれるので、翻訳・解釈には注意が必要。
nirgna{名:ニルグナ <*nior-}
1. 黒雲、黒煙。
2. 暗闇。
nisvin{動:ニスヴィン <*knis-+vin}
1. 産む。
nivekh{形:ニヴェク →ラテン語nimbus「雲」}
1. 霧のかかった、曇った。
nivrin{動:ニヴリン <*nivr-<NE+MBRE}
1. 畏れる。畏怖する:原義「力あるものに触れる」。
2. 怖がる。
Nivrodda{固有:ニヴロッダ <*nivr-<NE+MBRE+NTE →【nivrin】参照}
1. クシュカ帝室に伝わる宝剣の一:原義「畏るべきもの、恐怖に満ちたもの」。【パーンドゥシュ大戦Yavu_ska Pa_ndrges^】の際、皇帝軍によって用いられ【帝都アシュナAs^na】の大門を守ったとされる。
nolvin{動:ノルヴィン}
1. (革を)なめす。
2. なだめる。なめらかにする。
nolz{名:ノルズ}
1. 丸。円。
2. (古)円陣。輪。
nolzin{動:ノルズィン <分詞語幹*nul-「満ちて円状になった〜、まろやかな」<NeL →【na_y'】を参照}
1. 撫でる。
2. なめらかになる。
3. 落ち着く。おとなしくなる。
Norkuza{固有:ノルクーザ <*nior-+*ku~-(<*owku-)}
1. イスキュア神話における、邪悪な不可視の天体:原義「黒い眼」。インドにおいてはラーフラと呼ばれ、日蝕の原因とされた。
nos^{名:ノシュ、ノーシュ <*noz-}
1. 岬。 ←→【phirz】を参照。
2. 崖。断崖。
nu{接頭、前置、副:ヌ ←→【nin】}
1. 状態の相似をあらわす:「〜のように」「あたかも〜のように」「〜のごとく」。
2. (古)位置の最近接・接触をあらわす:「〜に触れて」「〜のすぐ近く(の)」。
nubin{動:ヌビン}
1. 失う。
2. 落ちる。欠け落ちる。
3. 欠ける。
nuilo{形:ヌイロ、ヌーイロ <*nuwn-  ←→nundu  →ラテン語novus、ギリシャ語neo}
1. 新しい。新たな。
nu_nu{数:ヌーヌ <*nu「(分割不可能な)集団、多数性、またそれらによる包囲や隣接」 ←→集合複数語尾-nu、前置詞【nu】、一人称複数の古形*unu:さらに動詞【nin】も参照}
1. (数字の)9。
2. 九つ、九個、九人。
nurra{名:ヌラ、ヌーラ <*nior-}
1. 黒曜石。
nurzin{動:ヌルズィン <nur+zin}
1. 嘆く。嘆じる。
nu_s^{名:ヌーシュ <nuks^}
1. 日蝕、月蝕。
2. (雅)夜、とくに「夜の涯」を指す。
nus^av{形:ヌーシャウ}
1. 夜(の涯)の。
2. 暗黒の。
3. 喰われた。
nus^in{動:ヌシン <nuks^in*<nuks^}
1. 喰らう、食べ尽くす、蕩尽する。
2. 無に帰する、無化する。
nu_va{名:ヌーヴァ <【nuvin】の完了形nu_vinの名詞形:戦死者の遺品を永く握りしめて嘆く風習から}
1. 嘆き。
nuvin{動:ヌヴィン <【nin】完了形nu_in+【vin】}
1. 保つ。保持する。
2. 所有する。
3. (古)手に取る。握る。掴む。
nu_y'{名:ヌーユ <行為者名詞nu_vu_y'<完了形nu_vin<【nuvin】<【nin】}
1. 領主。領地の所有者:「保持する者」。
2. 君主。王侯。
3. 貴族。帝都【アシュナ】に住まい、三千世界のいずこかに所領のある者。
4. 所有者。持ち主。主人。
nuz/nuya{代名:ヌーズ、ヌーヤ ←→【nin】を参照}
1. 三人称の再帰代名詞:「彼自身、彼女自身」。
oknin{動:オクニン <*ok-<*owku-}
1. 見る。隙間から見る。
2. 見定める。
3. 覗く。
-on{接尾:-オン}
1. (古)動詞語幹に付いて男性行為者をあらわす名詞をつくる:「〜する者」。古典クシュカ語では【-ann】が用いられる。
2. (雅)動詞語幹に付いて名詞をつくる:「〜すること」。
orlo{形:オルロ、オウロ <*orro-}
1. 初めの。第一の。
orruin{動:オルーイン <*orre-}
1. 始める。
2. 建てる。起こす。
3. 立ち上がる。
orz{名:オルズ <*orro-}
1. 始め、始まり。始源。
2. 初め。最初。
3. 発端。先端。→【marku_z】を参照。
osk{名:オスク <*ka-}
1. 隊商都市。オアシス都市。
2. 宿場町。
3. 宿。
4. (古)通商路の末端にある辺境都市。
-oska、-aska、-yoska{接尾:オスカ、アスカ、ヨスカ <*ka-}
1. 子孫、後裔などをあらわす接尾辞:「〜の子、〜の裔」。元来は「(一族の中で)末席にある者」を意味した。 →【anka】を参照。
2. 所属する氏族・血族・集団をあらわす接尾辞:「〜の血統、〜の郎党」「〜の仲間」「〜の構成員」。→【vel】を参照。
oslin{動:オスリン <*os^l-「天のもとで見る」「天上の現象を見る」<位置接頭辞*wo+名詞語幹syl-<SeL「(天上の)集合、群れ」+Le「見る」:関連する語彙【es^lin】【is^】【s^a】【salvin】【silz】、また【vo】【vossin】<WO「繋がる、〜のもとにある」を参照}
1. 見る。意識せずに見る。目に入る。
2. (たまたま)見かける。
3. かいま見る。
4. 行為や状態の不確定性、未完成性をあらわす補助活用辞:-oslin「〜するかもしれない、〜するだろう」「〜してもおかしくはない」。
osva{名:オスヴァ <*sov-}
1. 口笛。
2. (雅)一瞬の風。
ovlo{形:オヴロ <*ow-}
1. 忠実な。信頼に足る。
2. (古)列をなした。後に続く。
ovlos^{名:オヴロシュ}
1. 忠誠。誠実さ。
ovlos^a{名:オヴローシャ}
1. 忠実なる者。腹心。
-ovna/-uvna{接尾:−オーヴナ、ウーヴナ}
1. 主に複音節動詞の語幹について、行為や状態を示す名詞を生成する。
     abalin「告げる」      abalovna「宣言」
     knissin「目覚める」    knissovna「啓蒙、覚醒」
     hoslin「眠る」       hoslovna「睡眠」
-oy`{接尾:オーユ <?*orre-}
1. 動詞語幹について、行為者をあらわす:「〜する者」「〜をおこす者」。←→【-day`】を参照。
padin{動:パディン <完了語幹*pad-<PeD}
1. 護る、(陣地などを)防衛する。
padissa{名:パーディッサ <【pa_du】+【-issa】}
1. 城館。原意「小さな砦」。
2. 館。屋敷。
pa_du{名:パードゥ <派生語幹*paud-<完了語幹*pad-<PeD}
1. 砦。城。城塞。とくに山間部の、天然の要害を利用して築かれたもの。
pa_eva{名:パーエヴァ <pavinの受動相古形pa_evinの名詞化}
1. 作品。
2. 剣。武器。原意「鍛えられた物」。
3. 細工物。特に黄金製の細工。
Paeva{固有:パエヴァ}
 →【Pa_iva】の俗称。
pagna{名:パグナ <*pagn- →アルタイ諸語ban「支配者」、古英語pen「首長」:またはラテン語fari「語る」、古英語bannan「命令する」}
1. 長(おさ)、王。
2. 隊長、軍団長。
pagnin{動:パグニン <*pagn-}
1. 統治する。
2. 命ずる。指令を出す。
Pa_iva{固有:パーイヴァ <女性名詞古形*pa_eva<古クシュカ語受動相*pa_evin<pavin}
1. 「造られた乙女Balo_s^a Pa_verrav」。【パーンドゥシュ】大戦の末期に、エヴルクーヴァ王Evlku_vaの曾孫にあたるパヴナーザ工師Pavna_zaが、【ユルサーグナ黄金聖血】を用いて創り出したという人造戦姫。集合的にはパーイヴェルPa_ivel。
Paivna{固有:パーイヴナ}
→【Pa_iva】の俗称。
Paivnye{固有:パーイヴニェ}
→【Pa_iva】の愛称。
pandin{動:パンディン <*pand-<*pan-}
1. 伝える。語る。
Pandrs^{固有:パーンドゥシュ <?pandr「王の所有する」+as^「土地」}
1. イスキュア神話における英雄戦士。パウドラーシュPaudras^とも表記される。
panus^{名:パーヌシュ}
1. 命令。指令。
panva{名:パンヴァ<*panv-<*pavn-<*pan-}
1. 言葉。発話された文章。
2. 舌。
panvel{名:パンヴェル <【panva】+【vel】}
1. 言語。
parra{名:パーラ}
1. 女妖。女妖精。
2. {固有)イスキュア神話における小女怪。若い娘のかたちをとり、食物や毛皮を戯れに金属片へ換えるという。
parris^a{名:パーリシャ}
1. クシュカ帝国における官職名の一。アシュナ宮廷の女官として、女帝の身辺の世話や警護などを担当する。
2. 宮廷女官の詰め所。女官房。
paulaluz{名:パウラルーズ}
1. 輪唱。反復・重複する合唱。
2. 詠唱。
paulay`{名:パウラーユ <*pela-<*plav-}
1. 紋様の名称:乱流曲線・渦巻・螺旋などの縮小反復によって平面を埋め尽くす技法。唐草模様に酷似する。kay`が単純な中心へ向かっての渦巻で、多くが点対称・線対称であるのに対し、paulay`は自己相似的反復をする非対称紋様となる。
2. 乱流。
3. (仏典)六道輪廻。有為転変。無常。
pauly`z{名:パウリュズ}
1. 反復。繰り返し。
pava{名、代:パヴァ →【pavin】を見よ}
1. 鍛冶職人。
2. 工匠、親方。
3. 貴族の尊称:「〜殿」。
4. 貴族や尊者へ用いる代名詞:「あの方」。
pavekh{形:パヴェク}
1. 巧みな、技に長けた。
pavin{動:パヴィン →ラテン語faber「職人」、英語forge「鍛える、偽造する」}
1. 金属を精錬する、鋳造する。
2. 製作する。
pay`{名:パーユ →古イラン語gohar、古ゲルマン語perle}
1. 宝石、宝玉。
pegl{名:ペグル →ギリシャ語phegos、ラテン語fagus}
1. 樫、樫の木。
peilin{動:ペイリン <PEYE-LE}
1. 隠す。隠れる。
2. (追っ手などから)逃げる。避ける。行方をくらます。
3. (義務や刑罰などから)逃れる。
pelghay`{名:ペルガーユ}
1. (仏典)曼陀羅。
2. 無限に至る自己相似的反復。現代数学においてフラクタルとして知られる概念。
penekin{動:ペネキン <pen-<*pan-}
1. 結ぶ、つなぐ。
2. 拘束する。束縛する。
pharra{名:ファーラ、ファラ}
1. 髪。頭髪。
phaurrin{動:ファウリン <*phra-<*vra-<*wru-}
1. 基準を超える:外部からの影響によって急激に特化する。語源的には、この単語は憑依現象やシャーマニックな恍惚状態に関連していたと思われる。→【irkhin】、【kundekin】も参照のこと。
2. もてあます。
3. 怪力をふるう。
4. (古)獣に変化する。
pher{代:フェル}
1. 三人称単数、女性形:「彼女」。属格はphergh。
pherre{代:フェレ}
1. 三人称複数、女性形:「彼女ら」。属格はpherregh。
phevna{名:フェーヴナ <vein+受動態名詞化語尾-evna}
1. (古)虜囚。監禁された状態。
Phirvel{固有:フィウヴェル}
1. ジェッサの氏族が西方で遭遇した部族の一。「三角州に棲む民」。帝国崩壊後に【クンヴェルKhunvel】の西遷に促されるように大陸の西端へと移住し、ブリトン人を制圧した。
phirz{名:フィルズ <BHIR}
1. 頂点。尖った先端。
2. 山の頂上。いただき。
3. 三角州の末端、または海や湖に突き出した土地の突端。岬。
4. 角度。図形の角。
phlava_y'{名:フラヴァーユ}
1. チーズをつくる者、特に女性。
2. (雅)牧民の女:貴族の館や陣内で働く、世知に長けた女性。
phlin{動:フリン}
1. ふくらませる。泡立てる。
2. チーズをつくる。
3. (転用)病を癒す。看病する。
phlu_in{動:フルーイン}
1. 醸す。酒をつくる。
2. (家畜の乳から)チーズをつくる。
3. 仕込む。手をかける。醸成する。
phrav{形:フラヴ <*phra- ←→【pharra】}
1. 髪の長い。
2. 優れた。超絶的な。
3. 怪力の。獣の力を帯びた。
pianka{名:ピアンカ <*pian-}
1. 
pirvin{動:ピルヴィン <*pir-}
1. 燃やす。
pirzin{動:ピルズィン <*pir-}
1. 燃える。
polo{形:ポロ}
1. 弱い。
2. 病んでいる。
puz{名:プズ}
1. 堅さ、強さ、忍耐力。
puzav{形:プザヴ、プザウ →ラテン語fortis}
1. 強い。
2. 堅い、強固な、堅牢な。
rantin{動:ランティン}
1. (動物に)乗る。またがる。
rekha{名:レッハ <*rhe-}
1. 印。刻印。
2. 区切り。分割のための線分または点。
3. (古)血、血痕。
relin{動:レリン <*rhe-}
1. 飾る。
2. 付け加える。
Revezl{固有:レーヴェズル <*rhe-vae-zl「踵に徴のある姫」?}
1. 【エルン王家】の血をひく貴族の娘。【パーンドゥシュ】大戦の折に活躍した〈【ナウク】の七姫〉の母方の祖母。若き【キアンダーユ王子】を救ったことで知られる。
Revziy`{固有:レヴズィーユ <*rhe-+*sil-}
1. 【ザウルーズ公Zaulurz】の旗印。「縁取られた星」の意。内接円と方形の組み合わせが、四十五度づつ回転しながら三重同心円状に重なる紋様。放射状の装飾を加える場合もある。
righ{名:リグ →ギリシャ語rhein「流れ、早瀬」}
1. 絡み合った状態。泡、泡立ち。→類義語【kay`】、【paulay`】を参照。
2. 滝。
3. (古)早瀬、急流。渦巻く流れ。
rogh{名:ログ <*rhe-}
1. 丹。
2. 赤銅色。
rovna{名:ロヴナ <【rerrin】}
1. 装飾。
2. 修飾。
3. 修辞。美辞麗句。
roy`{名:ローユ <*rhe-}
1. 飾り。よそおい。
2. 付け足し。
ry`z{名:リューズ <*rhe-}
1. ふち、へり。
2. 周縁。
3. 辺境領。
s^a-{接頭:シャ、シャー <*y`s^-}
1. 動詞や名詞の前について、動作や状況の共同性・共時性をあらわす:「〜と共に」「〜と同時に」。
sagh-{接頭:サグ- <【saugh】}
1. 鉄製、または鉄のように硬い状態をあらわす接頭辞:「鉄の〜」「鉄製の〜」。
sagl{名:サグル →ヒッタイト語saklais「秘儀」、ラテン語sacer「呪われた」}
1. 剣士のおこなう儀式。
2. 呪的結界をつくるための作業。
sagna{名:サグナ →ラテン語sanguis「血」}
1. 血、血液。
2. (固有名詞)イスキュア神話において、【帝都アシュナ】に住まう帝王が流すとされる、聖なる血。
s^aiv{名:シャイヴ}
1. 夢。
2. 記憶。追憶。
s^aivkin{動:シャイヴキン <【s^aiv】+【-kin】}
1. 記憶する。追憶する。
2. 想起する。
salvin{動:サルヴィン}
1. 空を飛ぶ、飛行する。
saly`z{名:サリューズ}
1. 接吻。口づけ。
2. 【西方ヒアルスカ人Khiarska】のおこなう挨拶。聖太子ヒアルスカウKhiarskau(またはハリストゥーズKharristuz)の教義は帝国後期にローマから伝わり、ホル人・ソグド人・アラム人などを中心に多く信者を集めた。
s^ana{名:シャーナ →古代中国語shean「仙人」}
1. 薬。とくに粉末状の薬物。
2. 仙薬。
sandwin{動:サンドゥウィン <*sunde- →古英語syndrian、古高地ドイツ語suntaron「二つに分ける」、ラテン語sine「〜を欠く」}
1. 割る。分割する。
2. 真っ二つにする。
 注釈……kruinは細かく裂いていくニュアンスがあるのに対して、sanghwinは対等な二つの部分に割って両者間の往来を阻害する、という意味合いを帯びる。
sarka{名:サルカ}
1. 乳、乳液。
sarra{名:サーラ →ラテン語serum「漿液」、ギリシャ語oros「乳漿」、サンスクリット語sarati「それは流れる」}
1. 川、流れ。
2. 早瀬。
sa_rrin{動:サーリン <SAR}
1. (勢いよく)流れる。
2. 流れ落ちる。
3. (古)したたる。
sarryoz{名:サリョーズ <sarra+*yos-}
1. 堀割。水路。
2. (転用)川の下流、とくに支流が複雑に絡み合った部分。
Sarry`z{固有:サーリュズ <【sarra】+【ry`z】?}
1. クシュカ帝国草創期の英雄騎士。「スキュア三伯」の一。【ヴァラドゥーズ】の弟で【ニルズ=ネヴェイエン】の兄。
Sarzronn{固有:サウズロン、サルズロン}
1. イスキュア神話において、【フラウゴン】と【ヴラウゾン】の両大河をあわせた呼び名。原義「双つの河」。←→【sarra】を参照。
Sasul{固有:サスル <*Sasel<SAU+SEL:原義「道を選ぶ者」または「離れた/孤独の道(を往く者)」 ←→【sagna】、【se_y'】、【za_nn】など →古英語sith「道、旅」、古アイルランド語se`t}
1. イスキュア神話における神格の一。「放浪者」の異名を持つ半神半人の英雄で、有翼半陰陽の姿で表現されることが多い。笛の達人で楽器の発明者。本地は地蔵菩薩または般若菩薩だが、阿修羅王の眷属とされる場合もある。後代には【ヴィルグナ女神(Vilgna)】の弟(妹)と見なされ、弁財天信仰・変成男子竜女信仰などと習合した。
Sasulunluz{固有:サスルンルーズ}
1. 「サスルの旋律」:【大釜ウルガ】の別名。
saugh{名:サウグ ←→【say`】、【sagna】と同語源か}
1. 鉄。→【sagh-】も参照。
2. 鉄鉱脈。
3. (雅)刀剣。武器。手段、道具。
saukh{名:サウク →ラテン語solar}
1. 太陽。→同義語【azna】も参照。
2. (古)日の光。陽光。
saulo{形:サウロ}
1. 太陽の。太陽に関する。
saulos^{名:サウロシュ}
1. (雅)太陽。日輪。
2. 光輪。後光。
saunin{動:サウニン <*saph-}
1. 飲む。流し込む。
sauya{名:サウヤ}
1. 【saya】の古形。
2. (仏典)転輪経典において、菩薩神【ナナン=ズィル】が有する慈悲心。【認識者zay`】にとって、神仏の抱くサウヤの完全な把握は不可能かつ有害とされている。
3. 愛。慈愛。
sauz{名:サウズ <*saph-}
1. 飲み物。
2. 酒。
s^auz{名:シャウズ <*is^+*aus- ←→is^ka、aus、las^}
1. 戦旗。原意「頂上の-交差」。
2. 幡。頂上で十字状に結んだ竿から、縦長の布や羊皮を掲げて垂らしたもの。氏族のトーテムや祈祷文を表面に記して呪術的な攻防の手段とした。古くは生贄の頚や臓物を掲げたと思われる。
say`{名:サーユ <sagn-}
1. 家柄、血統、血筋。
2. 高貴な騎馬戦士の家門、またその一員。
3. (高貴な)集団の構成員または関係者。「〜の者」。
4. 異名や通称に用いられる接尾辞:Tussa Migzavnsay`「千の剣のトゥッサ」。
saya{名:サヤ、サーヤ}
1. 智慧、洞察力。←→【naugh】を参照。
2. (仏典)悟りに至る認識技術。
3. 器用な手仕事。細工。(知識ではなく経験によって獲得される)技。
Sayenka{固有:サーイェンカ}
1. イスキュア神話における女性化した文殊菩薩の呼び名。東方浄瑠璃光世界に棲んで【アクシャーザ】の天界彷徨を監視する。【マーイェンカ】の姉。
s^dau{代:シュダウ}
1. 疑問代名詞:「どっちが、いずれが〜か?」。
sey`{名:セーユ <*se_l<SEL ←→【Sasul】}
1. 進路。方角。
2. 経路。
3. 道。
4. 運命。宿命。末路。
s^ga_lau{名:シュガーラウ}
1. 合意、同意。
2. (雅)盟約。同盟。
s^gala_y'{名:シュガラーユ ←→【as^lau】、【is^na】を参照}
1. 同志。盟友。
2. (雅)戦友。
3. 同胞。血族。
s^galida_nn{名:シュガリダーン}
1. 部族。複数の氏族がまとまった大血族集団。戦争においては軍団を構成する。
2. 血統。血筋。
3. (特定の部族の)宿営地、放牧地。
s^golkin{動:シュゴルキン <【s^a】+【golkin】}
1. 合意する。
2. 共に語らう。
3. (雅)誓う、誓いの言葉を述べる:とくに氏族や部族間の同盟をあらわす。
s'halu_ya{名:スハルーヤ}
1. 矢筒。
s'haya{名:スハヤ}
1. 矢。
silz{名:スィルズ <*slt- →古代シュメール語zalag、フィンランド語ts'ilket、ラテン語stella、ギリシャ語astron}
1. 星。
s^k{名:シュク <*s^ku<*us^pa ←→【us^k】、【us^ka】、【sky'a】}
1. 貴人、戦士階級。
2. 都市生活者(欧米史学界における「イスキュア」の通称は、i+s^k+un「都市民の〜」の音便と思われる)。
3. 帝都アシュナの皇族、またその尊称。
4. (古)人、人間。
skau{名:スカウ <*sk-}
1. かたち。形状。
2. 様式。
3. 状態。
4. 質量。かさ。
skauz{名:スカウズ <STAU「起つ、屹立する、現存する」 ←→【skul】、【sky'a】 →ギリシャ語skeptron「杖」、英語shaft「槍、軸、柱身」}
1. (固有名詞)イスキュア神話にある世界樹の名称。別名〈不死の塔〉とも呼ばれる。三千世界の中心にあって「これを識る者は転輪聖王を継ぎ、これに触れる者は正覚者となる」とされる。
2. イスキュア神話における咒的器物の一。長槍状または柱状の物体で、大地に直立させることで三千世界からあまたの神仏諸天を招来するという。
s^kave{副:シュカーヴェ、シュカヴェー <?s^+kauz-}
1. いかに、どれほどに。
2. 数量、傾向などを問う疑問詞:「どれほど」「どのくらい」。
skawin{動:スカーウィン <*skau-}
1. かたちをとる。
2. かたまる。
skeadin{動:スケアディン}
1. 刻む。(石などに文字や印を)刻み込む。
2. 彫る。
skeaz{名:スケアズ}
1. 刻み。刻印。
2. 印。目印。
3. 文字、言葉。特に、石や岩に刻まれたもの。碑文。
4. (複数形で)文章、書物、韻文。後に転化して墓碑、墓石、埋葬場所などをあらわすようになった。
 ※例)
  u_silvel yegh aulodun, volgauz yegh skeadun.
 「我らが屋根は満天の星、我らが墓は蒼き草原」
skhaya{名:スハヤ、スカヤ}
1. 巨大な魚類。鮫。
2. イルカ、鯨のたぐい。
3. 【天涯遊行Tuvenkus^】に用いられる船。
skirnav{形:スキルナヴ <SKR+【nin】}
1. 正しい。正統な。
2. 間違いのない。
3. 掟に沿う。
s^kna{代:シュクナ}
1. 主に神仏や王族に対して用いられる疑問代名詞:「どなたが〜か?」。
Skovlomna{固有:スコヴロームナ <*ska-+*hlm-}
1. イスキュア神話において、三千世界最大とされる巨峰。世界樹【スカウズ】が変成(へんじょう)した姿とされる。 ←→【Aks^a_aza】、【Vroznoska】を参照。
skrna{名:スクルナ <*skr-}
1. 正統な形式をともなった力。権威。
2. 典礼。また、それを司る官職にある者。
skrogha{名:スクローガ <*skr-}
1. (仏典)正式な儀礼に則った、転輪乗経典の斉唱。咒唱。
2. 物事の規則正しい手順。儀礼。
3. 呪文。
skuin{動:スクーイン <*sk- ←→sky`a、skauz、skau →ゲルマン語skopien「見つめる、考える」}
1. もの思いに耽る。考える。
2. 瞑想する。
3. とどまる。じっとしている。
skul{名:スクル ←→【skauz】、【eskol】}
1. 槍。
2. (雅)稲妻。雷。
sky'a{名:スキュア <*s^ku+【ya-】}
1. 番人、門番、歩哨。
2. 剣士。
3. 騎兵、短弓の使い手。
s^lha_vin{動:シュラーヴィン、シュハーヴィン <【s^a-】+VAE+【avin】}
1. 共感する。共鳴する。
2. 情けをかける。哀れに思う。
3. (仏典)慈悲をたれる。慈悲心を持つ。
s^lha_vna{名:シュラーヴナ、シュハーヴナ <【s^lha_vin】}
1. 慈悲心。情け。→類義語【sauya】、【sa_ya】を参照。
  転輪経典によれば、s^lha_vnaは行為によって共有される感情であるのに対し、sauyaは経験の結果として到達する認識であるという。
2. 共感、共鳴。友愛心。
s^lossin{動:シュロッシン <s^los-<SEL+LOS}
1. 聴く。耳をかたむける。
2. 理解する。聡くある。
3.(古)かき集める。抱きしめる。→【yassin】を参照。
s^lu_zkin{動:シュルーズキン <【s^a-】+【lu_z】+【kin】}
1. (雅)戦をする。戦う。
s^na_nn{名:シュナ−ン <*kyn-<K^WEN →印欧祖語K^WON:ラテン語canis、ギリシャ語kyon、ソグド語'kwt-}
1.(大型の)飼い犬。
s^na_y'{名:シュナーユ}
1. ナーユ天女に対して用いられる疑問代名詞:「天女である誰が〜か?」
s^non{名:シュノン <*kyn-on<K^WEN →印欧祖語K^WON}
1.(古)犬、犬狼。【イシュカ観音】伝承においては、人語を解し、迷える旅人を導いたとされる。
2. 野生の犬。→【s^na_nn】【as^gau】を参照。
so_va{名:ソーヴァ <SOw}
1. ささやき。小声。
2. (古)片言。短い一言。ある種の予兆として、なにげなく口の端にのぼる言葉。
sovdin{動:ソヴディン <*sov+【din】}
1. ざわめく。
2. 落ち着かずにうごきまわる。
sovnin{動:ソヴニン <*sov+【nin】}
1. かすかな音をたてる。ざわめく。
2. ささやく。
3. 噂をする。
s^rv{名:シュウヴ、シュルヴ}
1. 疑問代名詞:「いつ〜か?」。
srya{スウヤ <*esr-}
1. 機織り、またその道具。
2. 機織りの梭(ひ)。
stalkin{動:スタルキン <【stalo】}
1. 堅くする。
2. (剣などを)鍛える。
stalo{形:スタロ <STAU}
1. 堅固な、頑固な。
2. 硬い、硬質の。
stav{形:スタヴ <STAU}
1. 固形の。固い。
2. 不変の。
3. 形式的な。格式張った。
s^udin{動:シューディン <*y`s^}
1. 集まる。
2. 並んで立つ。
3. 共に戦う。
sugna{名:スグナ <*sv- →ラテン語silva「木、森」}
1. 森。
2. 樹木。
sugna_s^{名:スグナーシュ <sugna+as^}
1. 森林、森林地帯。
2. {固有)「森の国」:クシュカの北方に位置する領土。
Su_jna{固有:スージュナ <【su_y'na】}
1. 現在のアラル海。
sukh{形:スク、スフ}
1. 南の。
sulvin{動:スルヴィン <*suvlin<*svi-}
1. 通過する。通り抜ける。
s^u_na{名:シューナ}
1. 自由。自在な状態。
2. (固有)キアンダーユ王子の武勲詩に登場する村娘。流浪する王子一行を救って命を落とした。【ナナン=ズィル菩薩神】の化身とされる。エルン語ではスウネSuwne、ジェッサ語ではジューナJuna。
s^unagha{名:シューナハ、シューナガ <サンスクリット語s^uniya}
1. (仏典)空。空虚。不在、または不在自体の不在。
2. 空集合。
sus^{名:スーシュ <*su+【-as^】 →古高地ゲルマン語sund「南」、古英語sunne「太陽」}
1. 南、南方。
2. 南国。
s^us{代:シュース}
1. 疑問代名詞:「どこが〜か?」。
suva{名:スーヴァ <svr* →古ノルディック語fisa「風が吹く」、ラテン語spirare「吹く」}
1. 風。
suvin{動:スヴィン、スーヴィン}
1. 吹く。
2. 風が吹く。
suy`{名:スーユ <*su- →古英語sunu}
1. 息子。
suya{名:スーヤ}
→【srya】に同じ。
suz{名:スーズ <分詞語幹*sud-「灰色の、灰のような」<SeD「鉄の滓、鉄に関する生成物、青灰色」 →古スラヴ語sedra「鍾乳石」、古高地ゲルマン語sintar「鉄屑」、古英語sinder「灰色」}
1. 澱、滓。
2. 製鉄の際に発生する残余物、またそれを発生させる製鉄技術。
s^uz{代:シュズ}
1. 無生物に用いる疑問代名詞:「何が〜か?」。
s^va{代:シュヴァ}
1. 人物、生物などに用いる疑問代名詞:「誰が〜か?」。
Sverska{固有:スヴェルスカ <*Srveyeska<ESR+VAE+YESE}
1. クシュカ帝国黎明期の伝説的な王女。【サーリュズ】の五女、【ウルンシャウズ白幡侯】の妻。別名エスリェンカEslyenka「外海を求める娘」。
 スヴェルスカ王女はその長い放浪と処女懐胎によって最もよく知られている。疫病を避けるための出産禁忌(「陸の上でも水の上でも赤子を産んではならない」)を与えられた彼女は、放浪の旅の末、常に半ば水中に没している浮島に辿り着き、ペンヴァーユPenvay`とパンディーユPandiy`の双子の王子・王女を産んだとされる。
 名前の語源からは、脚または踝を人為的に折るなどして生贄をささげる祭祀が嘗てあったことを想像させる。あるいは巫女として神に仕える乙女であったのかもしれない。もうひとつの呼び名「エスリェンカ」については、渡り鳥との関連が指摘されている。
Sve_ska{固有:スヴェースカ}
→【Sverska】に同じ。
s^zau{代:シュザウ}
1. 疑問代名詞:「どれが〜か?」。
taitin{動:タイティン <tautin<tavdin<*tav-}
1. 渡る、越える。
2. 向こう岸へ行く。
3. (雅)みまかる。逝去する。
takh{接続:タハ、タク}
1. 逆接の接続詞:「しかし〜」「だが〜」「〜だとしても〜」。
takva{名:タクヴァ}
1. 台。杯などを置く平坦な場所、または卓。
tarra{名:ターラ <targh<*tra- ←→【taurrin】}
1. 流れ。たゆたい。
2. 無為。
3. (仏典)無縁。
tas^{名:タシュ →ラテン語terra「土地」、古イラン語-stan「国土、土地」}
1. 場所。
2. 地点、地所:「〜の地」。
3. 領域、国、国土。
tatvay`{名:タトヴァーユ}
1. 異界。楽園。桃源郷。
2. 満ち足りた状態。
3. 財源。
4. 源流。水源。
tau{代:タウ}
1. 二人称単数の代名詞:「あなた」「きみ」。属格はtagh。
taudin{動:タウディン <*tau-<*tav-}
1. 果てる。終わる。
2. 済む。完了する。
3. 至る。到着する。
taurrin{動:タリン}
1. 流れる。流れるように動く。たゆたう。
2. (自身以外の動因によって)動く。
3. (仏典)無為である。因や縁を生じさせない状態にある。
tauya{名:タウヤ <tau-<*tav- ←→【tva】}
1. 結界として描かれた線。
2. (転用)護り手。守護者。
tauz{名:タウズ <*tau-<*tav- →ラテン語terminus「境界、終わり、果て」、ギリシャ語termo`n「端、境界」}
1. 涯。
2. 終わり、端、末端。
3. (固有名詞)「果つる時」:イスキュア神話哲学において、時間と空間が終焉する地点または時点。
tauzav{形:タウザヴ <【tauzin】}
1. 果ての、終わりの。
2. 最後の。
-tav{接尾辞:タヴ、タウ <tin<*tva-}
1. 名詞または形容詞幹に付いて、充足された状態をあらわす:「〜に満ちた」「〜で一杯の」。
2. 名詞または形容詞幹に付いて、配置の完了をあらわす:「〜が置かれた」「〜付きの」「〜持ちの」。
tava{名:タヴァ <*tav- →サンスクリット語tarati「彼は渡る」、ラテン語trans「越える」}
1. 津、渡し。
2. 境、境界、境界線。
tavau{名:タヴァウ ←→【tva】、【atvau】}
1. 大通り。大路。
tavdin{動:タヴディン <*tav-}
1. 勝ち取る。得る。
2. 所有する資格を得る。
3. 財を得る。
tavenday`、tavnday`{名:タヴェンダーユ、タヴンダーユ <tavain+day`}
1. 皇子、皇女、クシュカ帝国の皇位継承者:原義「やがて勝ち取る者」。
2. 継承者。後継者。
taw{名:タウ <【tavau】}
1. 街区。区画。都市の一角。
te{接続:テ →サンスクリット語atha}
1. 連続をあらわす接続詞:「そして」。
2. 並列をあらわす接続詞:「ならびに」。
tin{動:ティン →ギリシャ語tithenai「置く」、古高地ゲルマン語tuon「おこなう」}
1. 置く。
2. 済ませる。終える。完了する。
tova{名:トーヴァ ←→【tva】、【tava】}
1. (仏典)菩薩。原義「(彼岸へ)渡る者」?
trav{形:トラヴ <【taurrin】}
1. 無縁の。無頓着な。
tri_gha{名:トゥリーガ}
1. 茨。
2. 棘。棘状のもの。
Tu~venkay`{固有:トゥーヴェンカーユ <tuvin+kay`:「回転する車輪」}
1. 転輪乗経典。
tugna{名:トゥグナ →ラテン語tonere「雷鳴が鳴る」、古英語thunor「雷鳴」}
1. 雷鳴。
tuin{動:トゥーイン <tin?}
1. 待つ。
2. 残る。とどまる。
-tul{}
→【-dul】を参照。
tumm{名:トゥム <分詞語幹*tu-「不動の」<Te「配置、安置、静止」 →【tin】}
1. 山、峰。→類義語【mugna】を参照。
2. (集合的に)山岳地帯。山国。
tu_rh、tu_rhu{名:トゥール <語源不明:東アジア諸語の*tu-、oto、to、古代中国語tho^等と関連ありか}
1. 虎。
turz{名:トゥアズ <*tu-}
1. 鐘。
turzav{形:トゥルザヴ <【turzin】}
1. 回転している。まわっている。
2. 転変する。変化する。
turzin{動:トゥルズィン <*tur-}
1. 回転する。まわる。
tuskau{名:トゥスカウ}
1. 変形。変容。
tuska_vin{動:トゥスカーヴィン <【tuskau】+【vin】}
1. 変身する。変形する。
Tu_venkalku_va{固有:トゥーヴェンカルクーヴァ}
1. (仏典)転輪聖王。「車輪の王Kalku_va」とも呼ばれる。正覚に依らずして、剣の技をもって三千世界を縦横に駆けることのできる神話的な戦士王。天空遊行者の最高位にあたる。
tuvenkus^{名:トゥーヴェンクーシュ ←→【kis^】、【ksin】、【tuvenkay`】}
1. 天空遊行、または天涯遊行。転輪乗経典によれば「三千世界を往来し、あまたの異界の神仏天仙金銀財宝を招来する術」を意味する。アシュナーズル帝の母であるヒアンカはこの技を用いることで一夜にして【帝都アシュナ】を建立したとされる。
Tu_venniya{固有:トゥーヴェンニヤ <【tu_vin】「回転する」}
1. 【キアンダーユ】と【アリアヌーユ】両王子の母、【ヴィルナ女王】の孫。
tu_vin{動:トゥーヴィン →ギリシャ語atraktos「紡ぎ車」、英語torture「拷問する」}
1. 回転を与える。まわす。
tuvlo{形:トゥヴロ ←→【tuvin】}
1. 丸い。円形の。
2. (古)回転する。環状の。
tuya{名:トゥーヤ <tuvin}
1. 糸。
tva{前置:トヴァ <*tav-}
1. 対格に先行して、運動の経路や過程をあらわす:「〜を通って」「〜を抜けて」。
tvainin{動:トヴァイニン <【tva】+【nin】}
1. (命令を)執行する。
2. 作業をこなす。おこなう。
3. 運ぶ。
4. 引っぱる。引いて移動させる。
tvakru_in{動:トヴァクルーイン <【tva】+【kru_in】}
1. 切り抜く、斬り抜く。
2. 強引に押し切る。敵陣を突破する。
twegna{名:トゥウェグナ <*twe- ←→tuvin}
1. つむじ風。
u- -kin{動:ウ- キン}
1. 語幹を挟んで、事物の製造や影響をあらわす:「〜をつくる、左右する」「〜を用いる」。
ud{接続:ウドゥ}
1. 仮定または条件を提示する接続:「〜ならば」「もし〜ならば」。
2. 結果や結論を促す接続詞:「では〜」「それならば〜」
udin{動:ウディン <UNTE<TE}
1. 満ちる、満たす。
2. 安定する、安定させる。
ukniskin{動:ウクニースキン <u-kniska-kin}
1. 暗示する。告げるともなしに告げる。
2. たきつける。(疑惑などを)煽る、ふくらませる。
ulga{名:ウルガ <子音脱落と転倒*lg-<強調形*ng-l-「満ち溢れるもの」<名詞語幹*nl-<NeL「満ちる、溢れる」 →【Ingu_ska】【na_y'】を参照}
1. 大釜。
2. (固有名詞)イスキュア神話における咒的器物の一。別名「サスルの旋律」Sasulunluz。禍福いずれをも生み出す巨大な魔法の釜。世界樹スカウズの根元に安置されているという。
ulo{形:ウーロ <*mul-}
1. ゆるやかな。穏やかな。
2. ゆっくりとした。遅い。
3. 脚の遅い。
ulsa{名:ウルサ <*ul-s-<GwHUL}
1. (テントなどの)支柱。
2. つっかえ棒。
3. (古)幡竿。
ulvin{動:ウルヴィン <*ul-v-<G^HUL}
1. 架ける:支持棒などを用いて、空へ掲げる。
2. 誓う。忠誠の誓いをたてる。またその証を示すべく、戦旗を掲げる。
umdin{動:ウムディン <umnin<nin}
1. 所有する。持つ。
2. 保持する。固定する。
unaukin{動:ウナウキン}
1. 帆走する。
unik{名:ウニク <unuk<unuks^ →ギリシャ語onyx「爪」、ラテン語ungulis「爪」}
1. 爪、とくに肉食獣の爪。
unnelu{名:ウンネル <*u_nu- ←→【unuya】}
1. (悪さをする)小精霊。集合名詞はウンネヴェルunnevel。
unuya{名:ウヌヤ <*u_nu-<NdUH’ ←→【dunau】【dunin】【adu_rrin】}
1. 歪み。よこしま。
2. 小ささ、奇矯さ。
ur-{接頭:ウル}
1. 動詞の語頭について行動の不可避や必然をあらわす:「〜しなければならない、〜すべきである」。
2. 未来形動詞の頭について運命や不可避的事態をあらわす:「〜することになる」。
urdas^{名:ウルダシュ udras^<pudras^<puzr+tas^}
1. 要塞、砦。
2. 野営地。
urdau{名:ウルダウ <urz}
1. 王太子。
2. 軍事指揮官。千人隊長。→【melzann】を参照。
Urghon{固有:ウルゴン <*urkh-「北方」+-on}
1. 帝都【アシュナ】の北〜北西部を流れる河。
urk{名:ウルク →古イラン語*rukhsh「白、北」}
1. 北、北方。
urmm{名:ウルム <UR「極光、曙、兆し、朝」}
1. 日、一日。
urna{名:ウルナ}
1. 白。
Urnadu{固有:ウルナードゥ}
1. イスキュア神話において、宇宙侵入神を傷つけることのできる大剣。
urnav{形:ウルナウ}
1. 白い。
urnka{名:ウルンカ <*urn-}
1. 極光。
2. (雅)絹。
Urns^auz{固有:ウルンシャウズ <urn-「白」+s^auz「旗、幡」}
1. 【四大氏族Velkve_da】の一つを統治する【エムロッハ家Vel Emlokhien】の開祖。【有情公ニルズ=ネヴィエンNilz-Nevien】の長男。白幡侯。
urrav{形:ウラヴ、ウーラヴ}
1. 北の、北方の。
urres-/urress-/urrez-/urres^-{接頭:ウレス− <ur-+es-}
1. 可能+必然の接頭辞:「〜できるべきである、できなければならない」。
urrugh{名:ウルグ、ウールグ}
1. 朝、朝焼け。
2. 輝き。
urz{名:ウルズ <wurz<*wru-}
1. 貴族。
2. (古)王、族長:原義「毛皮を帯びた者」。
-urz{接尾:ウルズ、ウーズ}
1. 王族・貴族の男子人名に用いられる接尾辞。「〜の貴公子」の意。
us^k{名:ウシュク <*us^kau<*us^pa →ラテン語equus、サンスクリット語a`sva、スキタイ語asp}
1. 馬、牡馬。
us^ka{名:ウシュカ}
1. 雌馬。
uskelin{動:ウスケーリン}
1. そそり立つ。
2. 優越する。上回る。
us^kuva{複合:ウシュクーヴァ <us^tkuva<us^ten-kuva「馬の王」}
1. 騎馬の巧者への尊称。
2. (固有名詞)イスキュア神話において、【アクシャーザ】の供をつとめる十人の騎兵長(複数形usk^vanuウシュクヴァーヌ、集合名詞us`kuveuウシュクーヴェウ)。【ナーユ天女】たちを娶らんとして三千世界を鳴動させる大戦をくりひろげたという。
3. 高位の貴族の子弟、貴公子、またその尊称。
4. (古)帝国辺境領の王や王族。
us^lav{形:ウシュラヴ <*s^u_-}
1. 自由な。自在な。
us^vin{動:ウシュヴィン <*s^u_-}
1. 解き放つ、解放する。自由にする。
usvin{動:ウスヴィン <【uswin】}
1. 満たす。満杯にする。
uswin{動:ウスウィン <*usva-}
1. 満ちる。満杯になる。
-uvna{接尾}
→【-ovna】を参照。
uya{代:ウーヤ}
1. 一人称単数の代名詞:「わたし」。属格はuyagh。
uya_kin{動:ウヤーキン <*u-iau-kin<YAW ←→【Aks^a_aza】}
1. 戻る、帰る。
uye{代:ウーイェ}
1. 一人称複数の代名詞:「わたしたち」「我々」。属格はyegh。
uzavday`{名:ウザヴダーユ <uzavkin+-day`}
1. 剣の師匠。剣の達人。
2. 師範。教師。
3. 名人。
uzavkin{動:ウザヴキン、ウザーヴキン}
1. 刀剣を操る。
uzlin{動:ウズリン <?*u+*zel-}
1. 崩す。粉々にする。
2. 破壊する。
uzma_nn{名:ウズマーン <*uz+mana-<*wu-}
1. 見張り番。原義「吼える者」か。
2. (雅)剣士【sky'a】の婉曲な表現。
Uzna{固有:ウズナ <*zn- ←→【asnin】}
1. 【ジェッサ王家】の王、【ダグ=アシュガウ】の嫡孫、【キアンダーユ】の(父方の)祖父。【イルン=ギフ老王】の仇敵。【ナウク】の民とジェッサ氏族との対立を決定的にした「ウズナ王の狩り」によって知られる。
v{前置:ヴ <【vi】から派生}
1. 属格に先行して行為の動因・起源・作業者などをあらわす:「〜の手になる、〜のせいでおきる、〜のおかげでおきる」。
va-、van-{接頭:ヴァ、ヴァン}
1. 全要素の集合性、汎用性をあらわす接頭辞:「全ての、全てを〜」「あらゆる〜」。
vaday`{名:ヴァダーユ <*vad- →ラテン語pater、ヒンディー語ba`bu`}
1. 父。 父親。
vadekh{形:ヴァデク <vay`}
1. 父の、父親らしい。
2. 源の、起源の、源流の。
vadin{動:ヴァディン}
1. 創る、生み出す。
2. 父親となる、身ごもらせる。
vadru_ga{名:ヴァドゥルーガ <VE+DRUK<DRU →【avin】、【druk】}
1. 拘束、捕縛。
2. 禁忌。
vagn-、van-、vang-{接頭:ヴァグン、ヴァン、ヴァング <*va-<*vae- ←→発音の規則については【agn-】を参照}
1. 特定の、または既知であることを示す:「その、あの、例の、問題の」。
2. 特定の運命を担った人物または事物を示す:「運命の、定められた、峻別された」。古形*va-には「印/徴、個体数の区別確認のための刻み」の意味があったらしい。その刻印は(家畜または奴隷の)踵や踝に付けられたと推測されている。【vein】、【vey`】、【vau】、【vel】などの単語も同じ語幹から派生しているのはこのためである。一説には【ve】、【va-(van-)】など並列や包括性に関係する単語も同一語幹に由来するという。
3. (項目2から派生)後期クシュカ語の定冠詞vanの原型。さらに簡略化されて男性形v、女性形vy`となった。
vagna{名:ヴァグナ <*va-<*vae-}
1. 定め。
vagnin{動:ヴァグニン <【vagna】}
1. 定める。(法や掟を)規定する。
vagnovna{名:ヴァグノーヴナ}
1. 指名。指定。
vailin{動:ヴァイリン <*wai- ←→【-ven】}
1. 訪れる。不定期に近づく。
2. (古)商いをする。交易する。
3. (古)交換する。
Vakhalo_ya{固有:ヴァハローヤ <*Vlakhlkuva<*vlakkha-kuva}
1. イスキュア神話における「門の外の神」の総称(集合名詞はヴァハローヌVakhalo_nuまたはヴァハローヴェルVakhalo_vel)。漢籍においては「磊王(らいおう)」と呼ばれる異神の類。中世日本紀における明神、天神、八幡神、権現などの称号に等しい。
2. 【天界射手アクシャーザ】が最初に戦った東方世界の王子。三面八臂を有し、十万の領土を同時に見渡す聖眼力を駆使する。
vakuin{動:ヴァクーイン <vaku-<*vaka-}
1. 寄る。寄せてくる。
2. 近づく。接近する。
3. にじり寄る。
vananu_ya{名:ヴァナヌーヤ <【va-】+【anu_ya】}
1. 無。無存在。【anu_ya】の強調形。
2. 形容詞比較級の主語に用いられる慣用的複合語:「全く何者も〜ではない」。
3. (仏典)1から転化して、三千世界の内に存在しえない実体をあらわす:「全無者」。多くの場合、反語的に用いられる。
 ※例)
  yakh vananu_ya es-venan vagnekdai!
 「何人たりとも皇帝陛下を傷つける能わず!」
  直訳:「全無者のみが、かの御膝(=皇帝の美称)を手中にした!」
  動詞の過去形は、ここでは一般的事実をあらわすために用いられている。
vandalo{形:ヴァンダロ}
1. 強い。
2. 手ごわい。変えがたい。
vandau{名:ヴァンダウ <*vand-<*vene-}
1. 力。腕力。
2. 権力。
vandav{形:ヴァンダウ}
1. 強い、力に満ちた。
2. 強大な。
3. 支配的な。圧倒的な。
vandin{動:ヴァンディン}
1. 征服する。
vangessemm{名:ヴァンゲッセム <【va-】+【gesau】+屋内接尾辞【-emma】}
1. 悪鬼羅刹の集う場所、または建築物。
2. 歴代皇帝によって邪神が封じられた場所。伏魔殿。
vanin{動:ヴァーニン <*wai-}
1. 癒す。治す。
2. 鎮める。熱を冷ます。
3. 教え諭す。説法をする。
4. (古)薬を与える。ほどこす。
5. (古)薬を調合する。
vanu{名:ヴァーヌ <【vanin】}
1. 男性の治療師。シャーマン。「傷を癒す者vanay` gdai」。
2. 薬師。医者。
3. (仏典)薬師如来のクシュカ語訳。
vardai_mn{名:ヴァルダイーム <*varz-+da_y'の未来完了形}
1. (仏典)正覚に至るべき者。菩薩。
varraduy`{名:ヴァラドゥーユ}
1. 熊の異称。熊神。原義「掌(の爪)によって狩りを終える者」。
Varraduz{固有:ヴァラドゥーズ}
1. イスキュア神話における【天界十騎Us^kvanu】の一。半獣女戦士【イングースカ】をうち負かしてこれを娶った。
varza{名:ヴァルザ <*varz-<サンスクリット語bhoddi-}
1. (仏典)正覚者。悟りを得て三千世界の外へ出る技を得た者。男性を特にあらわす場合はvarz。
2. 釈迦。
3. (古)悟り。正覚。
vas{前置:ヴァス <*vs-}
1. 属格に先行して、限定的な場所や位置をあらわす:「〜において、〜の一点で」。
2. 属格に先行して、内部位置をあらわす:「〜の中で、の内において」。
vas^{名:ヴァシュ ←→baza}
1. 底。最下層部。
2. 底部。底面。
3. 水底。
4. 谷底。
vas^kna{名:ヴァシュクナ ←→【vasna】、【yavos^】、【vos】、【vossin】等を参照}
1. 帝国。原意「結びつけるもの」。
2. クシュカ帝国の尊称。
Vas^lossay`{固有:ヴァシュロッサーユ}
1. (仏典)観世音菩薩、観自在菩薩。原義「凡てを聴く者」。
vasna{名:ヴァスナ <*vos-}
1. 虹。
vasnakkhin{動:ヴァスナッヒン <【vas】+【nakhin】}
1. 理解する。(要点を)把握する。→類義語【asnin】、【s^lossin】を参照。
2. 会得する。
vassa{名:ヴァッサ <varzgna<サンスクリット語bhudda}
1. (仏典)如来。仏。彼岸に在る者。
vau{名:ヴァウ ←→【vaya】}
1. 人。
2. 男。
3. 行為者。存在者。 →接尾辞【-au】を参照。
vaukday`{名:ヴァウクダーユ}
1. 屋敷の主人。原意「歓待する者」。
2. 氏族の長。
vaukin{動:ヴァウキン <u-*auk-kin}
1. 歓待する。原意「(瞼を)開く→扉を開ける」。
2. 宴を設けて、もてなす。
vaya{名:ヴァヤ、ヴァーヤ ←→【vau】}
1. 女。
vdu_ka{名:ヴドゥーカ <【av】+【du_kin】<*duk<*ty`k<古代漢語tiuk「竹」}
1. 文字。
2. 記録。書物。
ve{接続:ヴェ}
1. 並列をあらわす接続詞:「〜ならびに〜」。
2. 動作の前後関係をあらわす接続詞:「〜してから、〜する」。
vegna{名:ヴェグナ <*vegn-<*ven-}
1. 狩り、狩猟。
2. 狩りの対象。獲物。
Vegna v Uznen{固有:ヴェグナ・ヴ・ウズネン ←→【Uzna】}
1. 「ウズナ王の狩り」:直訳「ウズナの手になる狩猟/獲物」。Vegna za Uzneg(直訳「ウズナより出づる狩り」)とも呼ばれる。
vegnin{動:ヴェグニン}
1. 狩る。
2. 追う。追い立てる。
3. 急かす。駆る。
vekhin{動:ヴェヒン <*vae-}
1. (足首を)捉える。掴む。
2. 捕まえる。捕らえる。
veksa{名:ヴェクサ}
1. 声。呼び声。
2. 召集(の鐘または発声)。
vekuin{動:ヴェクーイン <*vek-<*wok- →ラテン語vocere「呼ぶ」、ギリシャ語epos「声」echo「こだま」}
1. 呼ぶ。呼びかける。
2. 声を発する。
vel{名:ヴェル 稀にveuヴェウ}
1. 氏族、血族集団。
2. 多数の集まり、群衆。
3. 人間集団をあらわす接尾辞:「〜族、〜団」。
vely`a{名:ヴェーリャ ←→【vel】}
1. 女性の集団。
2. 女騎士団の俗称。
velyozna{名:ヴェリョーズナ <【vel】+【yozna】}
1. 突撃隊長。
2. (古)代表者:原義「血族の(中から選ばれた)一人」。元来は祭祀の生贄に関係する単語か。
3. 皇帝に、悪い知らせや諫言を告げるための官職。また、その職にある者。主に成人前の処女が用いられ、ただ一度、一言を告げたのち、背中に徴を与えられてから職を解かれた。
-ven{接尾:ヴェン <wene<*wai- ←→【vainin】、【vailin】}
1. クシュカ語の(古風な)人名に用いられる語尾。エルン語では-wen。一般にはあまり使われず、武勲詩に登場する英雄騎士などに幾つか例がある。元来のかたち*wai-の意味は「黄金の血液を流通させる者」であったらしい(クシュカ語における黄金と血液の相同性については【ambrey`】、【ambrunau】、【Ladas^】、【sagna】、【Y`lsagna】などを参照)。
 *wai-は、古クシュカ語では神仏接尾辞-kna/-gnaが付加されて*waignaとなり、女性形*gaugnaと併せて用いられるのが常であったと思われる。*waignaは「訪れて癒す小神」、*gaugnaは「奪い与える大地母神」を意味していたが、前者は次第に廃れて接尾辞として残るのみであり、後者は省略形【gauna】となっている。
venau{名:ヴェナウ}
1. 勝利。
2. 獲得。
venauz{名:ヴェナウズ <venau-<*vene-}
1. 宝物。財宝。
2. 金属製のメダル、首飾り。
venav{形:ヴェナウ <*venu-}
1. 勝利の。勝利した。
venday`{名:ヴェンダーユ}
1. 勝者。勝利者。
venin{動:ヴェニン}
1. 得る。
2. つかまえる。手中にする。
3. 勝つ。
vensa{名:ヴェンサ <*ven-}
1. 獣脂。
venukin{動:ヴェヌキン <*venu-<*ven-}
1. 勝利する。勝ち取る。
2. 獲得する。
venus^{名:ヴェヌーシュ}
1. 勝利。
2. (古)勝者の座る高台。
3. (雅)玉座。
verrunin{動:ヴェルーニン}
1. 恐れる。恐怖する。
verz{名:ヴェルズ <*phagh-}
1. 恐れ。恐怖。
2. 畏怖。
vey`{名:ヴェーユ <*vae-「足首より下、踵」}
1. 足枷。
2. 人質。囚人。囚われ人。
vez{名:ヴェーズ →ギリシャ語pous、ラテン語pes、ped-}
1. 足。
2. 歩行、徒歩。
vezna{名:ヴェズナ ←→【vez】}
1. 富。豊かさ。
2. 財力。
veznau{名:ヴェズナウ <vezn-<*vezne-<*vene-}
1. 主君。殿。
2. 富裕者。
veznav{形:ヴェズナヴ}
1. 豊富な。
2. 裕福な。金持ちの。
vi{前置:ヴィ}
1. 対格に先行して行為の手段・道具・経路などをあらわす:「〜によって、を用いて」「〜を通じて」。
2. 属格に先行して、所有関係をあらわす:「〜を所有する、を手にした」。
Vilgna{固有:ヴィルグナ}
1. イスキュア神話における重要な神格。夜と月と北方の守護神、野を駆けるあらゆる獣の女主人、時の領有者。八十人の巫女を連れて深夜の森を疾駆し、英雄に跡継ぎまたは苦悶の死のいずれかを賜る。英雄【パーンドゥシュ】と争った際には三面の巨獣に変化したとされる。
virdanu{名:ヴィルダーヌ <*vir-+*dak-}
1. 天秤。元来は集合名詞。
virdaska{名:ヴィルダスカ}
1. (古)天秤。
2. 天秤の腕(の一端)。
virkh{接続:ヴィルク、ヴィルハ <vi+wirg「それ・によって」}
1. 因果関係や論理的結論を引き出す接続詞:「〜ゆえに、〜である」。
2. 不可避の運命的結果を示す接続詞:「かくして〜」「ゆえに〜」。
virkhin{動:ヴィルヒン <*virri-}
1. 矢を射る。
2. 参戦する。参じる。
Virna{固有:ヴィルナ <*vir-}
1. 「塔の姫君Akhvizl」として知られる、【エルン王家Ernvel】の初代女王。エルン語ではウィルネWirne。廃嫡者エルナスカウErnaskauの娘、ナーイェンカNayenka女王の姉。叔母エルナーユErnay`によって養育されるが、エルナスカウの血統を憎む郎党の執拗な襲撃に遭い、ついには【ザウルヴェーグ島】の塔に七年間幽閉された。サロッハ継承戦争の後、女帝アシュナーズルによって【アシュナ】北辺の統治、【ウルゴン河】の治水、ならびに転輪僧院の管理を命ぜられた。
virnuin{動:ヴィルヌーイン <virri-nuvin「弓を手にとる」}
1. 参戦する。
2. 召集に応じて参上する。
virrimm{名:ヴィリム <*virri-<*vir-}
1. 弧。
2. 弓。
virroy`{名:ヴィローユ <【virrimn】}
1. 射手。
2. (雅)戦士、騎士。
Virroy`{固有:ヴィローユ}
1. 転輪乗経典に記された、神話的な射手。時の河アユンザーラAy`nzarraをくだる【時空巨獣ガーユヴァGay`va】の尾の付け根に位置し、巨獣の頸に座る【御者ハルゾンHarzon】の心臓を狙って矢をつがえている。彼の矢が放たれた時こそが【釈迦世界】をふくむ三千世界の終焉の日である。
viryeon{名:ヴィリェーオン}
1. 射手。弓の使い手。
vis^ka{代:ヴィシュカ <vi+*s^k-}
1. 原因に対する疑問代名詞:「なぜ〜か?」。
viy`{名:ヴィーユ <*vir- →サンスクリット語vati「風」、スウェーデン語vinge「翼」、英語wing「翼」}
1. 翼、鳥の翼。
viya_lu{名:ヴィヤール <【viyas】+LAU}
1. 酒袋。元来は葡萄酒を入れるための袋や筒を指した。
viyas{名:ヴィヤス、ヴィーヤス <*ui-+iaz →ラテン語vinum、ギリシャ語oinos}
1. ワイン。葡萄酒。
Vlauzon{固有:ヴラウゾン <*vlav-+【-zon】}
1. イスキュア神話において、最初の王ウルンクーヴァUlnkuvaが統治する土地を流れていた二つの大河の一。古典クシュカ語では磊江ヴァウリダーンVaulidannと呼ばれる。炎の泉アヤウ=クノルトAyau-Knoltを源流とし、コヴァウKhovauの湿地において【腐川フラウゴン】と合流した。【帝都アシュナ】の建立に際して付け替えがおこなわれ、ヴラウゾンは「七つに引き裂かれて内裏をとりまく水路と化した」。磊江には八人の【ナーユ天女】が棲みついていたが、付け替えによってその一人【アヤヴナーユ】は命を落とし、ために内裏の北西には彼女の怨念がとどまって帝国最後の日を予言したという。
vlka{名:ヴルカ <*vult-<WELT →印欧祖語WELT「森」}
1. 悪霊の巣くう領域:「危険の地」。
2. 呪われた品物、特に遺物。
vls{名:ヴルス、ウルス <*vil-}
1. 森、放牧地でない土地。
2. 荒れ野。砂漠、ツンドラ地帯。
vltegh{形:ヴルテグ <【vlka】}
1. 危険な、野生の:主に慣用句で用いられる不規則形容詞。
vnaki_mm{名:ヴナキーム <*vne-+【kilmm】<MBENE+KI}
1. (睡眠中の)夢。
2. (雅)夜、夜の王国。
vo{前置:ヴォ}
1. 対格に先行して下部・下方の位置をあらわす:「〜の下の、の下に」。
2. 対格に先行して被所有・服従の関係をあらわす:「〜のもとで」。
volo{形:ヴォロ <*uol-}
1. 青い。青灰色の。
volos^{名:ヴォロシュ、ヴォローシュ <*uokh-}
1. 青、青灰色。語幹は*uokhで、のちに-lo形容詞の変化から類推されてvolo/volos^/volos^aの派生語を生み出したが、本来のかたちではない。
volos^a{名:ヴォローシャ}
1. (雅)狼。 →【as^gau】を参照。
 「狼たち(から)の忠誠 olos^volos^anga」というクシュカ語の定型句は、元来は頭韻に影響された冗談として始まったとみられるが、のちには帝国騎士たちの勇猛さをあらわす表現として定着した。
 ※例文)   Beizl olojnai volos^anga vi Yavuskai Balen venukan.
 「〈【大門】の戦い〉によって、その【戦乙女Beizl】は狼たちの忠誠を勝ち取った(=鬼神も驚くほどの活躍をみせた)」
vone_s^a{名:ヴォネーシャ <*vono-}
1. 
vonova{名:ヴォノーヴァ <vanovna<vanevnovna<va-nevin<*va-<*vae-}
1. 刺青。「肌の綾織りwirka akh eolen」。
vorz{名:ヴォルズ}
1. 西。西方。
Vorzakhva{固有:ヴォルザクヴァ <【vorz】+【akhva】}
1. 帝都【アシュナ】の西門を見張る塔。
vos^{名:ヴォシュ}
1. 同盟。
2. 盟約。
3. 同胞。戦友。
vossa{名:ヴォッサ}
1. 橋。
vossav{形:ヴォッサヴ}
1. 結ばれた、つながった。
vossin{動:ヴォッスィン}
1. 結ぶ、つなぐ。
2. 橋渡しをする。
3. 旅をする、越境する。
vrauk{名:ヴラウク <*vrakna<*vrekn- →ラテン語regere}
1. 直線、まっすぐな道。
2. 道程、旅。
vrawph{名:ヴラウフ →古英語hraefn、古高地ゲルマン語hraban、アイスランド語hrafn}
1. 鴉、オオガラス。
vregh{名:ヴレーグ →サンスクリット語ravhas「暴力」、ラテン語ravere「狂う」}
1. 狂乱。
2. (精神的)混乱、錯乱。
vreglo{形:ヴレグロ}
1. 狂える、惑える。
2. 粗暴な。暴力的な。乱暴な。
vrekha{名:ヴレッハ <*vrekn-}
1. 統治者。
2. 道、街道、とくに都市間の通商路。
vrekhav{形:ヴレーカヴ、ヴレーハヴ}
1. 王の。王に属する。
vre_mm{名:ヴレーム}
1. 薔薇。
vrigna{名:ヴリグナ <*vrekn- →ラテン語regere「まっすぐ導く」regimen「統治」、古ノルディック語reg-、rag-「神」}
1. 統治、支配。
vrignav{形:ヴリグナヴ}
1. 直線状の、線上の。
2. 行程上の。
3. 統治の。統治上の。
vrignin{動:ヴリグニン}
1. 統治する。
2. まっすぐに並べる、列をつくる。
vrondin{動:ヴロンディン <*vrod-+【din】}
1. 転がる、転げる。
2. 転がり落ちる。
Vroznoska{固有:ヴロズノースカ <*vrod-+*noz-}
1. 宇宙変成峰【スコヴロームナ】の南面を構成する広大な崖、ならびにその下の斜面の総称。天空射手【アクシャーザAks^a_aza】が九十九度登頂を試みて果たせず、ついに百度目に【ナーユ天女na_y'】らの助力を得て踏破したことで知られる。
vruin{動:ヴルーイン <*wru-}
1. 毛皮をまとう。
2. 毛深くなる。
vruv{形:ヴルーヴ}
1. 毛深い。
vry'_z{名:ヴリューズ <WRU+【y'z】 ←→【vru_in】}
1. 翡翠。【ヴィルグナ女神】を象徴する貴石として【クシュカ】の領内全域で珍重された。
vu_za{名:ヴ−ザ <*viz-<WEDHU ←→【a_y'】}
1. 時、時間。
2. 過去。昔。
vzau{名:ヴザウ <uzavday`}
1. 師匠。
2. 指導者。「率いる者」。
wendin{動:ウェンディン <*venu-}
1. 追い越す。有利な位置に置く。
2. 超越する。
3. (雅)勝利する。
wenzin{動:ウェンズィン <*venu-}
1. 優越する。有利になる。
wirka{名:ウィルカ}
1. 模様、とくに織物の複雑な模様。綾織り。
y`{前置:ユ <eb* →ラテン語ob、ギリシャ語epi}
1. 属格に先行しておおよその場所や位置をあらわす:「〜あたりの、のまわりの、における」。
2. 同じく、隣接する位置をあらわす:「〜の横の、隣の」。
3. 同じく、背後の位置または直後の時間をあらわす:「〜の後ろの、のあとの」。
ya-{接頭辞:ヤ →ラテン語re-}
1. 動詞語幹の頭について、再現や繰り返しをあらわす:「再び〜する」。
2. 同じく、動作などのやり直しをあらわす:「あらたに〜する」。
ya{前置:ヤ}
1. 奪格に先行して、対置や反対方向の意味をあらわす:「〜に対して、に対抗して、と反対向きの」。
2. 帰還や反転などをあらわす:「再び〜へ、再び〜から」。
ya_gha{名:ヤーガ、ヤーワ <天女語ye-<YEG^H}
1.(仏典)空虚、空。【arva】が日常的な「欠如」について用いられ、【anu_ya】や【anas^】が「非在」を意味するのに対して、ya_ghaは「認識の外」「非在の非在」をあらわす極度に抽象的な単語。
yagnuin{動:ヤグヌーイン <i-agn-uin}
1. 殲滅する。滅ぼす。
2. 無力化する。
yagolkin{動:ヤゴルキン <【ya-】+【golkin】}
1. 反論する、反駁する。
yajla_ve{副:ヤジュラーヴェ、ヤジラーヴェ <yauzla_ve<【yauzlav】}
1. 動詞・形容詞・他の副詞を強調する:「まさに、まさしく、本当に」。
yakh{副、接続 :ヤハ、ヤッハ ←→ekn}
1. 只。ただ〜のみ。
2. ひとえに。
3. 唯。唯一。
4. 逆接の接続詞:「しかし」「ただし」。主に、唯一の反証や限定的条件を挙げる際に用いられる。
yalin{動:ヤリン <【ya-】+【lin】}
1. 戻る。帰る。帰還する。
yanin{動:ヤニン <【yalin】}
1. 取り戻す。取り返す。
yas^{名:ヤシュ <y`s^}
1. 集団、仲間。集まったもの。
2. (特定の目的のためにつどった)構成員、人員。
yaskau{名:ヤスカウ <【ya】「再び、〜に対して」+【skau】「かたち、様相」}
1. 答。解答。
2. 結果。結末。
yaska_win{動:ヤスカーウィン <【ya-】+【ska_win】}
1. 再生する。
2. 元通りになる。復活する。
3. やり直す。
yasku_in{動:ヤスクーイン <【ya-】+【sku_in】}
1. 回想する。
yassa{名:ヤッサ <【yassin】}
1. 正しさ。正しいこと。
2. 正しいおこない。
3. 道理。正道。
yassav{形:ヤッサヴ <【yassin】}
1. (道徳的に)正しい。
yassin{動:ヤッスィン <*las-<LOS}
1. 正しくある。正しいおこないをする。
2. (古)まごころを込める。誠を尽くす。
yauya{名:ヤウヤ <*yos-<*yese-}
1. 生贄。
2. 生贄のための家畜、とくに仔羊。
yauz{名:ヤウズ <YAU}
1. 真実。
2. 真相。
3. 本物。真正のもの。
yauzlav{形:ヤウズラヴ}
1. 真実の。本当の。
yavin{動:ヤヴィン <【ya-】+【avin】}
1. 返す。戻す。返還する。←→類義語【yalin】を参照。
  ※例文:
   yaland silvel korlanta nu_g,
   yavand s^audai ku_vandana_ln.
  「星々は漆黒の夜へと還り、天女らは戦旗を王たち(のもと)へ返した」
  イスキュア断章の4-24:パーンドゥシュ武勲詩の終結部をはじめ、多くの叙事詩で用いられる韻文。戦争の終わりを暗示する定型句の一つ。
yavo~jeon{名:ヤヴォージェオン}
1. 狂戦士。「いくさを好む者」。
2. お祭り好き。
3. クシュカ古典演劇において、事態の展開を図らずも促進する道化役。
yavuska{名:ヤヴースカ <【ya】+*vos-}
1. 戦争。いくさ。
2. 大戦。【帝都アシュナ】の内裏の壁に記される、帝国をゆるがす規模の戦争。【「記されるべきものKhadukevdau」】。
3. 大きな市場。交易地。
4. 駐留地。また、そこに駐留する軍隊。
5. (転用)商い。大きな取引。
yavuzin{動:ヤヴーズィン <【yavuska】}
1. 戦う。(大きな)戦争に参加する。
2. 交易する。あきなう。
3. 儲ける。財をなす。
y`duin{動:ユドゥーイン <y`+*tur-}
1. 視察する。巡覧する。
2. (馬の)方向を転ずる。
3. (領地などを)巡行する。
y`duvna{名:ユドゥーヴナ}
1. 視察。監査。
y`duvoy`{名:ユドゥヴォーユ <y`duin+(rr)oy`}
1. 視察者。監督官。
2. クシュカ帝国の官職名の一。徴税・辺境巡察・牧民人口と家畜数の調査などをおこなう。
yegna{名:イェグナ <*yene-}
1. 心臓。
2. 鼓動、動悸。
3. 血流。脈。
yenka{名:イェンカ <*yene- →【anka】、【agn】}
1. 追随者:原義「恋い焦がれる者、憧れる者」。
2. 憧憬者。
3. 女性の人名に用いられる語尾:「〜に憧れる女、〜を追う女」。 →-yeonを参照。
Yenu_s^kau{固有:イェヌーシュカウ ye_nin<YENE +【us^k】:「馬を愛でる者」}
1. 【ヴァルベユーズ】の父王。
yeon{名:イェオン}
1. 【yenka】の男性形。
yevekovna{名:イェヴェコーヴナ}
1. 告発。告訴。
yevekuin{動:イェヴェクーイン <ya-+vekuin}
1. 告訴する。
2. (相手の罪を)告発する、責める。
Y`galdas^{固有:ユガルダーシュ <y`gau+ladas^}
1. クシュカ帝国の東方にあって、【クンヴェル】の騎馬軍団に抗したとされる堅固な要塞国。
y`gau{名:ユガウ <*yene-}
1. 動揺。揺れ。
2. (仏典)阻害。障得。
3. 障壁。壁。
y`lda{名:ユルダ <y`lt}
1. 金属。
y`ldav{形:ユルダウ}
1. 金属製の、金属を原料とする。
y`ljnaska{名:ユルジュナースカ}
1. 鉱夫。特に黄金を探し当てる者。
2. (固有)イスキュア神話において【ユルジュナーザ菩薩神Y`ljnaza】から生まれた百人の子供。短躯頑健にして、「黄金が放つ芳香」を嗅ぎ分けたとされる。集合名詞はY`ljnavel、
Y`ljnaza{固有:ユルジュナーザ <*y`lt+*yene+zau}
1. 黄金探索神、黄金菩薩。イスキュア神話において山中から黄金を探し当てることのできる菩薩神。【y`ljnaska】たちの母神。のちに【イシュカ観音Is^ka】と習合・同一視された。
Y`lkuz{固有:ユルクーズ <*y`lt+*ka-}
1. 【ナウクNaukh】王家の祖であるアウロン王の名を、クシュカ語に翻訳したもの:「黄金色の先駆け」または「黄金の血統」の意。
Y`lsagna{固有:ユルサーグナ}
1. イスキュア神話において、霊峰の奥底にわき出るという神秘の霊液。【英雄パーンドゥシュ】が父の仇である【神獣ミドゥークナ】を討ち倒した際に見いだし、【帝都アシュナ】へと持ち帰ったとされる。
Y`ltenay`{固有:ユルテナーユ <ナーユ語形容語幹yult-<上代ナーユ語*yol-<上代ナウク語*chyul-<派生名詞語幹*klul-<強調形KeLeL<語根KeL +【nay'】 →【ky'lzin】を参照}
1. イスキュア神話における神格の一。黄金の髪を持つ女神姉妹で、【宇宙侵入神クールーシュ】を斬るための大剣ウルナードゥを鋳造する。それぞれが「墓所の炎」をあやつる首飾りを持つ。末の妹はキュルト湖(アルタイ山脈の麓にあるザイサン湖と推定される)に棲み、「王がみまかった時にかぎって」己の地所を離れることができる。
y`na{名:ユナ}
1. 愛。情愛。
2. 好感。
3. 執着。
y`nadin{動:ユナディン、ユナーディン}
1. 惹きつける。
2. 魅了する。
Y`nanday`{固有:ユナンダーユ}
1. イスキュア神話における愛情と欲望の天女。【ナーユ天女】族と【ウシュクヴァーヌ】騎士団との間を往還して、天界戦争の原因をつくったとされる。中世日本では主に東国で愛染明王の化身として信仰された。
y`nay`{名:ユナーユ}
1. 恋人。愛人。
y`nin{動:ユニン <*yene-}
1. 愛する。好む。
y`nuin{動:ユヌーイン <kay`nuin}
1. 道具として用いる。
2. 奴隷とする。
3. 従わせる。
yossa{名:ヨッサ}
1. 贈り物。
2. ささげもの。
yossin{動:ヨッスィン <*yos-<*yese-}
1. 贈る。
2. ささげる。
yozna{名:ヨズナ <*yos-<*yese-「(切り離された)身体の一部」 →意味の関連する語【osk】、【markuz】、【vagn-】、【velyozna】も参照のこと}
1. 四肢(の一つ)。腕、または脚。両腕または両脚をあらわす場合はyoznu、四肢をまとめてあらわす場合はkayoznaまたはyozvelとなる。
y`sa{名:ユサ、ユーサ →*yesse-}
1. 誓い。
y`sav{形:ユーシャヴ <*y`s^}
1. 多くの、普通の。
2. 多く集まった、集合した。
y`ssa{名:ユッサ}
→【y`sa】に同じ。
y`ssin{動:ユッスィン}
1. 誓う。
y`z{名:ユズ}
1. 石、岩。
y`zkin{動:ユズキン、ユーズキン <*y`z-  →ラテン語jus「液、汁」、サンスクリット語yus,a「汁」}
1. 搾る。搾り取る、圧搾する。
2. 滴らせる。
y`zova{名:ユゾーヴァ <【y'z】+sov-}
1. (古)クシュカ帝国の民間伝承で、先祖伝来の宝玉や金貨が、怪事異変をあらかじめ察して振動する現象。「石鳴り」。 →【zaphsova】も参照。
za{前置:ザ <*eza-<*essa- ←→【izu】、【es^lin】、【aus】}
1. 奪格に先行して運動(とくに内から外へ)の起点をあらわす:「〜からその外へ」。
2. -ver分詞に先行して、主要な行為への並行や従属などをあらわす。
  ※例文1)
   lhay` salvan za vnakver. 「鷲は夢を見ながら飛んだ」
    (直訳:「鷲は飛んだ、夢見る(状態)からその外へ」)
  ※注……zaの使用は、行為範囲の「大きさ」が比較されていることを暗示している。
      つまり例文1では、鷲が「飛ぶ」行為は「夢見る」行為うよりも大きく、それを含んでいる……鷲は主に飛んでおり、
      たまたま飛行という行為の内側に夢を見る状態がある。そして「その中から、外へ」ひろがるかたちで飛行していると解釈されるのである。
      このように古典クシュカ語では、時間的・因果的関係が空間的認識に置き換えられるような表現が多く見受けられる。
      ちなみにこれが主従逆転すれば、
        例文2)
         lhay` vnakan za salver. 「鷲は飛びながら夢を見た」
      となる。この場合は、飛んでいる途中で夢を見始めたことになる。zaを用いて行為の終了を示すこともできる。
      その場合は、-ovna動名詞や-av形容詞(=過去分詞と同型)の奪格を用いて、
        例文3)
         lhay` salvan za vnakovnag. 直訳「鷲は夢想からその外へ飛んだ」
         lhay` salvan za vnakuh.   直訳「鷲は夢見る(自分)の外へ飛んだ」
      意訳はいずれも「鷲は夢見ることをやめて、飛んだ」などといった表現にする。また、行為の並行性を強調したい場合は【tva】を用いることが多く、
        例文4)
         lhay` salvan tva vnakver. 「鷲は夢見ている間、飛んでいた」
      この場合は、夢見ることが先行してその後に飛ぶ行為が開始している、もしくは二つの行為が主従や因果関係ではなく時間的重複であるという面に重点が置かれる。
      →複文をつくる場合の前置詞については、さらに【lakh】を参照のこと。
za_-、zah-{接頭:ザー-、ザフ- <*eza}
1. 名詞や動詞の頭について、外部位置・離脱・条件外の状態などをあらわす:「〜の外の、〜に含まれない、〜から外れている」。
  ※例)
   za_is^na    ザーイシュナ「異邦、異国」(直訳:帝国の外)
   zahkarro_vna  ザフカローヴナ「偶然、奇縁」(直訳:船外にある/落ちること)
2. 同じく否定・余剰・超過・異常などをあらわす:「〜ではない、〜に余る、〜の内にとどまらない、〜の定義におさまらない」。
  ※例)
   zahosla_y'   ザホスラーユ「不死者」(直訳:眠りにとどまらざる者)
   zahpa_vin    ザフパーヴィン「やり過ぎる、邪魔をする」(直訳:創り過ぎる)
zagolkau{名:ザゴルカウ <【za】+【golkin】}
1. 独唱、独演。
2. 発言。
3. 演説。
zagolka_y'{名:ザゴルカーユ <【 za 】+【 golkin 】}
1. 独演者。独唱者。
2. 演説者。
3. (部族会議の)発言者、発言の資格を得た者。
zagu_z{名:ザグーズ}
1. 創作、創造。
2. 天地の創造。→【Zagwa_za】を参照。
Zagwa_za{固有:ザグワーザ}
1. 天地の創造主:ヘブライ人の教典等に登場する「唯一神」をあらわす特殊な訳語で、通常は用いられない。
zagwin{動:ザグウィン <【za】+【gwin】}
1. 創作する、創造する。
zahav{形:ザハウ}
1. 暗い、暗黒の、蔭の。
zahnin{動:ザフニン <【za_-】+【nin】}
1. 取り出す。
2. 引き出す。引っぱり出す。
zaidin{動:ザイディン <【za「〜の外へ」】+【aidin】}
1. 拡大する。伸張する。
2. 領土を増やす。
3. (雅)進軍する。攻勢に出る。
zaidun{名:ザイドゥーン <【zaidin】}
1. クシュカ帝国の貴族階級の一。卓越した能力や軍事的成果によって【帝都アシュナ】に居住することを許された牧民を指す。本来は軍事作戦中に昇進した者を意味した。三代皇帝の治世以降は範囲が広がって、新たに登用された書記官などに対しても用いられた。
zaivin{動:ザイヴィン <【za】+-vin「与える、授ける」}
1. 譲る、譲り渡す。
2. (転用:戦旗を譲渡することで)降伏する。
zakha{名、数:ザッハ <zekh- →ギリシャ語deka、古ゲルマン語zehan}
1. (数字の)10。
2. 十個、十人。
3. 十人隊長。
zakhmann{名:ザクマーン、ザハマーン <zakh-「十の〜」+mana-「手」}
1. 十人隊長。
zakivna{名:ザキーヴナ <za-kiven}
1. 他界。異界。「境界の外」。
zaknissin{動:ザクニッスィン <【za】+【knissin】}
1. 夢から覚める。
2. (床から)起きあがる。起床する。
zakrin{動:ザクリン <【za】+kr-<KUR}
1. 発射する。(矢を)射る。
2. ほとばしる。噴出する。
zaku_in{動:ザクーイン <【za】+【kwin】}
1. 去る。立ち去る。
2. (触れずに)残す。そのままにする。捨て置く。 
zalhav{形:ザールハヴ}
1. 古代の。古い。
zalhin{動:ザルヒン}
1. 年をとる。年を経る。
zalikav{形:ザーリカヴ <*zel-}
1. 半分の。半身を欠いた。
2. (一対の)片割れの。
zalnav{形:ザールナヴ}
1. 離れた、彼方の。
2. 遠い。
zalnin{動:ザルニン}
1. 出発する。
2. 離れる。
zaly`k{名:ザリュク}
1. 老い。老齢。
2. 年を経た状態。
za_nn{名:ザーン <*za_nu<*zn- ←→【asnin】、【ezna】 →アルタイ諸語ban「支配者」、古英語pen「首長」}
1. 皇帝。クシュカ帝国の統治者。
2. 皇帝名に多く用いられる接尾辞:「〜の帝」。
3. (一時的な)管理者。「預かりたる者」。
zanu_in{動:ザヌーイン <【za】+【nuvin】<【nin】}
1. 運び出す。持ち出す。
2. (軍勢を)進める。並足で前進する。←→類義語【zaidin】を参照。
zaphsova{名:ザフソーヴァ <【zav】+sov-}
1. 予兆。のちの怪事を予告する現象。
2. (古)戦の前に、身に帯びた剣がひとりでに震えて音をたてる現象。戦功または決定的な敗北を予告するものとして重視された。 →【y`zova】も参照。
zar{数:ザル、ザウ →ラテン語dux、duo、古ゲルマン語zwene}
1. (数字の)2。
2. 二つ。二個。二人。
zarnu_nn{名:ザルヌーン <【zar】}
1. 双子。双生児。
zarrav{形:ザラヴ}
1. 二つの。二人の。
2. 二重の、二面の、二層の。
Zarronon{固有:ザロノン ←→【zarnu_nn】}
1. 聖太子ハリストゥーズKharistu_zに帰依し、西方よりヒンドゥスタンに至った修行僧。後期イスキュア断章にその名が散見される。帝国末期には、【ペンヴァーユPenva_y'王子】の垂迹であるとの信仰が広まった。
zau{名:ザウ <*za_u<SAU/SAGn「単独の、独特の、突出した、選ばれた」 ←→【sagna】、【saugh】、【sauya】、【za】、【za_nn】、【zaulo】 →サンスクリット語de`va、ギリシャ語theos、ラテン語deus、古ノルディック語o`s}
1. 神仏。
2. イスキュア神話における神格の一。小千世界に属して戦闘に長ける諸天を指す。
3. (仏典)仏道における三十三天。
4. 超常者、狂剣士。
zaulo{形:ザウロ <*zel- ←→za}
1. ひとりの、単独の。
2. 孤独な。
zaulos^{名:ザウロシュ <【zaulo】<古クシュカ語*sault<SAU}
1. 孤独。
Zaulurz{固有:ザウルーズ <zaul-「孤独、孤立」+*urz「王子、指揮官」}
1. クシュカ帝国草創期の英雄騎士。【アクシャーザAks^a_aza】の高弟【ニルズ=ネヴィエンNilz-Nevien】の次男で、【ウルンシャウズ白幡公Urns^auz】の弟。父と共に【天空遊行tuvenkus^】を為し、あまたの諸世界を巡って虚空蔵菩薩から無限の智慧を授かったとされる。後代には同菩薩と同一視される。
 多くの戦乱の調停者として、帝国の内乱や継承戦争を謳った武勲詩には頻繁に登場する。【サーリュズSarry`z】の孫サロッハSarrokhaの遺領をめぐる争乱の最後で、アシュナーズル女帝As^nazlの名代としてサカ族とナウク人の理非を見極め、【四大氏族Velkve_da】を帝都の四辺に封じる裁定をくだしたことで最もよく知られている。
Zaulvegh{固有:ザウルヴェーグ <zaul-+*vae-「踝、足首」}
1. 【帝都アシュナ】北西端にある無人の孤島。【ウルゴン河Urghon】の河口に近く、巨大な鷲たちの集う地として牧民に畏れられた。アシュナーズル帝の治世晩年に正覚し、天空を大いに飛峰して【アッシャ河Akhs^a】の中流に遷った。
zaumas^{名:ザウマーシュ <サンスクリット語dharma}
1. 現世の一切。世界。漢訳仏典では「法」「諸法」に相当する。
2. 秩序だった宇宙全体。←→akhvaを参照:ただしzaumas^が「(例外のない)すべて」を意味するのに対し、akhvaは「(統一性・一体性を保持する)要素群の総和」をあらわしており、後者には「悉く」「〜尽くし」のニュアンスは無い。
zaumm{名:ザウム :不規則変化名詞、語幹はzm- <*zamau<*zm-au-<*s-(h)im-<DHE-G^HEM←→【za_mya】と同根 →ヒッタイト語tekan、古英語guma「男、人」}
1. 狩猟者。
2. 男。男性。
3. 人間。人の一族:原義「大地を歩く者」。←→関連する語【ksin】、【kis^】も参照。
zav{名:ザヴ <*zv- →古イラン語xvara「負傷」、古高地ゲルマン語swert「剣」}
1. 剣。
2. (zauとの語源混同から)武装神、明神に相当する神格。「武天」「荒神」。
3. イスキュア神話における咒的器物の一。東方菩薩神の命によって湖畔から無限に生え、獣と人とを分かつ働きをしたとされる聖剣。イスキュア断章に曰く、「まことに剣を手にしてのち人は人となれり」と。
zava{名:ザヴァ}
1. 暗闇、暗がり、蔭。
Zavgana{固有:ザヴガーナ <zav+gauna}
→【Beizl】を参照。
zavin{動:ザヴィン <【zav】}
1. 剣をふるう。剣で戦う。剣闘する。
2. 剣を抜く。
3. (雅)戦に赴く。
zavu_in{動:ザヴーイン <【zavin】}
1. 戦争に参加する。従軍する。
2. 陣中にある。
zavu_ska{名:ザヴースカ <【zavu_in】}
1. (古)女戦士。直訳「剣の姫」。
Zavzalau{固有:ザヴザーラウ}
1. (仏典)デーヴァダッタ。【釈迦As^zaudun】の従弟にして、転輪乗の教えを授けられた唯一の者。
zay`{名:ザーユ <zin}
1. 認識者。イスキュア神話哲学において、人間・神獣・異生・そのほか百年の歳月を経るなどして、悟性(=自己の有限性の認識)を獲得した動物・植物・無生物を指す言葉。→【akhtay`】を参照。
-ze、-je{接尾:-ゼ、−ジェ}
1. エルン語において、命令法をあらわす動詞接尾辞:「〜せよ」。→語幹の最後尾子音が-s/-s^/-zである動詞については【-me】を参照。
zenuin{動:ゼヌーイン <*ze-}
1. 発生する。生える。
2. 生まれる。
zer{代:ゼル、ゼウ}
1. 近接・隣接する場所をあらわす指示代名詞:「そこ」。 ←→【zr】を参照。
zey`{名:ゼーユ <*ze- ←→gezau →ギリシャ語ge/geo「大地、産み落とすもの」}
1. 大地。地上。
2. 世界。
3. 土地。土壌。
zilakh{名:ズィラク、ズィラハ <zil「私は在る」?}
1. 在る者、存在。
2. 実在。←×→naz「非在」
zin{動:ズィン <*s-in<DHE}
1. ある、存在する、立つ。
2. 現れる、到来する。
3. (仏典)衆生を救済する。
-zl/-izl{接尾:−ズル、イズル}
1. 女性の人名に用いられる語尾。
zlo_mm{名:ズローム <*zlo-}
1.  すね。
zluk{名:ズルク、ズルーク}
1. 遺跡。廃墟。
2. 破損または廃棄したもの。廃物。
zna_khin{動:ズナーヒン <*znag-kh-<SNOG+GHE →リトワニア語snak「蝸牛、蛞蝓」、英語snake「蛇」}
1. 這う。地に(腹這いに)伏す。
zna_y`{名:ズナーユ <*s-nau-<DHE+NAWE ←→【 nargh 】、【 naurrin 】}
1. 塵。芥。
2. (古)絡まること、絡まった状態のもの。
3. (古)予定された行動から生じた予定外の結果。
-zon{接尾:ゾン ←→【-idann】}
1. (古)名詞について、巨大さ・壮大さをあらわす接尾辞:「大いなる〜、大〜」。古い地名や人名に多く見受けられる。
zr{代:ズ}
1. 三人称代名詞「彼」「彼女」「それ」。
2. 指示代名詞「その」「あの」。
3. 構文上、対格をとった主語の代わりとして用いられる指示代名詞:「そこに〜がある」「そこにいるのは〜である」。現在形の場合、動詞は往々にして省略される。
 : zr(nin)munakai 「そこに賢者がいる」
   zr nan munakai  「そこに賢者はいた、そこにいたのは賢者だった」
zurjna{名:ズージュナ、ズルジュナ <*zurjn-<*sur-y'n-<DHER+YENE}
1. 妄執。
zurlo{形:ズーロ ……接頭辞としてはzu-}
1. 暗い、闇の。
2. 不可視の。
3. 不吉な。邪悪な。
zurs^{名:ズーシュ、ズルシュ <【zurlo】}
1. 闇、暗闇。暗黒。
zurvin{動:ズーヴィン、ズルヴィン <【zurlo】}
1. 覆う。塞ぐ。妨げる。
2. 暗くする。目を隠す。
-zu_y'{接尾:-ズーユ <*su_-<S(W)E →ラテン語sui、サンスクリット語sva-}
1. 代名詞の後について、再帰代名詞をつくる:「〜自身(が)」。
2. (古)三人称の再帰代名詞:「彼自身、彼女自身、それ自身」。 ←→【zr】を参照。

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