★柳川/新城先生のありがたいお言葉の解説(解説文責……:散歩男爵 :散歩執事)


1999年世紀末のお言葉

2000年12月:「『インパク』の可能性……蔑称としての^-^)」
 


 2000年大晦日、新城は学生時代の悪友たちとまったり
過ごしていたのですが、その折、
「そういえばインパクってどうなん?」
という話になり、現物をネットで見に行って、けっきょく
出てきた結論が、
「21世紀は、勘違いしているヤツとか早合点しているヤツ、
 その他おマヌケな人のことを、インパク野郎と呼ぼうじゃないか」
……であったという、まあそれだけの話なんですが。
 
 

 

2000年11月:「踊る民主主義Dancing Democracy、萬歳!」
 

 
 なにかと言えば当然、例の米国大統領選。とくに日本の
報道では「なんでえ米国、いいかげんだなあ」みたいな
ニュアンスで語られることが多かったですが、しかし新城は
まったく別の感想というか感動を得たのです。つまり、合衆
国憲法というのは、「投票が曖昧だったら再集計し、疑義が
あるなら法廷で闘争し、それでも選挙人が選べなかったら州
議会が選び、それでもダメなら連邦議会が選び、連邦議会で
さえも同数に割れていたら議長が一票を投ずる」ところまで
すでに200年以上前にきちんと決めてあったのだなあ、と
いう用意周到さ……というか、「人間は不完全だから想像も
できないようなアホな事態がどうせそのうち起こるだろう、
だからそこまで先回りして考えておこう」という建国の父祖
たちの透徹した視線みたいなものを感じたわけです。
 それは素晴らしいことだと、かえって思ってしまったのですが
如何でしょうか。
 バケツで核燃料を臨界まで押し上げたり、たかが首相が政務
不能に陥った(失礼)くらいで「しまった!代理を決めてなかっ
た!」とオタオタしたあげくに密室談義で後継総理を決めてる
ような国からみれば、ホントに見事としか言いようのない出来
映えだと思いますわい、実際。
(ちなみにその後、首相代理の順番だけは決めるようにしたみたい
ですが。遅いっつーの)

 で、表題の科白はCNNのキャスターだかレポーターだかが
言った「民主主義が踊っている」から引いたものですが……新城は
あいにくその場面は観てなかったのですが(他のところはほとんど
かじりつくように観てたんですけど……ダン・ラザーとかが徹夜で
ヘロヘロになってくとことか)、これはやっぱり、かの有名な
ウィーン会議の「会議は踊る、されど進まず」を踏まえているのかな
あ、と思うんですがどうでしょう。いちおう頭韻を踏むように英訳を
あててみました。
 

 でもって、個人的に今回の騒動でいちばん印象的だったのは……

「かくして、知性を有すると称する合衆国市民であれば、もう
二度と『どうせ自分の一票なんて影響ないさ』とは言えなくなった」

という、これもやはりCNNの某キャスターの一言でありました。
 


 あれだけたくさんの人がいるってのに、数百票の差しか生まれないってのはすごいですね。
 本当に「アメリカを二分する」選挙でしたなあ。
 
 

2000年10月:「えっ、サイアスが廃刊!?」
 

 

 くわしくは

http://www.book-map.com/boukoku/index.html

などを、ご覧いただくとして……

 要は、「儲からないのでや〜めた」という経営陣の
決定らしいのですが。むはあ。
 新城は以前から「日経サイエンス(旧サイエンス)」と
岩波の「科学」は図書館で愛読しておるのですが(それから
たま〜に「パリティ」も)、やはり「サイアス」廃刊は
ショックでありまして。
 久しぶりに興味ある特集だったんで買ったらこれだもんなあ……。
 

 ……そういえば数日前の新聞で、打ち上げ失敗したロケットの予算
未払い分を、科学技術庁だか文部省だかが支払いを拒否したので、
宇宙開発事業団(だったっけ)が払ってくれと訴えた……とかいう
記事を目にして、またビックリ。
 いくら失敗したからって、「じゃあ払わんよプ〜ン」というのは、
大人の言うこととも思えませぬ。ぬぬぬ。そごうの騒ぎの時もそうだった
けど、なんだか最近のネクタイびと(=新城用語で、20歳以上で業界人
ではない労働人口のこと:日本には約7000万人以上いるらしい)は、
どっか頭のネジがゆるんでるんでしょうか。そうとしか思えないっすよ、
先輩。いったい、
「契約は履行されるべし」
 という文明社会の大原則はどこへいってしまったんでしょう。
 

 原則の話はさておき、科学について。
 科学雑誌が減り続け、宇宙開発の所轄官庁が事業団に対して不払いを
言い出す国で、「あいてー・かくめい」とかほざいてるんだからなあ、
もう何がなにやら。このままでは、とてつもなく高速の通信回線の中を
「アトランチスは南極大陸と化してオゾン層をつくっていた!」
 とか、
「100万光年彼方で5万年前につくられた遠赤外線の波動が、健康にいい!」
 とか、
「円周率は3だった!」
 とかいったラブリーな情報が飛び交って、国民そろってそれらを
信じるに違いない。……いや、もう始まってるのかな^-^)?
 
 
 

※補遺篇……円周率は3になるのか、ならないのか!?

 上記のような話を書いてから数週間後、
「いや、公立小学校で円周率がおよそ3になるという話はデマらしいぞ」
という情報をキャッチ!
 さっそく調べてみました。

http://www.monbu.go.jp/printing/sidou/00000001/

 に、指導要領の現物がありまして。よくよく読むと、

「めんどい時にだけ、およそ3としちゃってもいいよん」

と言ってるようにも読めます。
 が、しかし。
 さらに調べていくと、

「いや、円周率=3.14....と教えるのだが、実際の計算を
 する時には有効桁数を1桁だけにするので、結果的に3と教えて
 いくことになるのだ!」
「そうじゃないぞ、有効桁数は一般的に小数点以下1桁まで教える
 ことになってるんだ(新しい指導要領でも)、だから円周率だけ
 およそ3にするのはやっぱり変だってば」
「てゆーか、それじゃつまり指導要領の中身がバグってるってこと?」

……等々、さまざまな意見や分析が。
 ええい、いったいどっちなんじゃ。
 というわけでこの話題、新情報などをお持ちの方は御一報ください。
200散歩円を進呈いたします。……
 
 

2000年9月:「祝! 「TRICK」ビデオ&DVD発売決定(12月に)!」
 

 
 これは何かというと、新城ならびに信頼する友人諸氏がことごとく
大のお気に入りだったテレビ朝日系列深夜放映(いわゆる「タモリ
倶楽部の前の時間帯」)のドラマが、こないだ終了したのですが、

 新城「あれ、最初のほう見逃しちゃったんだよなあ。ビデオ出ない
   かなあ……」
 伊豆1「ううむ、どうでしょうねえ」
 某氏「そんなん出るわけないじゃん、そんなマイナーなの」
 新城「(ガックリして肩を落とす)」

てな会話があったその翌週!
 なんと発売が決定したのでありますよ。よよよ。泣き崩れる未亡人。
いやそれはどうでもよろしい。

 ドラマの詳しい内容は、下の

http://www.TV-asahi.co.jp/trick/index.html

 をご覧ください。物語構図を簡単に言うと「エセ神秘主義のトリックを
見破る探偵役の凸凹コンビの爆笑珍道中」なのですが……むむう、面白さを
説明しづらいなあ。ただの洗脳解除ものや科学偏重話に堕していないところ
が素晴らしくて。「洒脱」というか、「トリックをあばく自分をも笑う視線」
というか……ともかく新城としては、『古畑任三郎』第一シリーズ
以来ひさかたぶりの「ちゃんと観れる和製ドラマ」でありました。お勧め
です。ふふふ、ざまあみろ、某氏! これからはTRICKの時代だ! この
うえは、是非是非第二シリーズを!!

2000年8月:ああ素晴らしき小原愼司氏サイトの漫画」
 

  詳細は【4月の一言】を参照してください。あれ? 表示は3月に なってるぞ。なんで3月が二つもあるんだ。謎。

執事注:すいません。カット&ペーストの罠です。

2000年7月その1:「『信州大学SF&ミステリ研のみなさま、おつかれさまでした&楽しい合宿ありがとうございました」
 

 えー、不思議な縁によって新城は信州は白馬へと誘われ、
信大SF研のみなさまの合宿会場へとお邪魔したのでした。
美しい「女性」のみなさまに囲まれて、たいそう楽しうござい
ました^-^)。また遊びにいきますので、よろしく〜。

2000年7月その2:「正義の値段、1200億円」

 またまた真面目な時事ネタでもうしわけないですが、
なにかというと、例のそごう債権騒ぎ。
 世間では「これで税金からの支払いは無くなった」と勘違いして
喜んでいる御仁もおられるとか……ううむ。実際には債務放棄の
場合と同額か、あるいはちょっと多いくらいの税金投入がおこなわれる、
ということらしいです。
 が。
 新城思うに、これはつまり、
「日本国民が1200億円の貴重な買い物をしたのだ」
と考えるべきではないかと。
 で、なにを買ったのかというと……
 そう。
「どんなに欠陥があろうとも、それ以外の選択肢よりは
 まだしも公正なルールにのっとった手続き」
 ……を、であります。
 あとは、この買い物を有効に使いこなせるかどうか、なのですが。
 
 

 次の選挙は来年、参議院です。





2000年6月:「『うるさくない選挙でレッツゴー同盟(うレ同)』、発足!」

 ……何かともうしますと。
 要は、あの選挙期間中にやたらとうるさいうえに無意味な候補者名
連呼街宣車をどうにかしよう、という運動をネットで広めたいな、と。
 半分は冗談なんですが。半分はマジです。

 どういう内容かというと、
・選挙期間中に、「うるさい街宣車」を耳にしてしまったら、
 その政党/候補者には投票しない
・そうやって順次、「投票するかもしれない候補者」を削ってゆき、
 投票日にはうるさくなかった候補が残るので、そこに投票する
・ぜんぶうるさかったら、「いちばんマシだった候補」に入れる
・うるさくないのが複数あったら、公約を気に入ったところに入れる

で、このあとが一番肝心なのですが、

・以上の基準で今回の選挙は投票するよ、ということを、『うレ同』の
 賛同者はネットで堂々と表明する

というネタであります。ネタかい!>自分
 いや〜、これでちょっとでもあの街宣車文化が廃れてくれれば、それに
こしたことはないのですが。どう考えても無意味なんだよな、街宣車。
とくに名前連呼してるだけのやつ。せめて(静かな声で)政策を説明して
ほしい。BGM付きで。もっと望ましいのは、街宣車で住宅街を回るための
経費を他のもっと建設的な行動(政策パンフつくるとか、公開討論会をネットで
やるとか)に充ててほしいっすよ。ほんと。

 そんなこんなで、無意味系街宣車文化を根絶したいと思う方は、ぜひぜひ
『うレ同』に御協力を!
 流行らせよう、「うるさいとこには入れないよ」!

 





2000年5月:「引っ越しても引っ越しても暗闇」   by種田山頭火(嘘)

  さて、我らが散歩男爵の心の故郷「暗闇文庫」でございますが、これには本舗と支店がございます。本舗というのは執事も一度だけちらりとしか見たことがないのですが、アパートの一室(二室? 三室? 天井裏も?)をすべて本が埋めているというなかなかに激しい文庫です。
 支店というのはエルスウェア事務所の一室を占拠した、本棚の林立する、執事にとってもなじみの深い場所であります。支店はエルスウェアから出されている「プロの発想法でつくる! ゲームキャラクター」という本の、藤浪&佐々木両氏へのインタビューの写真にちらりと写っています。
 しかし、この五月初頭にエルスウェアが移転しました。新事務所は「ホントに事務所」な事務所で(つまり今までいた場所はわりとアットホームだった)、男爵のスペースはあるのですが、暗闇文庫を設置するスペースがありません。

            壁
     事務所    壁
         机机机壁  外
         机机机壁
          椅子 壁
       壁壁   壁
   壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁
(等幅フォントでご覧下さい)

 ちとわかりにくいですが、つまりは男爵のスペースは、事務所の角に当たるわけです。
 そして男爵、こんな案を提示しました。
 

     事務所    壁
       本棚机机机壁  外
       本棚机机机壁
       本棚 椅子 壁
       壁壁   壁
   壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁

執事「これじゃスペースに入れないじゃないですか!」
男爵「いや、ここに入るときは、机の上をまたいでだね……」
執事「どうしても暗闇がいいんですか?」
男爵「昔からあこがれていたんだよ、こういうのに」

 ちなみに、机の上にはiMacが鎮座ましましておりますので、またぐのはかなり難しいです。
 こうまでして暗闇を求める男爵の姿は、いっそ神々しくもありますが、果たして新事務所に暗闇が導入されるのはいつの日でしょうか?

 ……とか言ってたら、次に執事が事務所に来たときは、ちゃんと実行されちゃってました。
 現状はこう↓です。
 

             壁
   事務所       壁
       棚机机机机机壁  外
       棚机机机机机壁
       棚  椅子 棚壁
       壁壁   棚壁
       壁壁   棚壁
   壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁
 
 





2000年4月:「なにがあったの、アワーズ増刊」

  少年画報社(だったっけ?)のヤングキング・アワーズ(だったかな?)という雑誌があるんですが、これの増刊(たぶん新雑誌準備&市場調査号)がむちゃくちゃ面白い。
 というか、新城の大好きな(しかし世間の××どもはまだその真価を知らない)すばらしい漫画家さんたちが、やたらたくさんこれに描いてます。なんでだ、少年画報社(たぶん)。新城の心を読んだのか、少年画報社(たぶん)。
 どうしてこんなに趣味があうんだ。誰なんだ編集は。新城にはいないはずの双子の兄かも。どきどき。(編集の方、もしこれを読んでたらごめんなさい。)
 こんなに波長が合ったのは、創刊当時のコミックビーム以来でございますよ。それと最近のコミック・キュー(COMIC CUE)ね。

(あいかわらず趣味が偏っとるなあ、という大脳左側からの野次)

 うるさい、外野。
 ちなみにアワーズ(たぶん)増刊ではTAGRO氏の作品に新城の魂はメロメロになってしまいました。ああなんという素晴らしさ。いや、ここは旧カナで。あゝ何といふ素晴らしさ。炊飯器。

 コミックビームのほうは、最近はちょっと「うーむ」な感じですが、でもあいかわらず水準以上。新城はあまりネット上で作品やら雑誌やらの寸評をするのは好みではないのですが、今回はまあ例外ということで。春だし。
なんでじゃ。言い訳になっとらん。
(ちゃんとした評論ならいいんですが……なんだかネットを見てると、書き捨て書きっぱなしの自称「作品寸評」が多すぎて……ええい、いつかやったる『新城カズマ&柳川房彦の〈誰も知らない小さな傑作100〉』!)

 ついでにいうとCUEのほうは、やっぱ黒田硫黄&小原愼司の両氏が快調。タイムリーで2打点。ぐ、ぐ、軍隊でいうと大佐くらいかな。って何だそれ。
瞬間裸の大将。いや、それはどうでもよくて。
 黒田硫黄は『天狗党〜』の時に大ショックを受けて以来のファンなのですが。『本とコンピュータ』も入手したし。すごい、すごすぎる。天才だ。いや、割り箸ペンなのか。どっちだ。という支離滅裂な言葉しか出てこないくらいすごい漫画描きさんなので、皆様もぜひ一度ご覧くださいませ。

 すごい漫画、で思い出したんですが。以前、ヤンマガの赤ブタ増刊で南北朝を舞台にした八幡船海戦神仏ファンタジーを描いてた漫画家さんの御名前をどなたか御存知ではないでしょうか。マジで探してます。雑誌がなくなっちゃったらしくて連載は中途休止だったように記憶してますが、これもすごい漫画だった。ぜったい話題になると思ってたのになあ。世間は
見る目がないわい。
 というわけで、上記漫画家さん&その南北朝漫画について情報を送ってくださった方には、散歩円を800円発行いたします。散歩円については、こちらのページをどうぞ。
 あ、それから小原愼司氏のつくったとかいう同人誌についても。どこへいけば手に入るんじゃ〜。あ、CUEの編集部に連絡すればいいのか。
どきどき。

(新城注:上記文章で御名前のあがりました皆様、万一御不快に思われましたら御容赦ください)

(執事注:「ヤンキンアワーズ」と「ダンキンドーナツ」が似ています。僕はどうしたらいいんでしょうか?)
 
 






2000年3月:「忌むべき花粉の国

 この季節になると、東京近県の杉林が一斉に花粉を飛ばし始めます。
 それ自体は自然の営みで、新しい命を生み出す行為なのですが、悲しいかな「花粉症」なる病を引き起こす根源でもあるわけです。
 そして我らが男爵もまた、その「花粉症」に心身を蝕まれておいででした。
 時は折しも狗狼伝承5巻の執筆、さらにPBM「狗狼伝承」の準備期間も重なる非常に厳しい時。
 花粉のせいで自宅から出ることもままならない男爵が、ようやくに出社してそうした言葉がこれ。
 幸いなことに執事は花粉症には縁がなく、何食わぬ顔で犬の散歩をしてるんですが。
 
 





2000年2月:「侮りがたし、大阪の古本屋!

 常日頃、柳川/新城は、
「古本は手に取っただけで、中に書いてある値段を当てることができる」
 と豪語しておりましたが、いやしかし大阪の古本屋は。
 むちゃくちゃ良い値をつけてくれます。

 こっちが、
「む……元の定価がこれで、汚れ具合がこれ、そして作者はこの人……ううむ、ずばり1500円!」
 と読んで、開けると、

「1700円」

 どか〜ん(柳川の玉砕する音)。

 ……という調子で、どの本を開いても、かならず200円上の値段になってまして。
 しかもそれが、「高すぎる」わけではなく、「それでもギリギリその本の価値としてはあり得なくはないお値段」になっているところがすごい。

 ううむ、凄い。
 というわけで「負けた」=「古本屋のうらをかいて、掘り出し物を見つけられなかった」という、今回の大阪出張でありました。
 
 






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